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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

新聞の責任かみしめる< 新聞は1日24時間のうちたった30分間だけ読者に働きかけるだけで、公的機関の弛緩を正すべき「世論」と呼ばれる神秘の力を生み出すよう要求される(「世論」岩波文庫)>

8月26日付東京新聞社説に、「政治と世論を考える⑥」とのタイトルのシリーズがある。今日が最終回だ。

 今日はこの社説を学ぶことにした。

 まず社説は、「世論研究の先駆的著作「世論」が米国で刊行されたのは1922年。著者であるリップマンが33歳のときだった。

 彼の疑問は、この複雑で巨大な現代社会で一般の人々が問題を正しく理解できるか、民主主義が可能か、ということだった。

 確かに民主主義は主権者である国民が正しくさまざまな問題を理解し、正しい投票をする前提で動いていく仕組みである。

 だが、どう考えても彼には人々が正しい理解をしているとは思えなかった。従って公衆が賢明な意見を持つことを前提とする民主主義は成り立たない。

 だから、情報分析や判断は、専門家集団に委ねざるを得ないと考えた。専門家とはジャーナリストだ。」と切り出した。

 続けた社説は、「第一次世界大戦に情報担当大尉として加わり、世論がいかに政府によって操作されやすいものであるかも体験していた。それが「世論」を書く動機でもあった。

 <新聞は24時間のうちたった30分間だけ読者に働きかけるだけで、公的機関の弛緩や正すべき「世論」と呼ばれる神秘の力を生み出すよう要求される>(「世論」岩波文庫)

 リップマン自身がワールド紙の論説委員であったし、新聞コラムを書くジャーナリストであった。

 晩年にはベトナム戦争の糾弾で知られる。正しいと信じる意見を述べ続けていたのである。

 現在の日本の新聞界はどうか。

 日本新聞協会が昨年発表した全国メディア接触・評価調査では、新聞を読んでいる人は77.7%。

 「社会に対する影響力がる」との評価は44.3%で、2009年調査52.8%より低下。

 「情報源として欠かせない」との評価は32.5%と、09年調査の50.2%より大きく落ち込んだ。影響力はあるにしても、情報源として不可欠であると思う人は減っている。 

 つまりインターナットなどとの接触が増えているのだろう。だが、ネット社会は虚偽の情報も乱れ飛ぶ密林のようなものである。」と指摘した。

 最後に社説は、「リップマンに従えば専門家を介さないと、国民は問題を理解できなくなり、世論は政府に操作を受けやすくなる。

 逆に、熟した世論に迎合する政治だってありうる。

 そうならないよう、情報を集め分析し国民に知らせるのが私たちメデイアの仕事である。ネットも同様だ。世論の重みをあらためてかみしめたい。=終わり(桐生桂一、豊田洋一、青木隆、飯尾歩)」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「世論研究の先駆的著作「世論」が米国で刊行されたのは1922年。著者であるリップマンが33歳の時だった」とのこと、

 「彼の疑問は、この複雑で巨大な現代社会で一般の人々が問題を正しく理解できるか、民主主義が可能か、ということだった」とのこと、

 「どう考えても彼には人々が正しい理解を示しているとは思えなかった。従って、公衆が賢明な意見を持つことを前提とする民主主義は成り立たない。

 だから、情報の分析や判断は、専門家集団に委ねざるを得ないと考えた。専門家とはジャーナリストなどだ」とのこと、

 「日本新聞協会が昨年発表した全国メディア接触・評価調査では、 新聞を読んでいる人は77.7%。

 「社会に対する影響力がある」との評価は44.3%で、2009年調査の52.8%より低下。

 「情報源として欠かせない」との評価は32.5%と09年調査の50.2%より大きく落ち込んだ」とのこと、

 「リップマンに従えば専門家を介さないと、国民は問題を理解できなくなり、世論は政府に捜査を受けやすくなる」とのこと、

「そうならないよう、情報を集め分析し国民に知らせるのが私たちメディアの仕事である」とのこと、

 等々を知ることができた。

 そして、世論調査は民意の調査であるから、政権も野党も、それに従わなければならないのは当然である。

 そこで、その民意を正確に反映させる「手続き」とその結果の公正な「公表方法」を作り出せるかが、今の間接民主主義の将来にかかっていると思った。

 それが難しいのであれば、課題ごとに国民の意思を問う「直接民主主義」の手法を考えざるを得ないのではないか。

 その時には、憲法改正を伴うのなうことになる、と思うが。


by sasakitosio | 2017-08-27 12:21 | 東京新聞を読んで | Trackback