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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

メルケル首相の落日<選挙から半年近くたっても組閣ができないままのメルケル氏!?気配りに欠けるふるまいもあり、人気も急速に失いつつある!!???>

1月30日付東京新聞朝刊4面に、「論説委員のワールド観望」という欄がある。筆者は、熊倉逸男氏だ。

 今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「保守会派を率いて昨年9月のドイツ総選挙で首相続投を確実にしたはずだったが、連立交渉がこじれ、選挙から半年たっても組閣が出来ないままのメルケル氏。

 気配りに欠ける振る舞いもあり、人望も急速に失いつつある。

 一昨年12月ベルリン・テロ犠牲者全12人御遺族が共同でメルケル氏にあてた公開書簡は、政権の無為無策ぶりを明るみに出した。

 難民に紛れて入国した容疑者を当局も要注意人物と分かっていたにもかかわらず、監視は平日の日中だけだったことなど、テロ対策の不備を指摘。遺族らは十分な支援を受けられず、事件から1年たっても、メルケル氏からはお悔みの言葉もなかったと批判した。」と切り出した。

 続けて筆者は、「メルケル氏は2015年11月パリ同時多発テロ後、犠牲者への連帯を示す行進に各国首脳らとともに参加したのとは対照的に、おひざ元でのテロ現場には事件直後に訪れただけだった。

 事件1年後の昨年12月、犠牲者の名を記した階段の除幕式まで、現場には犠牲者を追悼する施設はなかった。

 ナチス犠牲者慰霊碑はドイツ各地にあるにもかかわらずだ。

 戦後、自国民の被害より、加害の歴史に焦点を当ててきたドイツの歴史認識のありようとも関係があるかも知れない。

 科学者であったメルケル氏は、理詰めで政治決断を下してきた。東京電力福島第一原発事故後、脱原発へとかじを切ったのも、技術が進んだ日本でも防げなかった事故ならドイツでも起こりうるとの科学的なリスク判断だった。

 15年夏、押し寄せた難民の無条件受け入れもも、寛容さ故だけではなく、政治的に迫害された者への保護を定めたドイツ基本法(憲法)に従った判断という面もあった。

 1カ月前、ドイツ退去への不安を涙ながらに訴えたパレスチナ少女には、「難民全員を受け入れることはできない」と言い放っていた。」と指摘した。

 最後に筆者は、「これまでは理詰めの決断が的を射て支持されてきた。しかし、ベルリン・テロでの対応は、寛容政策がテロを招いたとの批判に加えて、薄情との印象を強く残した。

 気配りのなさは、12年以上続く長期政権の気の緩みもあるのだろう。

 トランプ大統領が寛容や協調などの良識を次々破壊する中、ドイツにはさらに存在感を発揮してもらい欧州連合(EU)をリードしてほしいが、前途は厳しい。

 メルケル氏の師匠筋だった故コール元首相の政権末期と比べてもその間は強い。

 東西統一の立役者だったコール氏は旧東独地域再建遅れと失業増大で人心を失い、16年の長期政権に終止符を打った。

 だが、後釜にはカリスマ性を持った中道左派、社会民主党のシュレーダー氏がいた。

 今、社会保障削減に走り保守との大連立を続けた社会民主党は支持者を失い、メルケル氏の後継者は与野党とも見当たらない。行き場を失った有権者の期待は、極右的政党「ドイツのための選択肢」に行くしかなくなるーー。

 現実には見たくない悪夢の初夢である。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「一昨年12月ベルリン・テロ犠牲者全12人の遺族が共同でメルケル氏に当てた公開書簡は、政権の無為無策ぶりを明るみの出した」とのこと、

 「遺族らは十分な支援を受けられず、約1年たっても、メルケル氏からのお悔やみの言葉もなかったと批判した」とのこと、

 「事件1年後の昨年12月、犠牲者の名を記した階段の除幕式まで、現場には犠牲者を追悼する施設がなかった。」とのこと、

 「科学者でもあったメルケル氏は、理詰めで政治決断を下してきた」とのこと、

 「これまで理詰めの決断が的を射て支持されていた。しかし、ベルリン・テロでの対応は、寛容政策がテロを招いたとの批判に加えて、薄情との印象を強く残した」とのこと、等々を知ることが出来た。

 「トランプ大統領が寛容や協調などの良識を次々破壊する中、ドイツにはさらに存在感を発揮してもらい欧州連合(EU)をリードしてほしいが、前途は厳しい」との筆者の指摘は、残念ながら、当たっているかもしれない、と思った。

 実は、一昨年の年始に、前年の年末からベルリンを歩き回った自分としては、その時案内してくれた日本人の男性ガイドの話で「メルケル氏の批判」を聞いた時は信じたくない「難民問題での情報」であったが、あたっていたのかと、今さらながら、思った。

 


by sasakitosio | 2018-02-03 17:49 | 東京新聞を読んで | Trackback