人気ブログランキング | 話題のタグを見る

憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

混乱続く英国 EU嫌いの思念の果て< ボリス・ジョンソン前外相は「EUは、ヒトラーが目指したものと同様の目的を追求している、超大国の創造だ」と訴え!国の半数がこれに乗っかり離脱が決まった!>

 3月21日付東京新聞朝刊4面に、「視点」という欄がある。筆者は、論説委員・熊倉逸男氏だ。

 今日は、この筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「混乱が続く英国の欧州連合(EU)離脱はヒトラーのせいーー英国のEU離脱に批判的な隣国アイルランドのコラムニストフィンタン・オトゥ―ル氏は、独シュピーゲル誌への寄稿で指摘した。

 EUはヒトラーを連想させるから嫌いだ,というのだ。

 例に挙げたのが、架空世界を描いた英国人作家ロバート・ハリス氏の小説「ファーザーランド(祖国)」。

 戦争に勝利したナチ・ドイツは、ホロコーストを隠蔽して米国との融和を図る悪の帝国。

 ドイツの支配下に付き従っているのが、英、仏など西欧12カ国が構成する”欧州連合(EU)“――という設定だ。

 出版はドイツが統一された2年後の1992年。欧州共同体(EC)の統合深化が進み、EU発足を控えていた時期。ドイツやEUに対する英国の不信を反映している。」と切り出した。

 続けて筆者は、「不信は、EU離脱の是非が問われた3年前の国民投票時に政治的妄想と化す。

 ボリス・ジョンソン前外相は「EUは、ヒトラーが目指したものと同様の目的を追求している。超大国の創造だ」と訴えて、離脱キャンペーンを主導。国の過半数がこれに乗っかり、離脱が始まった。

 ドイツ民族という絆で国の拡大を図った点では、ドイツ統一とヒトラーの大ドイツは共通点はあるかもしれない。

 しかし、民族や文化が違う国家を統合したEUはナチスとは真逆の思想に基づく。

 ハリス氏が描いたヒトラー支配下のEUがドイツ語を公用語として強制しているのに対し、実際のEUは加盟国が使用する24の言語をEU公用語とする多言語主義を取る。

 その言葉も使用人口の区別なく、原則対等に扱う。

 著書「大衆の反逆」(1930年)で個性を失った群衆の台頭で欧州が危機にさらされると指摘したスペインの哲学者オルテガは、血や言語が国家をつくるのではなく、諸国民が一丸となって一大国家を建設する決意だけが欧州の心臓を再鼓動させ得ると強調し、EUの理念を先取りした。

 ナチのイデオローグらが同じ時期に主張した「血と土」による結束とは対照的な考えである。

 植民地拡大で英語を世界中に流通させ、どこでも自分たちの言葉だけでこと足りるようになった英国は、多言語、多文化主義にのっとったEUへの理解も進まず、ヒトラーとEUをごちゃにしてしまうのだろうか。

 それとも、ロンドンなどを独空軍に狙い撃ちされた英国のトラウマは、われわれの想像以上に深いのだろうか。だが戦勝国にはなったはずだ。」と指摘した。

 最後に筆者は、「3月末のEU離脱期限はひとまず延期される。しかし、妙案はなく、合意無き離脱に至る懸念はなお大きい。

 企業は逃げ、物資は滞り国民生活は破綻する。

 今度こそ実質上の敗戦である。

 EU離脱で本当にいいのか。

 もう一度考えるべきだ。

 ヒトラーの亡霊にとらわれている場合ではない。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「混乱が続く英国の欧州連合(EU)離脱はヒトラーのせいーー英国のEU離脱に批判的な隣国アイルランドのコラムニスト、フィンタン・オトォ―ル氏は、独シュピーゲル誌への寄稿で指摘した」とのこと、

 「例に挙げたのが、架空世界を描いた英国人作家ロバート・ハリス氏の小説「ファーザーランド(祖国)」」とのこと、

 「戦争に勝利したナチ・ドイツは、ホロコーストを隠蔽して米国との融和を図る悪の帝国。

 ドイツの支配下に付き従っているのが、英、仏など西欧12カ国が構成する欧州連合(EU)-という設定だ」とのこと、

 「出版はドイツが統一された2年後の1992年。欧州共同体(EC)の統合深化が進み、EU発足を控えていた時期。ドイツやEUに対する英国の不信を反映している」とのこと、

 「ボリス・ジョンソン前外相は「EUはヒトラーが目指したものと同様の目的を追求している。超大国の創造だ」と訴えて、離脱キャンペーンを主導。国の過半数がこれに乗っかり、離脱が決まった」とのこと、

 「植民地拡大で英語を世界中に流通させ、どこでも自分たちの言葉だけで足りるようになった英国は、多言語、多文化主義にのっとったEUへの理解が進まず、ヒトラーとEUをごちゃにしてしまうのだろうか」と指摘、

 「それともロンドンなどを独空軍に狙い撃ちされた英国のトラウマは、われわれの想像以上に深いのだろうか」と指摘、 等々を知ることができた。

 そして考えた。

 産業革命いらい、発展し続け世界をリードしてきた「英国」が、その成功体験から抜け切れず、ためにグローバル化・情報化で変化する「国際秩序」に対応しきれず、あがいているように思えた。

 


by sasakitosio | 2019-03-22 06:42 | 東京新聞を読んで | Trackback