独裁国家の14億人 中国の買う力世界を揺さぶる<巨大な独裁国家の消費者は世界をどこへ導くのか?個人お好みにとどまらず、中国の国策に沿った声を発して、多様な価値や歴史感をも買い取っていくのか??>
2019年 11月 26日
11月23日付朝日新聞朝刊13面に、「多事奏論」という欄がある。筆者は、編集委員・吉岡恵子氏だ。 今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「晩秋の上海で、フランスのマクロン大統領は中国の習近平国家主席とワイングラスを傾けていた。
買う力を外交力に使おうと習氏の肝いりで昨年から始まった、国際輸入博覧会の主賓としての訪中である。二人が会場で試飲した赤ワイン、ブルゴーニュのシャトー・コルトン・グランセイなどは早速中国で話題を集めている。つまみに仏産の牛肉が添えられていた。
習氏への手土産は、赤ワインの最高峰と言われるロマネ・コンティ。鄧小平氏が進めた改革開放元年とされる1978年もので、ネットで検索すると一本数百万円。香りすら縁のない値段だった。中国メディアは「美食外交」と持ち上げる。
6日まで3日間の滞在でまとめた商談を思えば、安いかもしれない。
航空機を売り込んだほか、仏20社が鶏、牛やブタの肉を中国に輸出する許可を得た。フォアグラやブタの精液も手続きを進める。中国は農産物を米国との交渉の武器にもしている。14億人の胃袋は国際政治を動かす。」と切り出した。
続けて筆者は、「10年ほど前、当時の仏大統領サルコジ氏がチベット問題に口をはさみ、中国政府から猛烈な怒りをかったことをことを思い出した。
北京五輪を機に中国の人権問題に懸念が高まった時期だった。中国は首脳会談に応じなくなり、仏企業は商談から外された。
そのうち、欧州は債務超過に襲われ、中国マネーの存在が高まっていく。
輸入博で米国企業の姿も目立った。クアルコム、フェイスブック、ゼネラル・モーターズ、テスラ・・・。190を数え、国別で最多。安全保障上の懸念から中国経済と関係を断つ「デカップリング」が関係者の間で語られるなかでも、巨大市場を手放せない現実を見せつける。
輸入博が閉幕した10日夜。ネット通販最大手アリババ集団が翌日の「独身の日」の24時間セールを控えて、前夜祭を盛り上げていた。
舞台には米国の歌手テイラー・スウィフトさんが登場。日本の声優花澤香菜さんはキティちゃんの着ぐるみと一緒に歌って踊る。東京五輪のマスコット2体も現れ、PRに努めた。五輪を観戦する旅行商品も用意された。
11年目を迎えたセールの売り上げは今年、日本円にして4兆円を超える。日本の小売利最大手イオンの半年分を1日でたたき出した。
セールの輸入額を国別でみると日本が首位、美容器具のヤーマンを筆頭に、花王、紙おむつのムーニーがブランドベストテンに入った。二位は米国。アップルのiphoneも好調だった。ロシアやアジアの企業も売り込みに必死だった。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「香港やウイグル問題で、中国政府の強硬な対応が続く。マクロん氏も香港について対話を促したという。だが、習氏の耳にどれほど届いただろうか。発言はむしろ激しさを増してる。中国の言論や人種の問題は10年前より明らかに悪くなっているのに、先進国の世論の影響力は落ちている。
中国の輸入額は2兆ドル(約220兆円)を超えて首位米国に迫る。
軍事力の脈絡で語られがちな米国の覇権だが、買う力の存在は大きい。相手国の雇用に直結するからだ。
「お客様は神様」とすれば、中国の消費者は市場で強い発言力を持つ「神様」に近づいているかもしれない。意にそわない広告や発言には、市場から干しあげられるお仕置きを受けかねない。
最近も仏などの高級ブランドが香港や台湾の表記をめぐりも反発を浴びて謝罪に追い込まれた。
中国の人々が豊かになり、消費を楽しむことを制する権利は誰にもないし、できない。
ただ、巨大な独裁国家の消費者は世界をどこへ導くのか。 個人お好みにとどまらず、中国の国策沿った声を発して、多様な価値や歴史感をも買い取っていくのか。
アリババのセールの舞台をつんざく歓声に包まれながら、市場を揺さぶる大きなうねりの行方を案じた。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「晩秋の上海で、フランスのマクロン大統領は中国の習近平国家主席とワイングラスを傾けていた」とのこと、
「習氏への手土産は、赤ワインの最高峰とも言われるロマネ・コンティ。故鄧小平氏が進めた改革開放元年とされる1978年もので、ネットで検索すると一本数百万円。」とのこと、
「航空機を売り込んだほか、仏20社が鶏、牛やブタの肉を中国に輸出する許可を得た。」とのこと、
「輸入博では米国企業の姿も目立った。クアルコム、フェイスブック、ゼネラル・モーターズ、テスラ・・・・。190を超え、国別で最多。」とのこと、
「11年目を迎えたセールの売り上げは今年、日本円にして4兆円を超える。日本の小売り最大手イオンの半年分をたった一日でたたき出した。」とのこと、
「セールの輸入額を国別でみると日本が首位。美容器具のヤーマンを筆頭に、花王、紙おむつのムーニーがブランドベストテンに入った。二位は米国。」とのこと、
「中国の輸入額は2兆ドル(約220兆円)を超えて首位米国に迫る。」とのこと、
「「お客様は神様」とすれば、中国の消費者は市場で強い発言力を持つ「神様」に近づいているかもしれない。市場から干しあげられるお仕置きを受けかねない。」とのこと、
「最近も仏などの高級ブランドが香港や台湾の表記をめぐって猛反発を浴びて謝罪に追い込まれた」とのこと、
等々を知ることができ、よく理解もできた。
そして筆者は、「中国の言論や人権の問題は10年前より明らかに悪くなっているのに、先進国の世論の影響力は落ちている」と指摘し、
「巨大な独裁国家の消費者は世界をどこへ導くのか。個人の好みにとどまらず、中国の国策に沿った声を発して、多様な価値観や歴史感をも買い取っていくのか。」と危惧している。
そこで考えた。
個人的には、中国の歴史に敬意を持ってきた。漢字や、仏教や、儒教が伝来してきた「地」であり「大陸の国家」であり、記録された歴史も日本より古い、等々があって、訪問した外国の街の数で中国が一番多い。最後に訪れたのは孔子廟、孔子の墓がある「曲阜」と泰山を訪れ、登山道沿いにある「孔子が腰かけた」石、に座ってきた。
最初に中国を訪れたのは、1984年夏、柏市の姉妹都市「承徳」を、老若男女20名で団体を組んで訪問した時であった。
その間、約27年の経過があって、通訳や道行く街の人々の様子をみて、経済の発展は感じられ、西側世界への憧れをも感じたものだ。
筆者懸念の「独裁国家の消費者は、多様な価値や歴史感をも買い取っていくのか」との懸念は、杞憂に終わってほしい、と思っている。
逆に、衣食住に不安がなくなると、人間は次に自由が欲しくなる特性があり、それは妨げるものは「いかなる存在」も「中国国民」によって取り除かれるのではないか、と期待もし、思ってもいる。

