「政治的中立」息苦しい教室<逸脱者に罰則!?逸脱者の密告を?家族にも党紀違反?自民党が???>
2016年 07月 25日
筆者は、編集委員・福島申二氏だ。
今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「明るく軽快な歌と裏腹に、暗くて重いものだったようだ。太平洋戦争を庶民が末端から支えた隣組の制度である。
きのうから東京都内でその特別企画展が始まったと聞いて、当コラムを書くにあたって訪ねてみた。
<トントントンからりと 隣組>と歌いだす戦時の曲は広く知られ、助け合いの精神にあふれて耳に心地よい。
一方で10戸程度の組は共同責任の単位でもあり、隣人どうしの相互監視の側面があったことはよく知られている。
戦争への懐疑など口に出せない。非国民呼ばわりを恐れ、互いの目と耳を互いが用心する日々が息苦しくないわけがないと、展示を見ながら想像した。
そんな過去を引き合いにするのは大仰だと、自民党の文部科学部会の方々は言うだろうか。
だが教域現場の受ける息苦しさはかなりのものと想像する。
学校教育での「政治的中立を逸脱するような不適切な事例」の情報提供を党のホームページで呼びかけた。
これに対して「生徒や保護者に密告を促すのか」といった批判が相次いだのはもっともだ」と切り出した。
つづけて筆者は、「いつ、どこで、だれが、何を、どのように」と具体的な情報の記入を求めていて、ネットによる告げ口奨励と感じた人が少なくないのは分かる。中止を求める声も噴出した。1カ月足らずで店じまいしたが、それでも相当数の事例が集まったそうだ。いったいどんな人たちが、どんな基準で検証するのだろう。
自民議員による「風紀委員会」と言っては軽くて失礼か。なら、もっと重々しく憲兵的な印象とでも言おうか。いずれにしても、歓迎すべき「18歳選挙権」が、選ばれる側の政治家の思惑で重い空気をまとうのは、ゆゆしいことだ。
「経験上、相当な萎縮を生むでしょうね」と、元東京都立高校長の土肥信雄さん(67)はいう。かって東京都教委が都立高校の職員会議での採択や挙手を禁じた通知に異議を申立て、「たった一人の反乱」といわれた人だ。
「特定の主張のみ教えるべきでないのは当然」としつつ、「憲法9条は大切だと思う、と語っただけで変更だと通報されかねない疑心暗鬼が教域現場に蔓延したら、先生と生徒の信頼関係は壊れてしまいます」。ひいては生徒に、政治とはうさん臭いもの、との印象を与えかねないと土肥さんは案じる。
文部科学部会は中立を逸脱した教員に罰則を科すことも検討している。若い有権者により良い未来を選んでほしい。そのための主権者教育を試行錯誤で考えようというときに、はなから「懲らしめ」を持ち出す発想が心を寒くする。
政治的中立という言葉にこれ以上、政治性を帯びさせるのは慎むべきである。」と指摘した。
最後に筆者は、「小さな出来事こそ地金が透けるというもので、自民党をめぐっては気になる小ニュースがもう一つある。
たけなわの東京都知事選。保守を二分しての争いに、自民党東京都連は「党紀の保持について」という文書を所属する国会議員や都議らに配布した。次のような項目に目が留まった。
「各級議員(親族も含む)が、非推薦の候補を応援した場合は・・・除名等の処分の対象となります」。これはおかしいと思うのが、普通の感覚だろう。
所属議員はまだしも、その家族や親せきにまで党の意に従えと言っていると読める。
選挙においてだれを支持し、応援するかという自由は大切な権利だ。議員の親族といっても個人として尊重されるべきなのは言うまでもない。
いささか品を欠くけど、フーテンの寅さんが語ると次のようになる。
「 お前とおれとは、別な人間だぞ。早え話がだ、おれが芋食って、お前の尻からブーと屁が出るか」。学ぶべきところが、自民党都連にないか。
近代政治の主要理念である自由と民主を連ねた名の党である。現統制的な発想も含めてあれやこれや、“不自由非民主党“であっては屋号が泣こう。
風紀委員会的な睨みよりも前向きな歩みを。
国民を個人として尊重する意思を。二つのニュースに接して、思う。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「学校教育での「政治的中立を逸脱するような不適切な事例」の情報提供を党(自民党)のホームページで呼びかけた。これに対し「生徒や保護者に見告を促すのか」といった批判が相次いだ」とのこと、
「一カ月足らずで店じまいしたが、それでも相当数の事例が集まったそうだ。」とのこと、
「(自民党)文部科学部会は中立を逸脱した教員に罰則を科すことも検討している」とのこと、
「自民党東京都連は「党紀の保持について」という文書を所属する国会議員や都議らに配布した。次の項目に目がとまった。
「各級議員(親族等含む)が、非推薦の候補を応援した場合は・・・除名等の処分の対象となります」。」とのこと、等等を知ることができた。
自由民主党の知的劣化が、いよいよ中枢にまで達したかという感がする。一刻も早く、パーツを変えるか、機種を変えないと、日本国が機能不全に陥り、国民が不幸になるかもしれない、と思った。