伊藤由紀夫君<筆者が中学・高校の6年間をともに過ごした「人」だ。彼が人生の最後の力を込めたその本は「18・19歳非行少年は厳罰化で立ち直れるか」(編集代表・片山徒有)>
2021年 05月 17日
5月16日付け東京新聞朝刊21面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、現代教育行政研究会代表・前川喜平氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「伊藤由紀夫君が亡くなりました。僕は彼と中学・高校の6年間を共に過ごした。脳裏に浮かぶのは明るく利発で誠実な少年のころの彼の姿だ。」と切り出した。
続けて筆者は、「家庭裁判所調査官一筋だった伊藤君は退官後、非行少年の親たちの自助グループ「あめあがりの会」が立ち上げた「非行克服支援センター」の相談員を務めていた。 非行少年の立ち直り支援、非行少年の親の支援などを行うNPOだ。
伊藤君はまた「日刊ベリタ」の代表も務めていた。反戦、反原発、反新自由主義などの旗幟を鮮明にした情報誌だ。」と教えてくれる。
さらに続けて筆者は、「長く音信が途絶えていた彼から連絡があったのは2018年12月。彼の依頼を受けて平和教育や子どもの権利について講演させてもらった。
伊藤君からは少年法改正に反対する新刊書の「帯文」も頼まれた。4月にもらったメールには、入院中でほとんど動けないと書かれていた。
彼が人生の最後の力を込めたその本は「18・19歳非行少年は、厳罰化で立ち直れるか」(編集代表・片山徒有)。彼が逝って9日後の5月15日に観光された。
その帯に僕はこう書いた。
「犯罪は憎い、犯罪者には報復したい。それは当然の感情だ。しかし、そこに付け入る大衆迎合主義は危険だ。非行少年の成長発達への人権とその可能性を見失ってはいけない。この本はそれを教えてくれる」」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「伊藤由紀夫君が亡くなった。僕(筆者)と彼とは中学・高校の6年間をともの過ごした」とのこと、
「長く音信が途絶えていた彼から連絡があったのは2018年12月。彼の依頼を受けて平和教育や子どもの権利について講演させてもらった」とのこと、
「伊藤君から少年法改正に反対する新刊書の「帯文」を頼まれた」とのこと、
「彼が人生の最後の力を込めたその本は「18・19歳非行少年は、厳罰化で立ち直れるか」(編集代表・片山徒有)。彼が逝った9日後の5月15日刊行された。」とのこと、
「その帯に僕はこう書いた。「犯罪は憎い、犯罪者に報復したい。それは当然の感情だ。しかし、そこに付け入る大衆迎合主義は危険だ。非行少年の成長発達への人権とその可能性を見失ってはいけない。この本はそれを教えてくれる」」とのこと、等々を知ることができた。
そして考えた。
筆者の「犯罪は憎い、犯罪者には報復したい。それは当然の感情だ。しかしそこに付け入る大衆迎合主義は危険だ。非行少年の成長発達への人権とその可能性を見失ってはいけない。この本はそれを教えてくれる」との帯文は、当該「本」を読みたくなる誘惑にかられること、間違いないと思った。
また、筆者の帯文は、非行少年だけでなく、すべての少年に対する深い愛情と期待を感じさせた。 さらに、一読者の自分が、筆者の言う大衆迎合主義に引っ張られやすいことを、改めて知った。