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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

「喪の旅」に出て 亡き愛する人と出会い直す春<去年10月夫が亡くなった。新聞社を退職したばかりの60歳。平気な顔をして暮らしている。マスクの下、後悔を封して。でも、ふいに涙がわき出してくる。>

 410日付け朝日新聞朝刊11面に、「多事奏論」という欄がある。筆者は、大阪編集局記者・河合真美江氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「氷のかけらを私がスプーンで口に運んだら、目を細めて味わうようにした。思えばそれが最後の一口。去年10月に夫が亡くなった。新聞社を退職したばかりの60歳。がんを患い、1年余の闘病だった。

 コロナのため面会制限で、おしまいの入院では3週間ほど会えなかった。最後は自宅に帰って6日目、トイレで倒れて逝ってしまった。

 なんで・・・。そんなに急いで、あほやなあ。よくケンカしたし、仕事ですれ違いばかりだったけれど、これから自分たちの時間を持とうとしていたのに。私が単身赴任中の発病だった。半年たつ今も「何の力にもなれなくてごめんね」と遺影に話しかける。彼ははにかんで笑っている。

 平気な顔をして暮らしている。マスクの下、後悔に封して。でも、ふいに涙が湧きだしてくる。大切な人をなくした多くの人がそうなのでは。書いて話して読んで、痛みを共にする場があれば。」と切り出した。

 続けて筆者は、「「喪の旅」に出た。亡き人を思う読者の皆さんと道連れに、という企画。体験がつづられたお便りをもとに取材し、生活面に掲載している。

 「あなたに会えたよかった」。そう題したお便りが届いた。<亡くなる直前はアイスクリームだけ口に出来た。「持ってくるね」と立ち上がろうとすると、もう少しここにいてと。顔を見ていたかったよね。今度会えたらやっぱり好きだよ大好きだよそういうと思う。きっとまた会おうね。そしてしっかりと手を握ろうね。二度と離れなくていいように>(一部抜粋)

 ラブレターだ!お電話すると「毎晩、位牌にチュッとして枕元に持ってきて寝るんですよ」と朗らかな声が響いた。兵庫県三木市の堀洋子さん、79歳。1昨年、82歳の夫忠之さんをがんで亡くした。

 なれそめはーーー。司法試験を目指した忠之さんと短大生だった洋子さん。友たちと旅の途中、函館線の列車に乗り合わせて出会う。

 5年間の大恋愛の末、1966年に結婚。夫は司法書士として働き抜き、金婚式を元気に迎えた後、病気がわかった。

 亡くなる2カ月前のある晩。布団の中でギュ~ッ抱きしめられた。「けんかもしたね。ごめんね。いっしょにいられて楽しい人生だった。ありがとう」夫は優しく言った。「ありがとう、私も」

 話を聞いているだけでヤケる。

 洋子さんは夫が入院中、闘病記録をつけていたノートに次の自筆を見つけた。

 生者必滅 会者定離

 生まれてくるものは滅び、出会ってもわかれる定め。「どんなにつらい思いで書いたか。それでも、見守ってるから安心して生きやって夫は言ってくれた。私がんばります」」と教えてくれた。

 最後に筆者は、「この仏教の考えの底には、生きる者、形あるものは常に変化していくという意味が流れているそうだ。「喪の旅」にお便りをくださった愛知県愛西市の明通寺の北条義信住職が教えてくれた。「亡くなった方は戻ってこない。でも、かかわった人、あらゆるものに生きた証しは残る。残された人を支え、ともに歩む力になっている」

北条さんは3年前浄土真宗大谷派の敬愛する先輩を亡くした。お悔みに行き、息子さんに思い出話をすると彼は言った。「知らなかったおやじの姿を様々なかたに教えられています」と北条さん。

 そういえば。夫の同僚や友だちから聞いて、初めて知ることがある。仕事に悩んでいるとき散々飲みに連れていかれて励まされたとか、いつも昼時に文庫本を読んでいたとかね。へえ~そんな人だったんだ。ちょっと救われる。

 それでも今年の桜はやるせない。毎年一緒に見た人がここにいない。違うか。出会い直しの春。この胸にいて、一緒に見ているんだよね。」として締めくくった。

 読んで、筆者の夫、堀洋子さんの夫、二人とも死後も慕われていることを知り、生前の睦ましさが想像でいるようで、現代の夫婦の鏡だな、と思った。

 私も昨年、金婚式を迎えることができた。長男が音頭を取ってくれて、ズームで祝いの飲み会を開くことができた。二人でおれる一日一日を大切にしようと、思った。

 


by sasakitosio | 2021-04-11 18:37 | 朝日新聞を読んで | Trackback