人気ブログランキング | 話題のタグを見る

憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

生活苦と閉塞感 黄色の怒り<安易な総括を許さない、多種多様な人たちを路上に押し出したものは何か?「内側で排除された人たち」と「黄色いベスト」は重なる点が多いというのが私(筆者)の見方だ!>

 1220日付朝日新聞朝刊17面に、「明日を探る」という欄がある。筆者は、一橋大准教授・森千香子氏だ。 

 今日は、この筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「「黄色でダサい、何とも合わない。だがあなたの命が守られる」。10年前のフランス交通安全強化週間のポスターで、有名なデザイナーのカール・ラガーフェルドが黒スーツ、蝶ネクタイの上に蛍光の黄色いベストを着用した時のスローガンだ。

 カッコよくはないが、誰でも車内に備えていて、暗がりでも目立ち、命を守る。

 ベストを身に付けた人々の抗議活動は「ジレジョーヌ」(黄色いベスト)運動と呼ばれ、1117日に仏全土約2千カ所で28万人を動員後、毎週土曜日に続いている。

 19685月のように学生や若者中心ではない。

 9512月の国鉄ストのように労組の影響力もない。
 代表するスポーク氏マンは不在で一部に移民差別の動きもあった。

 増税反対なんて保守の運動だ。

 環境への意識も低すぎる、と敬遠する都市部のリベラルもいた。

 だが、「トランプ支持者と同じ」「大半が(極右の)ルペン支持者」などの紋切り型では理解できない事態が起きている。

 日本での報道は都市部での「暴徒化する人々」に偏りがちだが、全国の農村部まで広がった今回の運動全体を見渡すと、いわゆる「暴動」では見かけない年金生活者や女性の姿が目立った。参加者の職業は多岐にわたる。安易な総括を許さない、多様な人たちを路上に押し出したものは何なのか。

 93年に刊行されたフランスの社会学者ピエール・ブルデューの編著「世界の悲惨」は一つの手がかりを示す。福祉の対象ではないが、苦しみを抱える「内側で排除された人たち」の声をインタビュー調査で丹念に拾い上げた。

 農民、鉄鋼労働者、郵便局員、商店経営者、ソーシャルワーカー、教師・・・・・・。

 仕事はあるが評価されない、勉強しても将来に希望がない、「貧困層」ではないが生活は苦しい。

 現状維持が精いっぱいだが、現状自体が耐え難い。そこにあるのは自分の運命を自分でつかめない閉そく感だった。」と教えてくれる。

 さらに続けて筆者は、「ブルデュ―たちが25年前に描いた「内側で排除された人たち」と「黄色いベスト」は重なる点が多いというのが私の見方だ。

 「見えない存在」だった人たちが沈黙を破ったきっかけは燃料税の引き上げだだったが、その数週間前に抗議運動を予見するような一冊の書籍が刊行された。社会学者アレクシス・スピールの「税金に反対し、大きな政府を求める」は、納税者2700人に調査を行い、税金に不満を持つ人が高額納税者よりも定額納税者に多いことを指摘した。

 興味深いことに、税金に不満を持つ層は、公共サービスの縮小にも強い不満を示している。

 税金には反対だが、公共サービスを指示するーーー一見矛盾するような主張にも一つの論理がある。

 大統領官邸の食器代50万ユーロや大臣の住居費など、政治家の高額な出費は許せないが、社会保障などの公共サービスはしっかり維持してほしい。そこに矛盾はない。

 車なしで生活できないできない地域は、郵便局の窓口が減少したり、病院が閉鎖されたりする地域でもある。

 暴力行為などの報道にもかかわらず支持が高いのは、同じ不安を共有する人が多いからだ。

 税制が不公平だという批判は新しくない。

 サルコジ時代の不正献金疑惑、オランド時代の予算担当相の脱税疑惑など、税金スキャンダルは後を絶たない。

 だが富裕層の「節税」を助ける政策が次々と行われ、その一方で「一般人」には来年から源泉徴収制度が導入される。

 そこに燃料税の引き上げが発表された。

 この点に関して言えば、マクロン大統領は何かを根本的に変えたのではなく、この30年の政策の流れを堂々と加速させただけだ。」と教えてくれる。

 最後に筆者は、「抗議の結果、燃料税の引き上げは延期された。今後3カ月間、政府との「対話」が行われるという。その行方を注視づると同時に、「黄色いベスト」が表現した閉塞感や政治不信は日本社会にも広がる。 この運動から何を学ぶかが問われている。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「ベストを身に付けた人々の抗議運動は「ジレジョーヌ」(黄色いベスト)運動と呼ばれ、1117日に仏全土約2千カ所で28万人を動員後、毎週土曜日に続いている」とのこと、

 「全国の農村部まで広がった今回の運動全体を見渡すと、いわゆる「暴動」では見かけない年金生活者や女性の姿が目立った。」とのこと、

 「安易な総括を許さない、多種多様な人たちを路上に押し出したものは何か。 93年に刊行されたフランスの社会学者ピエール・ブルデューの編著「世界の悲惨」は一つの手がかり示す」とのこと、

 「福祉の対象ではないか、苦しみを抱える「内側で排除された人たち」の声をインタビュー調査で丹念に拾い上げた。」とのこと、

 「現状維持が精いっぱいだが、現状自体が耐え難い。そこにあるのは自分の運命を自分でつかめない閉塞感だった」とのこと、

 「ブルデュ―たちが25年前に描いた「内側で排除された人たち」と「黄色いベスト」は重なる点が多いというのが私(筆者)の見方だ」とのこと、

 「社会学者アレクシス・スピールの「税金に反対し、大きな政府を求める」は、納税者2700人に調査を行い、税金に不満を持つ人が高額納税者より定額納税者に多いことを指摘した」とのこと、

 「興味深いことに、税金に不満を持つ層は、公共サービスの縮小にも強い不満を示している。」とのこと、

 「大統領官邸の食器代50万ユーロや大臣の住居費など、政治家の高額な出費は許せないが、社会保障など公共サービスはしっかり維持してほしい。そこに矛盾はない。」とのこと、

 「富裕層の「節税」を助ける政策が次々と行われ、その一方で、「一般人」には来年から源泉徴収制度が導入される。そこに燃料税の引き上げが発表された。」とのこと、

 等々を知ることができた。

 筆者は、「「黄色いベスト」が表現した閉塞感や政治不信は日本社会にも広がる」とし、「この運動から何を学ぶのかが問われる」と指摘した。

 平和な時代、戦争のない時代が続き、人々の知的レベルが飛躍的に向上し、情報化社会がそれを加速させている。独裁国家以外では、自由と民主主義が、国民の権利意識を後押ししている。

 だから、長期にわたって権力を維持し続けてきた「権力者・支配階層」であっても、圧倒的多数の被支配国民を騙す続けることが、出来なくなったということではないか。

 施しの社会保障から、権利としての社会保障への転換、ベーシックインカムの導入が不可避な社会に、地球全体がなってきたということではないか、と思った。

 そして、究極の国民だましである「戦争」を、権力者・支配階層が起こせないような、地球社会の到来の兆しであってほしい、とも思った。

 

 


by sasakitosio | 2018-12-21 06:46 | 朝日新聞を読んで | Trackback