エンゲル係数 国民の暮らしを見よ< 直近の2016年は25.8%(総務省調べ)と29年ぶりの高水準だった!4年連続の上昇だが、最近3年の伸びが著しい!G7の中ではトップのイタリアに肉薄???>
2018年 02月 06日
2月3日付東京新聞朝刊社説に、「エンゲル係数」を基にした国会論戦が載った。
今日はこの社説に学ぶことにした。
まず社説は、「アベノミクスによって国民生活は苦しくなったーー。国会論戦で「エンゲル係数」を基にした追及があった。所得の伸び悩みや節約志向、生活苦が現れた指標だ。首相は国民の暮らしを見ているのか。
家計の消費支出全体に占める食費の割合が「エンゲル係数」である。高いほど生活水準が苦しい。
直近の2016年は25.8%(総務省調べ)と29年ぶりの高水準だった。4年連続の上昇だが、最近3年の伸びが著しい。G7(先進7か国)の中ではトップのイタリアに肉薄している。」と切り出した。
続けて社説は、「先月末の参院予算委員会で民進党の小川敏夫氏が「アベノミクスが始まって5年たつが、エンゲル係数は顕著に上昇している。国民生活は苦しくなったのではないか」と質した。
安倍晋三首相は、「エンゲル係数は上昇傾向にあるが、物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれている」とかわし、むしろ雇用の改善を強調してアベノミクスを正当化した。
だが、これは論理のすり替えでしかない。
エンゲル係数の中身をつぶさに見ると、30~59歳は25%程度だが、60代は約29%、70代以上は約31%と、高齢者層の上昇が目立つ。
これはアベノミクスの円安誘導により肉など食品価格が上昇した影響をまともに受けたためだ。
年金生活者にとっては雇用の改善はほとんど意味をもたない。
超低金利で利息収入は増えず、物価が上昇すれば生活は苦しくなるばかりである。
首相の一日の動静を記す新聞欄を見れば、安倍首相が一流の料亭やレストランで家族や芸能人、財界関係者らと頻繁に会食している事実をうかがい知ることが出来る。
その生活ぶりとエンゲル係数に対する認識は無関係ではあるまい、などと言うつもりない。だが国民の目にはどう映るだろうか。」と指摘した。
最後に社説は、「厳然たる事実はアベノミクスが5年続いても賃金は伸び悩み、税金や社会保険料の負担増で多くの国民は疲弊した。
一方で株価や土地などの資産を増やす富裕層との間に二極化が進んだ。
首相が述べた「食生活や生活スタイルの変化」とは総務省の分析結果であろう。すなわち節約志向が強まって食費以外への出費を抑えたり、急増する共働き世帯は調理済み食品や外食など時間節約の出費がかさんだことを指す。
つまり国民は総じて貧しくなった。アベノミクスを止め国民の幸せを考えた政策に転換すべきだ。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「エンゲル係数の中身を見ると、30~59歳は25%程度だが、60代はやく29%、70代以上は約31%と、高齢者層の上昇が目立つ」とのこと、
「年金生活者にとっては雇用の改善はほとんど意味を持たない。超低金利で利息収入は増えず、物価が上昇すれば生活は苦しくなる」とのこと、
「厳然たる事実はアベノミスが5年続いても賃金は伸び悩み、税金や社会保険料の負担増で多くの国民は疲弊した。一方で株や土地などの資産を増やす富裕層との間で二極化が進んだ」とのこと、
等々を知ることが出来た。
社説指摘のとおり、「アベノミクスを止め国民の幸せを考えた政策に転換すべきだ」と思う。
そのためには、「原子力ムラを解体」し、原子力政策に投資した「もろもろ」は破産させ、あらたに自然エネルギー産業を国策として推進する道がいま眼前にあるような気がしてならないが。
そのために、政治も経済も社会も大変革を生ずるかも知れない。
その絵をかく、大思想家、大理想家、大実践家が今こそ必要なのだが?