日本政府の不可思議な愛憎<シムズ理論とMMT理論は、理論の枠組みはさておき、提唱していることには差異はない!今回は政府の対応がまるで違う!ここに疑念が深まる!!???>
2019年 06月 16日
6月2日付東京新聞朝刊社説横に、「時代を読む」と言う欄がある。筆者は、同志社大学教授・浜矩子氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「MMT理論なるものがすっかり時の話題となっている。フルネームでいえば、Modern Monetary Theory(現代金融理論)だ。論理の組み立てやその歴史的背景を一切省略していえば、要するに財政赤字容認論である。
通貨発行権を有する国の政府が自国通貨建てで国債を発行するのであれば、それに見合って中央銀行が通貨を増発すればいい。せいぜい財政出動に励むべし。
この論法に従えば、財政が赤字削減のためにケチケチ路線を追求するのは愚の骨頂だ。
そんなことをしていれば、デフレ脱却に向けて金融政策ばかりに負担がかかる。
中央銀行は、そんな負担に耐えることをやめて、財政の資金需要をファイナンスすることに専念すればいい。端的にいって、これはナンセンスだと思う。
中央銀行が御国のためにカネを振り出す打ち出の小槌になってしまったのでは、経済的国家主義以外の何物でもない。」と切り出した。
続けて筆者は、「それはそれとして、ここで考えたいのは。理論そのものの是非ではない。
この理論が脚光を浴びていることに対する日本政府の反応である。
「今の日本こそ、MMT理論の格好の実例だ」とMMT論者たちに言われ狼狽しているらしい。 麻生太郎財務相は「極端な議論に陥ると財政規律を緩め、危険なことになる」などと国会答弁し、MMT理論から距離を置こうとしている。
なぜだろう。何を今さらの観がある。
それというのも、政府は、MMT理論と酷似したことを言っている人の論考を大いにプロモーションンしていた時期がある。
2016年の秋口から17年の春先にかけてだ。
その人の名はクリストファー・シムズ。
シムズ教授は11年ノーベル経済学賞を受賞した学者だ。
彼が提唱する「シムズ理論」は正式には「物価水準の財政理論」だ。理路フレームの開設や評価は省略するが、この理論もまた、日本は金融政策ばかりに頼るのではなく、財政出動でインフレ経済化を目指すべきだと提唱した。
この論点が、シムズ教授が「ジャクソンホール会議」という世界の中央銀行家や金融経済制作関係者の集いで発表した論文に含まれていた。
この論部について「目からウロコが落ちた」と言うトーンで大推奨に乗り出したのが、かの浜田宏一エール大学名誉教授だ。
12年の安倍晋三政権発足早々、内閣官房参与に就任して今日にいたっている。」と教えてくれる
最後に筆者は、「シムズ理論とMMT理論は、、理論の枠組みはさておき、提唱していることにはほとんど差がない。それなのに、今回は政府の反応がまるで違う。ここに疑念が深まる。
MMT理論が、安倍首相の自撮りフレンド、トランプ大統領の宿敵、民主党左派お気に入り理論だからか。
多くの主流派論者たちから異端視されておるからから、おじけを振るっているのだろうか。
はたまた、MMT理論が消費税増税は不要といっているからか。
シムズ理論も同じことを言っていた。
だがあの時と今では違いがある。
それは、今や安部首相が、どうも本気で消費税増税に 乗り気になっていそうに見えることだ。何しろ今回の増税による税収は、かなりの部分を首相がご執心の「教育無償化」にあてることになった。やる気がでてもおかしくない。
いずれにせよ、この態度豹変はなんとも腑に落ちない。怪しげだ。注視し続けよう」」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「MMT理論なるものがすっかり時の話題になっている」とのこと、
「論理の組み立てやその歴史的背景を一切省略していえば、要するに財政赤字容認論である」とのこと、
「この論法に従えば、財政が赤字削減のためにケチケチ路線を追求するのは愚の骨頂だ。<中略>中央銀行は、そんな負担に耐えることをやめて、財政の資金需要をファイナンスすることに専念すればいい」とのこと、
「「今の日本こそ、MMT理論の格好の実例だ」とMMT論者たちに言われ狼狽いしているらしい」とのこと、
「政府は、MMT理論と類似したことを言っている人の論考を大いにプロモーションしていた時期がある。2016年秋口から17年御春先にかけてだ。その人の名はクリストファー・シムズ。」とのこと、
「彼が提唱する「シムズ理論」は正式には「物価水準の財政理論」だ」とのこと、
「この理論もまた、日本は金融政策ばかりに頼るのではなく、財政出動でインフレ経済化を目指すべきだと提唱した」とのこと、
「シムズ理論とMMT理論は、理論の枠組みはさておき、提唱していることにはほとんど差がない」とのこと、
「それなのに、今回政府の反応がまるで違う。ここに疑念が深まる」とのこと、
等々を知ることができた。
筆者は、その理由として「MMT理論が、安倍首相の自撮りフレンド、トランプ大統領の宿敵、米民主党左派のお気に入りロンダからか」、
「多くの主流派論者たちから異端視されているから、おじけをふるっているのだろうか」、
「MMT理論が消費税増税は不要と言っているからか」、等々を上げながら、「この態度豹変は何とも腑に落ちない。怪しげだ。注視しつづけよう」と教えてくれる。
また筆者は、「(MMT理論を)端的に言ってナンセンスだと思う。中央銀行が御国のためにカネを振り出す打ち出の小槌になってしまったのでは、経済的国家主義以外の何物でもない」と指摘した。
指摘の通りだと思った。
たしかに「通貨発行権を有する国の政府が自国通貨建てで国債を発行するのであれば、それに見合って中央銀行が通貨を増発すればいい。だから何ら制約はない。」というのがMMT理論らしい。
昔、勉強した「財政学」では、財政インフレというのがあった。その理論からすると、今日の日本はインフレになって当然と思うのだが、世論はまだデフレだという。
とすれば、今の日本のデフレは、外国から安い物価が入ってきていることが原因かもしれない、と思っている。
国家間格差の中でのグローバル化ということは、従来の経済理論では解明できない事象が起きているのかもしれない、とも思った。