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by sasakitosio

自民国会議員ら科研費口実に、政権批判学者に圧力??<侵される学問の自由!法大総長、異例のメッセージ!!>「慰安婦、沖縄・・反日攻撃」!?「改憲の国民投票時 黙らせる狙い」??

 5月30日付東京新聞朝刊22面、23面に、「こちら特報部」というページがある。

 今日はこの記事に学ぶことにした。

 まず記事は、「法政大学の田中優子総長は今月16日、「自由で闊達な言論・表現空間を創造します。」というメッセージを発表した。文部科学省や外郭団体が研究者らに交付する科学研究費(科研費)について、自民党の国会議員らが繰り広げる「反日活動に協力する学者に配られている」とのキャンペーンを意識してのことだ。

 キャンペーンと戦前の天皇機関説事件などを重ね、状況を懸念する研究者は少なくない。(白名正和、橋本誠)

 「科研費をめぐる問題は学問の自由が失われるか否かの問題。法政大だけではなく、学問全体にとって深刻な事態だ」。田中総長は取材にそう語気を強めた。

 背景にあるのは、自民党の杉田水脈衆院議員やその賛同者による科研費をめぐる一部研究者へのバッシングだ。

 同議員は2月の衆院予算委で、戦前に朝鮮半島から重用された徴用工問題に取り組む研究者に科研費が公布されたことを引き合いに「徴用工問題はは反日のプロパガンダ。科研費で研究している人たちが、韓国の人たちと手を組んでやっている」と訴えた。

 その後もネット番組などで、政権に批判的な研究者らを名指しし、「科研費が反日のひとのところに使われている」などと主張。

 「国益に反する研究は自費でお願いいたします」と発信し、物議を醸している。」と切り出した。

 続けて記事は、「田中総長はメッセージに「適切な反証もなく圧力によって研究者のデータや言論をねじふせるようなことがあれば、断じてそれを許してなりません。」と記したが、科研費問題に加えて、働き方改革の不適切なデータ問題で同大学の教授が中傷されたことも異例の発表の動機になったという。

 科研費は文系か理系かを問わず、幅広い分野の研究を支援する制度。研究者が応募し、採択されれば研究費が助成される。

 年間の予算額は約2200億円で、応募件数は約10万件(2016年度)に上る。

 研究者の政治的立場などは審査の対象外で、交付後は大学など研究機関が管理するため、研究以外で使うことは不可能だ。

 杉田議員の趣旨は「科研費は税金で、日本の為に使われなければならない」というが、田中総長は「科研費の交付を研究者の政治的立場や考え方で線引きすることは絶対にあってはいけない。憲法で定められた学問の自由が脅かされる。 議員にはまず、憲法を学んでほしい」と語る。

 「宇宙の研究、外国の研究。戦争の研究などすべてが日本のためになっている。

 「日本=政権」ではない。 時の政権にとって役に立つているか否かで判定すること自体ナンセンスだ」

 今後、事態の推移によっては、法的手段も辞さないという。

「一部の弁護士会にたいする特定弁護士への大量の懲戒請求と同様、研究に差し支える事態になれば、検討せざるを得ない。」

 「こちら特報部」は、杉田議員にも発言の真意を尋ねたが「本人がいないため回答できない」(同議員事務所)とのことだった。

 ちなみにこの問題では、林芳正文科相が22日の参院内閣委員会で「科研費は研究者の自由な発想に基づく研究を支援する。科研費の執行は適正に行われている」と答弁している。」と指摘した。

さらに記事は、「杉田議員に問題視された法政大の山口教授(政治学)は、本欄「本音のコラム」(4月29日)で反論しているが、他の研究者らはどう受け止めたか。

 「慰安婦」問題を論じた研究グループの牟田和恵・大阪大教授(ジェンダー論)は、杉田議員のツイッターで「慰安婦問題は女性の人権問題ではありません」「税金を反日活動に使われることに納得いかない」などと批判された。

 同グループは「規定に従い予算を執行しており、不正使用や無駄遣いはない。幾人かは日本政府の「慰安婦」問題対応を批判する論文を執筆しているが、日本が国際的な人権を支持する国になってほしいからで「反日」とされるいわれはない」と反論。

 牟田教授は「無知や誤解に基づく誹謗中傷だ。国会議員にあるまじき偏った言い方」と憤る。

 琉球独立論などを研究している松島泰勝・竜谷大教授(島嶼経済学)は「八重山日報」に寄せた杉田議員の論考で「沖縄県の振興開発と内発的発展に関する総合研究」という研究名で科研費を受け取ったとされ、税金を使って「「琉球独立」を主張するのはいかがなものか」と指摘された。

 しかし、実際の内容は主に経済研究。

 松島教授は「科研費で琉球独立は研究していない。国会議員の影響力を使い、自らの意見に合わない研究を抑圧しようとしている。琉球ヘイトもここまで来たか」と驚く。」と教えてくれる。

 さらに続けて記事は、「こうした動きで想起されるのは戦前の事例だ。

 1933年、京都帝国大(現京都大)の滝川幸辰教授(刑法)が、菊地武夫・貴族院議員らから講演内容が共産主義的と攻撃され、大学を追われた「滝川事件」が発生。

 35年には、東京帝国大(現東京大)の美濃部達吉名誉教授の憲法学説「天皇機関説」をやはり菊地議員らが批判し、政府が同学説の流布を禁じた「天皇機関説事件」が起きた。

 戦史・紛争史研究家の山崎雅弘氏は「今国会議員が非難している構図は、まさに天皇機関説事件で菊地が「学匪」と批判したのと同じ。もともと美濃部を目の敵にしている右翼がいたが、口実が見つからず、そこに出てきたのが天皇機関説だった。

 学問レベルでの反論ではなく、国体に反すると言った一方的な言いがかりだった」と説明する。その後、日本は軍部批判も姿を消し、破滅的な戦争に突入していった。

 「現代も威圧や恫喝が増え、空気の流れは当時と同じように段階的に進んでいる。

 「反日」の背景にある国防の概念を大義名分に振りかざすのは、戦前の日本でも繰り返されたパターンだ」

 上智大の中野晃一教授(政治学)も「ここでの「反日」は「反安倍」のこと。政権に異議を唱えることを許さないということだ。そもそも学問は国の為に奉仕するものではなく、すぐ役に立つものも、そうでないものもある」と話す。

 そして一連のキャンぺーンの狙いを「改憲」と見る。「国民投票のときに自由な議論をされては困るので、学者を黙らせ、委縮させようと仕掛けている。こんなことがまかり通れば、日本の大学の競争力や国力もますます弱まる」」と教えてくれる。

 最後に記事は、「田中総長は、科研費を口実にした学者への圧力について「看過してしまえばどんどん広がってしまい、学問の自由や大学での言論が委縮してしまう。ひいては学問の自主性が失われ、学問が政権の道具になってしまいかねない」と危ぶむ。

 「誰かの発言に対し、訳も分からず乗っかってしまうことは危険だ。今回の件も科研費の仕組みを調べてみれば、国会議員の発言が誤りだとすぐにわかる。賛同する前にふみとどまり、自分で考えてほしい」」として締めくくった。

 なお、デスクメモという欄に「「偽りを述べるものが愛国者とたたえられ、真実を語るものが売国奴と罵(ののし)られた世の中を私は経験した」こう記したのは昭和天皇の末弟で、歴史学者の故三笠宮宗仁親王だった。この感覚は一昔前までは「常識」だった。ここで言う常識は「正気」と言い換えてもよい。(牧)」とある。

 読んで勉強になった。

 デスクメモで、三笠宮宗仁親王の「「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語るものが売国奴と罵(ののし)られた世の中を、私は経験してきた」ということばが、杉田議員らの発言・行動にピッタリのような気がした。

 また、「科研費は文系か理系かを問わず、幅広い分野の研究を支援する制度。」とのこと、

 「研究者が応募し、同じ分野の研究者が審査、採択されれば研究費が助成される。年間予算額は約2200億円で、応募件数は約1万件(2016年度)」とのこと、

「田中総長は「宇宙の研究、外国語の研究、戦争の研究など全てが日本のためになっている。「日本=政権」ではない。時の政権偉とって役に立っているか否かで判断すること自体、ナンセンスだ」と語る」とのこと、

 「牟田教授は「無知や誤解に基づく誹謗中傷だ。国会議員にあるまじき偏った言い方」と憤る」とのこと、

「松島教授は、「科研費で琉球独立は研究していない。国会議員の影響力を使い、自らの意見に合わない研究を抑圧しようとしている。琉球ヘイトもここまで来たか」と驚く。」とのこと、

 「1933年、京都帝国大(現京都大)の滝川幸辰教授(刑法)が、菊地武夫・貴族院議員らから講演内容などが共産主義的と攻撃され、大学を追われた「滝川事件」が発生。」とのこと、

 「35年には、東京帝大(現東京大)の美濃部達吉名誉教授の憲法学説「天皇機関説」をやはり菊地議員らが批判し、政府が同学説の流布を禁じた「天皇機関説事件」が起きた」とのこと、

 「上智大の中野晃一教授(政治学)も「ここでの「反日」は「反安倍」のこと、政権に異を唱えるのは許さないということだ。そもそも学問は国の為に奉仕するものではなく、すぐに役立つものも、そうでないものもある」と話す。」とのこと、等々を知ることが出来た。

 議員というのは、選挙に当選しただけで、当選後に資質が向上する保証は全くない。しかも、議員になった途端「高額の報酬」が、市民・県民・国民に役に立とうが立つまえが、支給される。そして、市町村・都道府県・衆院参議院の公務員が、サービスをするようになる。そこで多くの議員が錯覚を起こす。自分は「偉いんだ」「優秀なんだ」と。その錯覚の度合いがより強く出るのが、与党の議員に多い。

 「杉田水脈衆院議員やその賛同者たちによる科研費を巡る一部研究者へのパッシング」を見ると、またかという気になる。

 ここは、批判の的にされた「学者・文化人」はパッシングに負けず、議員の無知を暴露しながら、闘ってほしい、と思った。応援したい。

 

 


by sasakitosio | 2018-06-05 06:30 | 東京新聞を読んで | Trackback