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by sasakitosio

異次元緩和 黒田日銀がはまった罠 <ついにインパール作戦に踏み込んだ?異次元の未来!!??>

7月5日付朝日新聞朝刊7面に、「波聞風問」という欄がある。筆者は、編集委員・原真人氏だ。今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「日本銀行の先月中旬の記者会見で黒田日銀総裁の表情がさえなかった。
 いつもの笑顔が消え、疲れからか何度も目をしばたたかせた。報道カメラマンのフラッシュで目が開けられない。ほんの数秒ほどのことだ。だが、苦しい総裁の胸の内をのぞいた気がした。
 3年前に華々しく始まった異次元緩和が窮まっている。市場への資金投入量を2倍にし、2年で2%の物価上昇を達成する目標を掲げていた。
 ところが3年過ぎても物価上昇率はゼロか、ややマイナス。お金の量は2倍どころか3倍の400兆円を突破、2年の期限は次々延長され5年に。黒田氏の任期中に達成できるかさえ怪しくなってきた。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「この現状を第2次大戦時の旧陸軍になぞらえ、「ついにインパール作戦に踏み込んだ」と指摘する声を複数の経済専門家から聞いた。
 1944年3月、敗色濃厚になっていた軍が起死回生を狙ってインド東部で仕掛けた大規模作戦だ。投入兵力10万人のうち3万人が戦死、他の多くの兵も病気や戦傷で倒れた。
 旧日本軍を組織論から分析したことで有名な著「失敗の本質」によると、突進一点張りで始めた無謀な賭け、しなくてもよかった作戦だった。
 異次元緩和の結果が出ず、マイナス金利政策にまで手を出し、苦し紛れだと批判を浴びている日銀の今の姿とも確かに重なる。
 当時、大本営は国威発揚のため
楽観的な見通しばかり発表し、作戦の失敗を国民に明らかにしてなかった。いまの日銀もまた目標実現や緩和効果について根拠に乏しい楽観的な大本営発表を続けている。
 そのやり方は人々のインフレ期待に働きかけようとする金融政策にもとづいている。
 必ず成功すると人々を信じさせることが肝要で、期待をしぼませるような不都合な真実は説明しない方がいいのだ。
 しかし、だとすると誰が国民に日本経済の真実、金融政策の実情を正しく説明してくれるのだろうか。」と指摘した。
 最後に筆者は、「私が知るここ数代の総裁会見とくらべ、黒田氏の記者会見は明らかに説明責任の態度を欠いている。
 会見時間はたっぷり取るが、お定まりの答弁を繰り返しているだけだ。
 三代前の福井俊彦氏は独特の比喩を用いる説明上手、前任の白川方明氏は日銀きっての理論家だった。総裁はそれぞれに個性はあったが、質問の意をくみ取り経済の実態や政策の意図を丁寧に正確に説明しようと努める態度は共通していた。
 一方、黒田氏は異次元緩和が直面している厳しい現実を正直に語っていない。
 日銀の国債買い支えが安倍政権の財政規律を失わせ、消費増税の延期や過剰な財政出動を生む土壌になっていることにも口をつぐんでいる。
 一度戦争に踏み込んだら、敗戦濃厚でも突き進むしかないーーーー。
 かって日本軍が陥った罠に、黒田日銀もはまってしまったのではないか。」として締めくくった。 
 読んで勉強になった。
 「3年前に華々しく始まった異次元緩和が窮まっている」とのこと、
 「この現状を第2次大戦時の旧日本軍になぞらえ、「ついにインパール作戦にふみこんだ」と指摘する声が複数の経済専門家から聞いた」とのこと、
 「旧日本軍を組織論から分析した有名な著「失敗の本質」によると、突進一点張りで始めた無謀な賭け、しなくてもよかった作戦だった」とのこと、等を知ることができた。
 筆者の「一度戦争に踏み込んだら、敗戦濃厚でも突き進むしかないーーー。かっての日本軍が陥った罠に、黒田日銀総裁もはまってしまったのではないか」との指摘は、当たっている気がした。
 そして、原発も戦争と似ていることに気が付いた。どちらも推進者は誰も責任を取らない、という歴史も。
 ただ、異次元緩和や財政赤字が日本国にインフレをもたらさなかったのは、日銀が「デフレの輸入をコントロールできない事、経済のグローバル化を止めることができない事、 」にあったような気がするが?
 それにしても、行き着く先も「異次元」では備えの仕様がないのが困るのことだよ?
 
by sasakitosio | 2016-07-07 06:49 | 朝日新聞を読んで | Trackback