朝鮮戦争の「終戦」 日本の役割が見えない< 朝鮮半島で始まった平和定着の努力を、どう後押しするか!そして新しい安保環境の中で、日本はどんな役割を果たすのか!?>
2019年 02月 23日
2月21日付東京新聞朝刊4面に、「視点」という欄がある。筆者は、論説委員・五味洋治氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「ここ数年、朝鮮戦争(1950~53年)に関心を持っている。北朝鮮の南進をきっかけに始まり、朝鮮半島全域で戦闘が展開された。
決着がつかないまま休戦となったが、民間人を合わせ、5百万人ともいわれる多大な犠牲者を出した。
朝鮮戦争で日本は戦場になっておらず、米軍の後方支援に専念した。
しかし、大きな影響を受けている。
戦争中に自衛隊の前身である「警察予備隊」が発足、旧・日米安全保障条約が結ばれている。
安全保障は米国に依存し、軽軍備の国家として経済発展を図る方向が確定した。」と切り出した。
続けて筆者は、「参戦国も、この戦争の影を長く引きずった。
中国は、中朝国境に米韓軍が迫ったことに危機感を抱き、大量に志願軍を派遣した。
軍事費は、当時の国家予算を大きく圧迫した。
建国(49年)直後でありながら米国と互角に戦ったことで、最高指導者毛沢東の権威は飛躍的に高まったが、経済的には大混乱する。
共産主義の広がりを警戒して朝鮮戦争に参戦した米国は、軍事予算を大幅に拡大し、核兵器の開発に力を入れた。 その後はベトナム戦争の泥沼に巻き込まれていく。
北朝鮮との厳しい軍事的緊張にさらされた韓国は国防を最優先する独裁政権が続き、民主化は後回しにされた。
北朝鮮も軍事優先路線に進み、核開発にも着手した。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「今月下旬にベトナムで開かれる米朝首脳会談を通じ、米国側は、休戦中の朝鮮戦争に何らかの形で区切りを付けようとしているようだ。
北朝鮮との交渉窓口、米国のビーカン北朝鮮担当特別代表が、「トランプ大統領はこの戦争を終わらせる準備ができている」と述べていることからもうかがえる。
もちろん、終戦には北朝鮮の非核化の実現が前提だ。
そして米国、北朝鮮、中国、韓国が相互不可侵などを盛り込んだ「平和協定」を結ばなければならない。
しかし、米朝間でまず相互不可侵をうたったり、お互いに連絡事務所を設置する案が検討されているという。
すでに南北間では、昨年9月に軍事分野での合意が交わされ、緊張緩和の具体策が取られてきた。これもミニ終戦宣言ともいえる。
トランプ氏が、終戦を目指すのは、70年近く続いた対立を終わらせるという歴史的使命感ではない。在韓米軍の財政的負担を減らすというのが現実的な理由からだろう。
安倍晋三首相は、トランプ氏の姿勢を評価しノーベル平和賞に推薦したらしいが、日本は
動かなくていいのか。
朝鮮半島で始まった平和定着の努力を、どう後押しするか。そして、新しい安保環境の中で日本はどんな役割を果たすのか。
残念ながら、そのビジョンが今の安倍政権からは、十分に伝わってこない。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「北朝鮮の南侵をきっかけ始まり、朝鮮半島全域で戦闘が展開された。
決着がつかないまま休戦となったが、民間人を合わせ5百万人ともいわれる多大な犠牲者を出した」とのこと、
「戦争中に自衛隊の前身である「警察予備隊」が発足、旧・日米安全保障条約が結ばれている。
安全保障は米国に依存し、軽軍備の国家として経済発展を図る方向が確定した」とのこと、
「中国は、中朝国境に米韓軍が迫ったことに危機感を抱き、大量の志願軍を派遣した。軍事費は、当時の国家予算を大きく圧迫した。
建国(49)直後でありながら米国と互角に戦ったことで、最高指導者毛沢東の権威は飛躍的に高まったが、経済的には大混乱する」とのこと、
「共産主義の広がりを警戒して朝鮮戦争に参戦した米国は、軍事予算を大幅に拡大し、核兵器の開発に力を入れた。」とのこと、
「北朝鮮との厳しい軍事的緊張にさらさせた韓国は、国防を最優先する独裁政権が続き、民主化は後回しにされた」とのこと、
「北朝鮮も軍事優先路線に進み、核開発にも着手した。」とのこと、
「トランプ氏が、終戦を目指すのは、70年近く続いた対立を終わらせるという歴史的な使命感ではない。在韓米軍の財政的負担を減らすという現実的な理由からだろう。」とのこと、
等々を知り、理解することができた。
筆者は、「安倍首相は、トランプ氏の姿勢を評価しノーベル平和賞に推薦したらしいが、日本は動かなくていいのか」・「朝鮮半島で始まった平和定着の努力を」、とその後の行動を促している。
最後に「残念ながら、そのビジョンが今の安倍政権からは、十分に伝わってこない」と嘆いている。
国会も内閣も、それを支える公務員にも、筆者の期待する「ビジョン」を造りだせる人材はいるはずだ、と思いたい。繰り返し報道される「役人の忖度」を目にしながら、その人材を腐らせているのが、安倍内閣の政治主導・国会議員主導にあるのではないか、とも思った。