今度は何が燃えるのか<米国のマイケル・ムーア監督の新作「華氏119」!今度はトランプ大統領をやり玉にあげます!!!??映画がトランプ大統領の頭に冷や水をかけ、トランプ支持票も炎上させてほしいが?>
2018年 11月 05日
10月28日付東京新聞朝刊社説に、「華氏119」が小見出しに出た。今日はこの社説に学ぶことにした。
まず社説は、「119は、日本ではピンチの時にすがる数字でしょう。しかし、現代国際政治でみると、世界をピンチへと追いやる数字かも、という気がしてきます。
来月公開される米国のマイケル・ムーア監督の新作は「華氏119」。
あの同時多発テロ後のブッシュ(子)政権を痛撃した「華氏911」でカンヌ国際映画最高賞を得たムーア氏が、今度はトランプ大統領をやり玉にあげます。119は、かの人が大統領選で勝利宣言をした「11月9日」の謂。」と切り出した。
続けて社説は。「大統領就任後、トランプ氏がやったことを一言でいえば、「離脱(withdtaw)」でしょうか。
安倍政権が熱心な環太平洋連携協定(TPP),地球温暖化防止の国際ルール・パリ協定、核兵器開発を停止させたイラン核融合、国際教育科学文化機関(ユネスコ)、国連人権理事会、最近では、ソ連時代に結ばれた中距離核戦力(INF)廃棄条約・・・。
この調子だと国連本部からも離脱すると言い出しかねません。
ミスター・ウィズドローは何であれ、自国や自分の直接利益にならぬことで他国を助けたり、協力するするのが気に入らぬようです。
「アメリカ・ファースト」とは即ち「自分だけ良ければ」なのでしょう。
各国は相互に依存しているのだから、全体のシステムに奉仕せねばならず、どの国であれ他国に対して責任がある。
いわば、米国が米国でいられるのは他国のおかげ、それが分からないとしたら笑止です。
またこの人の「離脱」は多くの場合、「自分の気に入るような見直しがなされないので(あれば)」離脱、という論法です。
最も「らしさ」があらわれたのは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への援助停止でしょう。約3割を占める米国の負担金がなければ、パレスチナの子らの教育や健康に人道的危機が広がる恐れが強い。イスラエルが大喜びするような、到底無理な譲歩をパレスチナに迫る圧力です。
「刃物を突きつけて「いうことを聞け」と脅かしているようなもの、といえば言いすぎでしょうか。
ユダヤ人層への票や資金が魅力でもあるのでしょう。無論、過去の米政権にも、イスラエルへの肩入れがなかったとは言えません。
しかし、まだギリギリ、双方の仲介役足りる程度の慎みはあった。
トランプ氏、露骨、国際社会にどう見られようと平気の平左です。」と指摘した。
さらに続けて社説は、「最近も、米国を、目指す移民集団の増大を阻止できないから、ホンジュラスなど中米3カ国への援助の停止か、大幅削減を始める、と表明しました。ここでも弱者を力で威迫する性向がうかがえます。
貿易も然り、北米自由貿易協定(NAFTA)見直しでは、カナダ、メキシコを締め上げて自国に有利に改造させて、今は、日本がその俎上にのっています。
さながら狼を前にした羊のように、もし安倍政権が震え上がっていたとしても無理からぬこと。 安全保障面でも経済面でも日本は米国に依存しているのですから。
相対的弱者という意味では、わが国もカナダもメキシコもホンジュラスもパレスチナも同じです。
しかし、です。強者が力で弱者を支配してよいというのは、人間の世界というより、弱肉強食の動物の世界、まるでジャングルの掟ではありますまいか。
こんな話が、イソップにあります。
<万事、力での解決を好まぬ性穏やかなライオンの治世になって、集会が行われ、お互いの罪の償いをしたりされたりした。
狼が羊の、トラは鹿の裁きを受けるという具合に。臆病者の兎がしみじみ言う。「この日の来るのをずっと祈っていたのです。弱い者が猛きものにも恐れらえる、そんな日を」>
トランプ氏の世界観が、いわば「羊は狼に食われて当然」というものだとしたら、法の支配や公正なルールを重んじる「ライオンの治世」より劣るということになってしまいます。
人種や宗教に関する差別的言動など、かの人に垣間見える弱者・少数者差別の傾向も同根でしょう。
過日も、政権が、心と体の性が異なるトランスジェンダーを行政上認めない措置を検討中だと、米紙が伝えていました。
最後に社説は、「 大人は子どもに「他者を思いやれ」と教えているはずですから、教育上も大変よろしくない。この超大国指導者が人々の価値観を浸食せぬかと恐れています。
あのカンノ最高賞に輝いたムーア作品。日本公開時の宣伝文句は確か、焚書を描いた本家F・トリフォー監督の「華氏451」になぞられて<華氏911それは自由が燃える温度>でした。
「華氏119」では何が燃えるのでしょうか。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「大統領就任後、トランプ氏がやったことを一言で言えば、「離脱(withdraw)」でしょうか」との指摘、
「この調子だと、国連本体からも離脱するといいだしかねません」との指摘、
「「アメリカ・ファースト」とは即ち「自分だけ良ければ」なのでしょう」との指摘、
「米国が米国でいられるのは他国のおかげ、それが分からないとしたら笑止です」との指摘、
「またこの人の「離脱」は多くの場合、「自分の気に入るような見直しがなされないので(あれば)」離脱、という論法です」との指摘、
「さながら狼を前にした羊のように、もし安倍首相が震え上がっていたとしても無理からぬこと。
安全保障でも経済面でも日本は米国に依存しているのですから。相対的弱者という意味では、わが国もカナダもメキシコもホンジュラスもパレスチナも同じです」との指摘、
等々の指摘は、全くその通りだと、思った。
ただ、トランプ氏を諌めるのはアメリカ国民であり、アメリカの連邦議会だろう。
明日に迫った、アメリカの中間選挙の結果が大いに気にかかる。そして、トランプ大統領をやり玉に挙げたマイケルムーア監督の新作「華氏119」が、トランプ大統領に頭から冷水をかけるとか、トランプ支援票を炎上してくれないものか、とひそかに期待している。