「公平」の下 弱者いじめ 特養の老母負担増 <公平は、負担減・給付増の方へ、としたいねえー!?>
2016年 09月 26日
今日はこの記事を学習するすることにした。
先ず記事は、「「おやつ食べようね」
耳に顔を近づけて語りかける職員に、キヨさん(98)=仮名=が低く「んー」と返した。
岐阜県内にある特別養護老人ホーム。
何度か名前を呼ぶと、車いすの上で「あい」と返事をする。しわに囲まれた口が開くその時を逃さず、職員がスプーンを滑り込ませる。
おやつはヨーグルトとアイスクレーム。
近くに住む次女(68)が面会のたびに届けている。
自身も高齢で足腰が弱ってきたが、週に一度、母の元に通う。「施設におやつを頼むと、高くつくって聞いたから」
キヨさんが特養に入って5年。介護にかかる費用は、キヨさん本人が受け取る年金から次女が払っている、月に10万9千8百33円を受給し、施設へ7万989円。残りの3万9千円ででおやつや生活用品を買い、いつか訪れるキヨさんの葬儀費用もここから積み立てた。
だが、今年8月、母のために使えていたこの「差額」が、半分以下の約1万6千に減った。国による介護保険制度の見直しで、施設利用料の負担額が2万円以上引き上げられたからだ。」と、切り出した。
続けて記事は、「キヨさんがもらっているいるのは、遺族年金がほとんど。働き手だった夫を亡くした女性の生活を保障する年金で、福祉的な意味合いから法律上は非課税だ。
ところが、8月の見直しでは税金がかかる「収入」と同等の扱いになり、これにより入所者の負担額が月7千~3万ほど上がった。
次女自身、収入は月12万円の年金だけ。その年金から、生活苦の親類にたびたび援助している。エアコンは控え、冬でも風呂はためずにシャワーで済ませる。切り詰めても生活はぎりぎりで、特養での母の生活費にお金を回す余裕はない。
「施設に入れてしまって申し訳ない」。
次女はそんな思いも抱えている。幼いころ、父は家に一切お金を入れなかった。雑魚寝の部屋で夜中に目を覚ますと、薄暗い中で母が内職に励んでいた。自分は未婚を通して母を大事にしてきたが、高血圧で病院に通うようになった今、在宅で世話をする自信はない。
負担増に疑問や不満を感じても、次女はそれを押し殺している。
「特養以外、いさせてあげられる場所はない。だから強くは言えない」。
ただ、入所者や家族の姿を見ている施設長(60)は「弱い者いじめだ」と思いを代弁する。
この特養では、入所者の3割に当たる30人が負担増を強いられた。いずれも遺族年金か、同じく非課税の障害年金の受給者。
厚生労働省は見直しの理由を「ほかの年金受給者と負担を公平にするため」と説明し、年間130億円の介護費削減を見込む一方で、全国で何人に影響したのかは明らかにしていない。」と、教えてくれる。
最後に記事は、「8畳ほどのキヨさんの居室。一日のほとんどを過ごすベットの脇の壁に、ピンク色の紙が貼ってある。次女が書いた家系図。子、孫・・と連なり、ひ孫だけで14人。「もう誰の顔もわからないでしょうね」
少しずつ表情が無くなり、好きだった童謡も歌えなくなったキヨさんはきっと、施設の料金が上がったこともしらない。増額されて初めての請求書は「敬老の日」がある今月半ばに送られてくる。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
今年8月、「国による介護保険制度の見直しで、施設利用の負担額が2万以上引き上げられた」とのこと、
遺族年金が非課税だったのが「8月の見直しでは税金がかる「収入」と同等の扱いになり、これにより入所者の負担額が月7千~3万円ほど上がった。」とのこと、
「この特養では、入所者の3割に当たる30人が負担増を強いられた。いずれも非課税の遺族年金か、同じく非課税の障害年金の受給者。」とのこと、
「年間130億円の介護費削減を見込む」とのこと、
等々を初めて知った。
厚生労働省の「ほかの年金者と負担を公平にするため」との説明は理解できても、病気や介護の必要なときは、「ほかの年金者」も非課税にして、「負担の公平」を計るという「思想」はないものだろうか。理屈はあっていても、心が寂しくなる結果のような気がする。
心身的も経済的にも、本当に困った時に、当てにできる「制度」を「今日のわれわれ日本人の社会・経済」は創れないのだろうか。いや、作れるはずだ、それは為政者につくる気がないだけではないか、そんな気がしてならない。