求む、経済怪談全集<(筆者の)思いつくままタイトルを挙げてみる①第一話「国有化される株式市場」②第二話「恐怖の米中激突」③第三話「日韓悲しき意地の張り合い地獄④第四話「ブレグジットという名の悲劇」>
2019年 08月 13日
8月11日付東京新聞朝刊社説横に。「時代を読む」という欄がある。筆者は、同誌社大教授・浜矩子氏だ。今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「今年もまた、筆者が大好きな怪談の季節がやって来た。
この激暑の夏、いずれかの新聞あるいは雑誌で「経済怪談特集」などというものをやってくれないものか。結構、名案ではなかろうか。
仕立て方はいろいろ考えられる。編集部でテーマを何題か選択し、各テーマの気鋭の専門家に適度な長さの短編の書き下ろしをお願いする。
こんな企画はどうだろう。
冷たい指がすーっと背筋をなぞっていく。そんな怖さもいい。
血みどろの残酷ホラーもいいだろう。
妖怪よし。怪獣よし。宇宙人よし。
設定はいくらでも考えられる。正体は化け物に違いないと思われる政治家や政策責任者たちは洋の東西を問わずウヨウヨいる。」と切り出した。
続けて筆者は。「さて筆者がこの企画の担当者なら、テーマをどうするか。並み居る論客たちに、何に関する怪談を書いていただくことにするか。思いつくままにタイトルを挙げてみると、次のようになる。
第一話は「国有化される株式市場」でいこうか。
日本銀行は、「量的質的緩和」の一環として、年間6兆円というとてつもない規模でETF(上場投資信託)を購入してきた。その結果、いまや、上場企業の半数近くで日銀が大株主となっている。
こんな怖いことはない。国家主義相場の魔の手から、誰が日本の株式市場を救えるか。
第二話から国際ものにしようか。グローバルホラーには事欠かない昨今だ。どこから行くか。選択に困るが、やはりインパクトが大きいのは「恐怖の米中激突」だろう。この激突、地域が広がる一方だ。
関税引き上げ合戦に始まり、ハイテク・ウォ―ズの様相を帯び、そして、通貨切り下げ競争の領域に踏み込む気配が見えてきた。
アメリカが意図的にドル安を追求するようになるか否か。それが見ものだ。その瞬間に、アメリカは国際基軸通貨としての位置づけの最後の建前をかなぐり捨てることになる。
この建前の下からどんな形相が顔を出すのか。
国家間対立のつながりで、
第三話は「日韓悲しき意地の張り合い地獄」だ。
日本側が「安全保障上の輸出管理強化」を打ち出したタイミングが最悪だ。元徴用工問題への報復だ。そう思われる。あるいは、そう思ったふりをして逆襲に出て来られる。それが目に見えているのに、あえて、ぐいと一歩を踏み出した。強気というか、無謀というか、無神経というか。
お互いに足を引っ張り合いながら、地獄の底まで落ちて行くことになったらどうするつもりなのか。このホラーには,いやな冷や汗がともなう。
第四話は「ブレグジットという名の悲喜劇」である。イギリスがEU(欧州連合)を離脱する。10月末が当面の期限だ。円満離婚の筋書きが出来ていなければ、イギリス側は勝手に出ていくばかりだ。それがいい。そう宣言してはばからないのが、英首相の座を手に入れたばかりのポリス・ジョンソン氏だ。
見た目は間違いなく喜劇のヒーローだ。だが、この人の受け狙いの振る舞いが。島国イギリスと大陸欧州の間の亀裂を決定的にしてしまうかもしれない。そうなれば、悲劇だ。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「四つの経済怪談に通底する不気味な影が一つある。
それは「国家」という名の影だ。
国家主義というものが前面に出る時、全ての経済物語がホラーになる。
この暑すぎる夏、それを思い知らされる」として締めくくった。
読んで面白かった。
「いずれかの新聞あるいは雑誌で「経済怪談特集」などと言うのやってくれないものか」との切り出し、
「筆者がこの企画の担当者なら、テーマをどうするか、並みいる論客たちに、何に関する怪談を書いていただくことにするか。思いつくままにタイトルを挙げてみると、次のようになる」とのこと、
「第一話は「国有化される株式市場」でいこうか。日本銀行は、「量的質的緩和」の一環として
、年間6兆円というとてつもない規模でETF(上場投資信託)を購入してきた。その結果、いまや、上場企業の半数近くで日銀が大株主となっている。こんなに怖いことはない。国家主義相場の魔の手から、誰が日本の株式市場を救えるか。」とのこと、
「第二話はから国際ものにしようか。グローバルホラーには事欠かない昨今だ。どこから行くか。選択に困るが、やはりインパクトが大きいのは「恐怖の米中激突」だろう。この激突、戦域が広がる一方だ。関税引き上げ合戦の始まり、ハイテク・ウォ―ズの様相を帯び、そして、通貨切り下げ競争の領域に踏み込む気配が見えてきた。アメリカが意図的にドル安を追求するようになるか否か。それが見ものだ。その瞬間に、アメリカは国際基軸通貨としての位置づけの最後の建前をみずからかなぐり捨てることになる。この建前仮面の下から、どんな形相が顔をだすのか。」とのこと、
「第三話は「日韓悲しき意地の張り合い地獄」だ。日本側が「安全保障上の輸出管理強化」を打ち出したタイミングが最悪だ。元徴用工問題への報復だ。そう思われる。あるいはそう思ったふりをして逆襲に出て来られる。それが目に見えているのに、あえて、ぐいと一歩踏み出した。強気というか、無謀というか、お互いに足を引っ張り合いながら、地獄の底まで行くことになったらどうするつもりなのか。このホラーにはいやな冷や汗が伴う。」とのこと、
「第四話は、「ブレグジットという名の悲喜劇」である。イギリスがEU(欧州連合)を離脱する。10月末が当面の期限だ。円満離婚の筋書きが出来ていなければ、イギリス側はかっての出ていくばかりだ。それでいい、それがいい。そう宣言してはばからないのが、英首相の座を手に入れたばかりのボリス・ジョンソン氏だ。見た目は間違いなく喜劇のヒーローだ。だがこの人の受け狙いの振る舞いが、島国イギリスと大陸欧州の間の亀裂を決定的なものにしてしまうかもしれない。そうなれば、悲劇だ。」とのこと、
等々を知ることができた。筆者の手にかかると、「国有化された株式市場」・「恐怖の米中激突」・「日韓悲しき意地の張り合い地獄」・「ブレグジットという名の悲喜劇」等、全てがホラーになっていることに、驚きもし、関心もした。
4話すべてが「経済怪談」であることで、日本経済に大きく襲いかかってくる危険性が予想される。政府・官僚、為政者や有識者の皆さんからの「妖怪退治や被害回避の策」が、一読者の私には寡聞にしてまったく見えない。そこが日本のホラーだ、と思った。

