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by sasakitosio

米メディアの大統領選報道<演説を即検証 誤り指摘?メディアが政治を超えている!!>

7月29日付朝日新聞15面に、「池上彰の 新聞ななめ読み」と言う欄がある。
 筆者は、池上彰氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「選挙期間中、候補者が演説をする。新聞もテレビも、そのまま報道する。これが当たり前だと思っていたのですが、アメリカのテレビや新聞の報道を見て、大いに反省させられました。演説の内容が事実かどうか、即座に当否を検証するからです。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「いまアメリカ大統領選挙の取材でアメリカ各地を転戦しています。
 先週はオハイオ州クルーブランドで共和党大会を取材し、現在は民主党大会が開かれているペンシルバニア州フィラデルフィアに来ています。
 先週21日の共和党大会最終日、共和党の正式な大統領候補に決まったドナルド・トランプ氏が、指名受諾演説をしました。
 ふだんは短い演説しかしない(できない?)トランプ候補ですが、この日は1時間を超える長い演説を展開しました。
 アメリカの党大会は、テレビのゴールデンアワーに生中継されるように計画され、午後7時以降から10時ごろにかけて開かれます。
 ここでトランプ候補は、オバマ政権時代、アメリカの治安が悪化し、不法移民も増えていると指摘し、「法と秩序」をアメリカにもたらすと演説しました。
 アメリカの新聞もテレビも、これを報道しましたが、それだけでは終わりませんでした。
 たとえばニュース専門チャンネルCNNは、演説終了後まもなくして、「リアリティー・チェック」(事実関係の検証)というコーナーを放送。
トランプ候補の演説で言及されていることが真実に即しているかを検証してのです。 ひとつひとつの事実について、「真実」「間違い」と指摘していきます。この素早さには驚きました。
 そして翌朝。「ニュヨーク・タイムズ」(電子版)も検証記事を掲載しました。どのようなものか、私の訳でいくつか紹介しましょう。
 まず同紙は、全体としてトランプ演説が提示した事実は正しいが、全体像を反映していなかったり、自分に都合のいい数字がけを引用したり、有権者をミスリードしたりしていると指摘しています。
 たとえば、全米50の大都市で昨年の殺人事件件数は前年より17%増加し、過去25年で最大の増加になっている」と言う演説部分について、こう指摘します。
 「この数字はいくつかの大都市のデータを紹介しているが、ニューヨークのような大都市で今年の年初3か月の殺人件数が前年度より25%減少していることに触れていない」
 「今年国境を超えて入ってきた不法移民の家族数はすでに去年全体を上回っている」という演説に対しは、
 「これは事実だが、それでも2014年よりは少ない」。
 つまり、今年だけを見れば不法移民の家族数は増えているが、傾向としては増えていないというわけです。」と指摘した。
 最後に筆者は、「次は国際情勢です。
 「ヒラリーが国務長官になり前の2009年、イスラム国は地図上に存在せず、リビアは協力的でエジプトは平和であり、イラク情勢は安定化し、イランは経済制裁を受け、シリアは統治されていた」というトランプ氏の演説は、こう評価します。
 「トランプ氏の指摘はおおむね正しい。
しかし、リビア、シリア、エジプトはヒラリー国務長官(当時)やオバマ大統領がコントロールできないアラブの春によるものだ。イランは、ブッシュ政権よりオバマ政権下で経済制裁が強化され、それがイランを交渉のテーブルにつかせた」
 またオバマ政権がイランに対する経済制裁を緩和したことについて、トランプ候補はこう批判した。
 「イランは1500億ドルを受け取れるが、我々は何も受け取れない。これは史上最悪の交渉だ」
 これには、こう指摘します。
 「イランに直接資金を渡すものではない。過去に海外で凍結されていた自国資産を取り戻すことができるようになったのであり、その資産金額については論議の余地がある」
 選挙中の候補者の発言でも、容赦なく間違いを指摘する。
 これがジャーナリズムの使命でしょう。
 日本でもこうあるべきですが、日本の候補者は抽象的な演説ばかりで、間違いを指摘できないかも。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「アメリカの党大会は、テレビのゴールデンアワーに生中継されように計画され、午後7時以降から10時ごろにかけて開かれます」とのこと、
 「ニュース専門チャンネルCNNは、演説終了後間もなくして、「リアリティー・チェック」(事実関係の検証)というコーナーを放送。」すること、
 「その翌朝。「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)も検証記事を掲載しました」とのこと、
 等々を知ることができた。
 米メディアが「知力」において「政治」をリードしているということ、「国民からの信頼度」においても「政治」を超えている、証しのような記事であった。
 この現象は、日本でも欲しい。特にNHKに?
 
by sasakitosio | 2016-08-02 06:16 | 朝日新聞を読んで | Trackback