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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

安倍政治を問う 誠実さを伴わぬ非核の誓い<「核を持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則の法制化の是非を問われた安倍首相はこう答えた「三原則は国是として堅持しており法制化の必要はない」!?>

811日付東京新聞朝刊4面に、「視点」という欄がある。筆者は、共同通信編集委員・大田昌克氏だ。

 今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「今年の86日も本当に暑かった。ここ10年ほど「原爆の日」の朝、広島の平和祈念式典に友人の被爆者ご夫妻と参列している。会場の被爆者席で、91歳の女性被爆者と隣り合わせた。「広島駅でした。(爆心地から)1.7キロ。しばらく意識を失い、気が付いたら線路の枕木が燃えていました。 普通、燃えませんよね」10年前に肺がんを患ったが、克服した。今はひ孫5人に囲まれ幸せだという。」と切り出した。

 続けて筆者は、「午前8時十五分に黙とうしたした後、松井一実市長が平和宣言を読み始めると、笑顔だった彼女が急に涙ぐみ始めた。鋭い閃光がピカーッと光り、すさまじい放射線と熱戦。ドーンという地響きと爆風。暗闇の後に現れた景色には、黒く焼け焦げて散らばる多数の屍。裸同然で剥がれた皮膚をたらし、燃え広がる炎の中、水を求めてさまようーー。

 市長が被爆時の情景を描写したため「あの日」を思い出し、感極まったそうだ。

 「孫らのことを考えると本当は話すべきなのでしょうが・・・・」

 あまりに凄惨な記憶が証言活動をためらわせている。72年後の今も沈黙を保つ被爆者は大勢いる。」と指摘した。

さらに筆者は、「 核兵器を「絶対悪」と表現した松井市長は平和宣言でこうも呼びかけた。「被爆者の体験に根差した「良心」への問いかけと為政者に対する「誠実」な対応への要請をわれわれのものとし、世界の人々に広げ、次の世代に受け渡していこう」

 なぜ爆心地が「良心」と「誠実」という言葉を世界に発信したのか。

 それは被爆者の平均年齢が81歳を超え、被爆体験の風化が懸念される中、現状への強い焦燥感を表現するためではなかったか。

 米大統領は「核なき世界」を唱えたオバマ氏から核の実戦使用すらほのめかすトランプ氏に代わった。

 ロシアのプーチン大統領も核戦力刷新を続ける。北朝鮮の核の脅威はついに本物となった。」と指摘した。

 最後に筆者は、「ひるがえって、唯一の被爆国はどうか。

 7月に採択された核兵器禁止条約を巡り、日本政府は被爆者の声や世論を顧みず「核の傘」を差し掛ける米国との同盟関係を優先して交渉に背を向けた。オバマ氏が広島を昨春訪れた後「核の専制不使用」への政策変更を検討した際、日本政府高官は一様に否定的な反応を示した。

 6日の式典後の記者会見で「核を持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則の法制化を問われた安倍晋三首相はこう答えた。

 「三原則は国是として堅持しており法制化の必要なない」。米核戦力に国防を依存しているため「核を持ち込ませず」の選択肢を排除できないのか。

 「非核」を言葉では誓うものの、誠実さが伝わらない日本政府の対応と言動。被爆地が求める良心への回帰を為政者に求めたい。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「核兵器を「絶対悪」と表現した松井市長は平和宣言で、「被爆者の体験に根差した「良心」への問いかけと為政者に対する「誠実」な対応への要請を我々のものとし、世界の人々に広げ、次の世代に受け渡していこう、と呼びかけた」とのこと、

 「唯一の被爆国はどうか。7月に採択された核兵器禁止条約を巡り、日本政府は被爆者の声や世論を顧みず「核の傘」をさし向ける米国との同盟関係を優先して交渉に背を向けた」とのこと、

 「オバマ氏が広島を昨春訪れた後「核の先制不使用」への政策変更を検討した際、日本政府高官は一様に否定的な反応を示した」、とのこと、等々を改めて知ることができた。

 「非核を言葉では誓うものの、誠実さが伝わらない日本政府の対応と言動、被爆地が求める良心への回帰を為政者に求めたい」との社説には全く同感だ。

 核抑止論という「間違った問題提起」への、核の傘という「正しい答え」は、修正が難しいのかも知れない、と(ドラッガー365の金言)を思い出した。

 

 

 


by sasakitosio | 2017-08-16 19:32 | 東京新聞を読んで | Trackback