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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

潔さを求めない< 私(筆者)は、32年働いて55歳になった!いま私は「潔く死にたい」と勇ましいことを言うのは、ある程度若さと元気に恵まれた人のように感じている!>

3月25日付東京新聞朝刊25面に、「本音のコラム」と言う欄がある。 筆者は、看護師・宮古あずさ氏だ。

 今日は、この筆者に、学ぶことにした。

 まず筆者は、「間もなく2018年度が終わる。1987年4月に働き出した23歳だった私は、32年働いて55歳になった。

 自分の変化を考えてみると、老いゆく人に潔さを求めなくなった。これがとても大きいと思う。」と切り出した。

 続けて筆者は、「今も忘れられない光景がある。内科病棟で働き始めた私は、ある女性との関わりがつらくてならなかった。

 彼女は80代で、脳卒中でほぼ寝たきり。食事とリハビリへの移送の時のみ、車椅子に移していた。病状を受け入れられず、周囲に当たり散らす彼女は、車椅子に移るのを嫌がって、いつも私に「殺せ!」と暴言を吐いた。

 そしてなだめたらなだめたで、「死にたい、死にたい」と大泣きするのだった。

 ところがいざ食事が始まると、彼女は豹変。

 こぼしたものまで手づかみで食べてしまう。

 私はその姿を見るのが、嫌でたまらなかった。

 若かった私は、生きるなら生きる、死ぬなら死ぬ、と生き死にの潔さを求めていたのだと思う。」と教えてくれる。

 最後に筆者は、「32年の間に、老いて亡くなる人を何人も見てきた。いま私は、「潔く死にたい」と勇ましいことを言うのは、ある程度若さと元気に恵まれた人のように感じている。

 今は、「殺せ!」といいながら、食べこぼしを食べてしまう彼女に対し、当時より暖かく関われると思う。

 そして、食べこぼさずに食べられる工夫を、一緒に考えてあげたい。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「彼女は80代で、脳卒中でほぼ寝たきり。食事とリハビリへの移送の時のみ、車椅子に移していた」とのこと、

 「症状を受け入れられず、周囲に当たり散らす彼女は、車椅子の乗るのを嫌がって、いつも私に「殺せ!」ち暴言を吐いた。」とのこと、

 「そしてなだめたらなだめたで、「死にたい、死にたい」と大泣きするのだった」とのこと、

 「ところがいざ食事が始まると、彼女は豹変。こぼしたものまで手づかみで食べてしまう。私はその姿を見るのが、嫌で嫌でたまらなかった」とのこと、

 「若かった私は、生きるなら生きる、死ぬのなら死ぬ、と生き死にに潔さを求めていたのだとおもう」とのこと、

 「今は「殺せ!と言いながら、食べこぼしを食べてしまう彼女に対し、当時より温かく関われると思う」とのこと、

 等々を知ることができた。

 社会福祉法人の理事や評議員をしていて、会議に出ると、必ず入所者の顔を見に施設を訪問することにしている。その度に、介護者の優しい介護を見て感心してきた。

 そして、この欄にある「殺せ!」だの「死にたい!」などと言う「入所者の言葉」を聞いたことがない。介護される人の事情も症状もさまざまなんだなあ、としみじみ思った。

 

 


by sasakitosio | 2019-03-26 06:22 | 東京新聞を読んで | Trackback