異次元緩和4年 「乱気流」見ぬ 国会の無責任<物価にも経済にも効果がうかがえない異次元緩和、続ける意味あるのか!!??>
2017年 04月 09日
4月4日付朝日新聞朝刊7面に、「波聞風問」と言う欄がある。筆者は、編集委員・原真人氏だ。
今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「国会は森友学園問題で盛り上がりを見せている。首相をめぐる疑惑なのだから徹底究明すべきだろう。とはいえ、野党がその追求に心血を注ぐ姿をみると、なぜ同じエネルギーを1億2千万人の国民生活がかかった大事な問題にもつぎこめないのか、と。
日本銀行が鳴り物入りで導入した「異次元緩和」が開始されてから丸4年たった。こんな政策を続けていたら近い将来、ギリシャのように社会保障の大幅削減、預金の引き出し規制を迫られかねないーーーー。
2月上旬、参院の調査会で切々と訴えたのは参考人として呼ばれた日本総研のエコノミスト河村小百合さんである。一貫して異次元緩和に警鐘を鳴らす日銀ウォッチャーの一人だ。」と切り出した。
続けて筆者は、「河村さんが採りあげたのは量的緩和政策の「出口」をめぐる日米当局の説明ぶりの差である。日米は同じように大量の国債を買い上げた。
ただし米当局はできるだけ早く手じまいしようと方策を練り、それを公表してきた。
その点が日銀と大きく異なる。
黒田東彦総裁は記者会見でも国会答弁でもずっと、
「出口の議論は次期尚早」の一点ばり。明確な説明を避ける。
米当局は金融政策を正常化させるため、ため込んだ220兆円分の米国債を来年から3年かけ放出する見込みだ。
そうなると長期金利は上昇し財政も経済も厳しくなる。不都合な政策だが、それでもやる。
「それぐらいの覚悟がなければこんな政策はやっちゃいけない」と河村さんは言う。
かたや日銀。2年と区切って始めた異次元緩和は4年たっても出口が見えない。その間、政府財政を支えるがごとく国債を大量に買い続け、いまや残高は400兆円超。さらに増やし続けていく。
日銀の出口では、米国よりずっとひどい国際ショックが想定される。金利の逆ざやで日銀の損失は総額数十兆円規模になるともいわれ、財政への影響も計り知れない。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「河村さんはこう例えた。
「一億国民が同じ飛行機に乗っている。外の景色はきれいだが、先に乱気流がある。
飛べば飛ぶほど近づいていくのに、コックピットではそれに備えた議論をしていない」
出口が遠くなれば、それだけ先々の国民生活への影響も甚大になる。
物価にも、経済成長にも効果がうかがえない異次元緩和を続ける意味がどこにあるのか。
その問いに説得力ある答えを示さないまま、政策がドロ沼化していく。
総裁の任期は1年。おそらくポスト黒田体制もこの政策を引き継ぐことになる。
その先に平和な出口は見通せない。
それでも総裁は語らず政権も見て見ぬふり。
ならば野党がそこを追求し、一刻も早く出口論議を始めさせるべきではないか。
河村さんの警鐘に何人かの国会議員は危機意識を共有した。
だが、残念ながら、その後も国会論議ではこの問題はほとんど採りあげられていない。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「米当局は金融政策を正常化させるため、ため込んだ220兆円分の米国債を来年から3年かけ放出する見込みだ」とのこと、
「そうなると長期金利は上昇し財政も経済も厳しくなる」とのこと、
「かたや日銀。2年と区切って始めた異次元緩和は4年たっても出口が見えない」とのこと、
「政府財政を支えるがごとく国債を大量に買い続け、今や残高は400兆円超。さらに増やし続けていく」とのこと、
「日銀の出口では 、米国よりずっとひどい国債ショックが想定される。金利の逆ざやで日銀の損失は総額数十兆円規模になるともいわれ、財政への影響は計り知れない」とのこと、等々を知ることができた。
筆者の指摘のように、国会で野党には異次元緩和の出口問題についての、議論を深めてほしいところだ。
ただ、出口に待っているものは、予測されるだけでも「社会保障の大幅削減」「大増税」「預金の引き出し規制」等々のリスクだ。
予測されない、想定外のリスクを考えると、与党も野党も避けたくなり逃げたくなる気持ちは、わからないでもない。
が、それを乗り越えるのが真の勇気ある政治家のような気がするが?