英・ジョンソン新首相 天罰か奇跡かそれが問題だ。<天罰は唐突に残酷に下るだろう!あるいはひょっとすると、彼は多くの失敗によってでなく、勇気あるたった一つの行動で記憶される道を選べるかもしれない?>
2019年 08月 13日
8月2日付朝日新聞朝刊13面に、「コラムニストの目」という欄がある。筆者は、ロジャー・コーエン氏だ。
今日はこの記事を学習することにした。
まず筆者は、「英国の新首相ボリス・ジョンソン氏は、大学で古典をしていた。だから、かれにはわかる、傲慢のあとには天罰が下ることが。神々は見ている。審判の時がいつになるかは、彼次第だ。
天罰は、ヘミングウエーが破産の兆候を描いたようにやってくる。
最初はゆっくりと、そして突然に。
審判とは?
ジョンソン氏は英国をもてあそんできた。 いくつものおふざけ行為のひとつのように自国をあまりにもちゃらんぽらんで無責任に扱い、彼が理知的で魅力的であっても、それは許されない。
彼は英国の欧州連合(EU)からの離脱は却下されるだろうと見込んで、気まぐれから離脱を支持した。それ以降、強硬離脱派の駒になってきた。強硬離脱派は狂信的に「小さなイングランド」を求めて凝り固まった人たちで、ジョンソン氏を首相官邸に送り込んだ。
徹底的して象徴的に考えてみよう。
方向性を失った国に対して何の信念もない男、壊滅的な打撃を与える決定で身動きができなくなっている国を自滅に向かわせる男。
神々は最初から最も残酷な時に、笑いもするのだ。
ドナルド・トランプ米大統領について言えば、強烈な虚栄心は強烈な無知を伴っている。
ジョンソン氏は同様にうぬぼれが強いが、トランプ氏ほどは無知ではない。
ジョンソン氏はうそをつき、人の弱みに付け込み、馬鹿笑いしながら英国最高の職位に就いた。
ドジな道化師のまねをし、大きなダメージを与えながらだ。しかし彼は、バカではない。
当然の報いが自分に降りかかることを知っている。
ジョンソン氏はかって、「チャーチル・ファクター」と題する本を執筆したが、政治的手腕が突然、身に付くようなことが起きない限り、英子史上最も短命の首相になることも十分あり得る」と切り出した。
続けて筆者は、「彼を待ち受けることになったたった一つの問題は、ブレグジット(英国のEU離脱)だ。離脱期限は10月31日。それまでに、彼が月面着陸にととえたように、のるかそるかの奇跡を成し遂げなければならない。
このやり手の男は、議会で3度否決された前任者の離脱協定案より良い新しい協定案で苦境から抜け出す策を示すか、あるいは彼自身が約束しているように、経済的、行政的な混乱を伴う合意なき離脱というオプションを「あとは野となれ山となれ」とばかりに取り入れるかのどちらかだ。
合意無き離脱の場合、英ポンドを打ちのめし、重要なサプライチェーンを切断し、イタリアの保養地にいるような彼の裕福な友人たちを孤立させ、議会の激しい反対に遭うことなる。
ジョンソン氏に残された3か月というのは、実際は2カ月のようなものだ。欧州は8月になると仕事をしなくなる。英国の茶番に対するEUの忍耐力はほぼ尽きた。
しかし新首相は、こんな短い期間でもって、メイ前首相の協定案に意味のある変更を加えられると信じている。前首相の案は「バックストップ(安全策)」、すなわちEU加盟国アイルランド(EUに残る)と英領北アイルランド(EUから離脱)の間の開かれた国境をも守る「保険」としての政策を含むものだが、これは強硬離脱派を怒らせている。英国を永久に関税同盟にとどまらせるためのトロイの木馬だとみているのだ。
ブレグジット問題はアイルランド問題でもある。1998年の和平合意は開かれた国境をもたらした。これは連合王国の問題でもある。
親欧州派のスコットランドは、イングランドとの連合の維持よりも独立を支持してはいけないのだろうか。
ジョンソン氏の問題でもある。メイ首相が勇気を出して言えたのは「ブレグジットとはすなわち、ブレグジットだ」というぐらいだった。
ジョンソン氏は、この愚行を本気で信じている理由を説明する用意はできているのだろうか。
ジョンソン氏は本当にトランプ氏の言いなりの犬になって、ブレグジットによる英国貿易への損失を埋め合わせる何らかの協定を懇願するだろうか。
自分が決めればアフガニスタンを「地球上から消し」「1千万人」を殺せると言ったり、真っ赤なウソをついてカシミール紛争の仲介者になれると言い出したりする米国大統領に、本気で取り入りたいのだろうか。」と指摘した。
最後に筆者は、「ジョンソン氏が、新しい協定案を10月31日までに議会を通したり、合意なき離脱という崖を飛び越えて英国を推進させ可能性はほとんどない。
ではどうすればいいか。
彼は総選挙で信を問うことができる。
だが、保守党が勝てる見込みはない。有権者の支持がファラージ氏率いるブレグジット党、コービン氏のひどい労働党、欧州派で復活してきた自由民主党、ジョンソン氏の保守党に分散しているからだ。
いずれにしても離脱か残留かを問う選挙になるのだから、2度目に国民投票をすればいいのではないか。
3年間の混沌のあと、本当に離脱したいのかを表明する機会を英国人は与えられるべきだ。
フィンタン・オトゥール氏(アイリッシュ・タイムズ紙のコラムニスト)が指摘しているように、ジョンソン氏は自称「アクラシア」だ。
アリストテレスによると、「やるべき正しいことを知っているが、反対のことをやらずにいられない人」である。
ジョンソン氏がいまの性格であり続ける限り、天罰は唐突に残酷にくだるだろう。
あるいはひょっとすると、彼は多くの失敗のによってではなく、勇気あるたった一つの行動で記憶される道も選べるかもしれない。
彼の著書は、そのことについてだった。」としてしめくくった。
読んで勉強になった。
「英国の新首相ボリス・ジョンソン氏は、大学で古典を専攻していた。だから、彼にはわかる。傲慢のあとに天罰が下ることが。」とのこと、
「審判とは?ジョンソン氏は英国をもてあそんできた。いくつかのおふざけ行為のひとつのように自国をあまりにもちゃらんぽらんで無責任に扱い、彼が理知的で魅力的であってもそれは許されない」とのこと、
「徹底的して象徴的に考えてみよう。
方向性を失った国に対して何の信念ももてない男。
壊滅的な打撃を与える決定で身動きが取れなくなっている国を自滅に向かわせる男。
神々は最も残酷な時に、笑いもするのだ。」とのこと、
「ジョンソン氏はうそをつき、人の弱みに付け込み、馬鹿笑いしながら英国最高の職位に就いた。」とのこと、
「彼を待ち受けるたった一つの問題は、ブレグジット(英国のEU離脱)だ。離脱期限は10月31日。それまでに、彼が月面着陸にたとえたように、のるかそるかの奇跡を成し遂げねばならない」とのこと、
「合意無き離脱の場合、英ポンドを打ちのめし、重要なサプライチェーンを切断し、イタリアの保養地にいるような彼の友人たちを孤立させ、議会の激しい反対に遭うことになる」とのこと、
「ブレグジット問題はアイルランド問題でもある。1998年の和平合意は開かれた国境をもたらした。」とのこと、
「ジョンソン氏が、新しい協定案を10月31日までに議会で通したり、合意なき離脱という崖を飛び越えて英国を推進させたりする可能性はほとんどない」とのこと、
「ではどうすればいいか。彼は総選挙で信を問うことができる。だが、保守党は勝てる見込みはない」とのこと、
「ジョンソン氏は自称「アクラシア」だ。アリストテレスによると、「やるべき正しいことを知っているが、反対のことをやらずにいられない人」である。」とのこと、
「ジョンソン氏が今の性格である続ける限り、天罰は唐突に残酷に下るだろう。」とのこと、
等々を知ることができた。ほとんどが初めて知る事であった。
この欄を読んで、考えた。
どうも、ジョンソン氏は「合意なき離脱」をすることになりそうだ、ということだ。
その時、イギリス国家と国民の状況は、どんなものだろうか。まさに、未知との遭遇だろう。ただ、結果としてどこかで「戦争」が始まる事だけは、勘弁して欲しいと思った。
イギリスと言えば、2004年12月19日~2005年1月5日までの間、ロンドン一人歩きをした。大英博物館の近くに宿を取り、連泊して、大英博物館、バッキンガム宮殿、等々を見ながら歩き回った。
タクシーの運転手さんの礼儀正しさに感服したものだ。
トラファルガー広場に面した美術館で見物後、ゴッホのひまわりをモチーフにした「ネクタイ」を自分の記念に買ってきて、今でも愛用している。ロンドンは、島国でもあり気候も文化も人情も日本人にあっていると思ったので、孫・子を留学させるならロンドンが一番と思った。
今は日本から、イギリス国民に幸あれと、祈るばかりだ。