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by sasakitosio

防災より史実<9月1日はなぜ「防災の日」なのだろう。9月1日が防災の日に制定されたのは1960年だった。キッカケは前年9月26日の伊勢湾台風>

9月3日付け東京新聞朝刊19面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、文芸評論家・斎藤美奈子氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。 

 まず筆者は、「9月1日はなぜ、「防災の日」なのだろう。そりゃ防災は大切だが「各地で防災訓練が行われました」的ニュースを見ると、私はアホかと思ってしまう。それより今日は関東大震災に思いを寄せる日じゃね~の?」と切り出した。

 続けて筆者は、「9月1日が防災の日に制定されたのは1960年だった。キッカケは前年9月26日の伊勢湾台風で、にもかかわらず防災の日が1日になった理由はいくつかある。

 戦後風化していた関東大震災の記憶を復活させる意図があったこと。

 さらに地震予知の可能性などが語られる中で、「台風ではなく地震こそが特別な災害」と人々に認識させる必要があったこと。

 帝都復興祭(1930年)が開催された後、関東大震災は長く「終わったこと」にされていたのだ!

 以上のようなことを私は水出幸輝「<災後>の記憶史」で知ったのだけど、防災の日のおかげで隠蔽された歴史もある。

 まず、伊勢湾台風の記憶が失われたこと。そして朝鮮人などを虐殺した負の歴史が「防災」の陰に隠れてしまうことだ。

 もしこの日が「関東大震災慰霊の日」だったら事態はまた違ったはずだ。」と指摘した。

 最後に筆者は、「いまだに政府は「記憶が見当たらない」などを理由に虐殺の史実を認めていない。野党の国会議員有志が首相に求めていたように、政府は虐殺の事実を正式に認めるべきだ。102年前の悲劇に目を向けずに何が防災じゃ。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「9月1日が防災の日に制定されたのは1960年だった。キッカケは前年9月26日の伊勢湾台風」とこと、

 「防災の日のおかげで隠蔽された歴史もある。まず伊勢湾台風の記憶が失われたこと。そして朝鮮人などを虐殺した負の歴史が「防災」の陰に隠れてしまうことだ。」とのこと、

 等々を知ることができた。

 そして筆者は、「いまだに政府は「記録が見当たらない」などを理由に虐殺の歴史を認めていない。野党の国会議員有志が首相に求めているように、政府は虐殺の事実を正式に認めるべきである。」と指摘し、 

「102年前の悲劇に目を向けずに何が防災じゃ。」と怒りをあらわにした。

 筆者の思いに共鳴しながら、考えた。

 いつだったか、野田市内で日本人が朝鮮人に間違われて虐殺されたことが報道され、その現場へ行ったことがある。

 野田市での悲劇をみても、日本全国で朝鮮人虐待の事実は否定しようもない歴史的事実だと、私は思ってきた。

 この欄で、改めて「政府は「記録が見当たらない」などを理由に虐殺の史実を認めていない。」ことを知った。

 政府がその事実を認めない「意味」が分からない。政府が扇動して朝鮮人虐殺を起こし、戦況の悪さ、国民生活の不安、から国民の目をそらそうとしたのだろうか?そんなことはないだろうと、平和に暮らしている戦中生まれの私は思いたい。

 また、政府が朝鮮人虐殺の事実をいまだに認めない、その真実と理由を東京新聞はじめマスメディアや有識者の皆さんに改めて深堀していただくことが、私には同じ悲劇を繰り返さないためにも必要な気がしてならない。


by sasakitosio | 2025-09-04 10:49 | 東京新聞を読んで | Trackback