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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

英国のEU離脱 疎外された人の声を聞け < 神仏や宇宙や地球の声として、心で聞け!!?>

  6月28日付東京新聞社説に、「英のEU離脱と世界」との見出しで、ポピュリズムのことが載った。
 今日はこの社説を、学習することにした。
 まず社説は、「世界に衝撃を与えた英国民投票の結果は、欧米を席巻するポピュリズムの爆発を意味する。それは民主政治への手厳しい警告意でもある。
 「ここで起きたことと、我々の選挙キャンペーンは、実によく似ている」
 英国の欧州連合(EU)離脱が決まった24日、米大統領選で共和党指名候補が確実になったドナルド・トランプ氏は、訪問先の英北部スコットランドで記者会見し、離脱派に祝意を表したうえで、こう語った。」と切り出した。
 つづけて社説は、「その指摘の通り、類似点は多い。
 離脱派からは「英国を再び偉大な国に」という叫びが聞こえた。
 トランプ氏のスローガンは「米国を再び偉大な国に」。国名を除けば同じだ。
 離脱派の右派・英国独立党のファラージ党首は「移民増加によってテロの危険が高じる」と主張した。これもトランプ氏の移民排斥論と変わらない。
 外の世界に背を向け、自国の利益を第一に掲げる内向きの姿勢や、既成政治への不満、反感も共通する。
 グローバル経済の恩恵を受けられず、暮らし向きはいっこうに良くならないのに、格差は広がるばかり。
 ひと握りのエリートたちが政治を牛耳り、民意は反映されず、自分はのけ者扱いだーーー。
 欧米社会にはこうした人々の不満が鬱積し、重苦しい閉塞感が立ち込める。民主社会としては不健全な状況だ。
 そうしたなか、極端な発言で人々の不満や恐怖をあおり、民心をつかむのにたけているのが、トランプ氏のような扇動家だ。世界中でエリートへの反感と不満を吸収して支持を勝ち取っている。
 トランプ現象は両国だけにとどまらない。
 欧州では、反EU,反難民を唱える右翼政党の台頭が著しい。
 フランスではルペン党首率いる国民戦線(FN)が第三極を占め、来年の大統領選でも台風の目になりそうだ。
 総選挙を来年に控えるドイツでも、民族主義政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を広げる。
 右翼政党は英国の国民投票の結果に勢いづく。こうしたEU懐疑派勢力が同様の国民投票の実施を求めることが予想される。
 債務危機に続いて難民危機に見舞われる欧州全域で、反EU感情が高まっているさなかだけに、離脱ドミノが起きる可能性は否定できない。」と指摘した。
 さらに社説は、「それでなくても、域内でドイツに次ぐ経済大国の英国の離脱によって、EUの弱体化は避けられない。テロや難民、気候変動などのグローバルな課題への対処能力を低下させるだろう。
 米国主導による戦後の国際秩序は、中国やロシアの挑戦にさらされると同時に、新たな不安原因を内包することになった。
 「トランプ、ルペン、ジョンソン(離脱派の前ロンドン市長)が、来年の主要国首脳会議に顔を揃えるとしたら、それは恐ろしいシナリオだ。だからこそ、ポピュリズムと戦う価値がある」
 ユンケル欧州委員長の側近が5月の伊勢サミット出席中に、こんな書き込みをツイッターにして話題になった。
 サミットでの議論でも、各国首脳から「中間層が将来に期待が持てず、格差がポピュリズムにつながっている」といった意見がでたという。
 各国とも民主社会を支える中間層は先細り、格差問題でも有効な手立てを打ち出せずにいる。
 しかも、そのポピュリズムをつくり出しているのは、既得権益の上にあぐらをかく政治家たちでもある。
 ポピュリズムの台頭は民主政治の危機を知らせる警告だ。
 その危機を克服するには、「自分はのけ者だ」と疎外感を感じている人々の民意をすくい取る柔軟さを、政治が取り戻す必要がある。
 英国の国民投票で、エリート主導による欧州統合の在り方は否定された。EUも聞く耳を持って、改革を進めてほしい。
 硬直した政治が続けば、排外主義がはびこる不寛容な社会が生まれるだろう。
 その先には、民族や宗教の対立激化が待っている。」と指摘した。
 最後に社説は、「共通通貨「ユーロ」の紙幣には、表側に窓や門、裏側に橋が描かれている。
 窓と門は「開かれた欧州」、橋は「人のつながり」という統合の理念を表している。
 英国の離脱によって、非戦を誓った戦後の欧州の掲げるこの理念が、色あせたわけではない。
 理念は試練によってより高められるはずだ。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。 
 「世界に衝撃を与えた英国民投票の結果は、欧米を席巻するポピュリズムの爆発を意味する。それは民主政治への手厳しい警告でもある」との指摘、
 「その危機を克服するには、「自分はのけ者だ」と疎外感を感じている人々の民意をすくい取る柔軟さを、政治が取り戻す必要がある」との指摘、
 「硬直した政治が続けば、排外主義がはびこる不寛容な社会がうまれるだろう。その先には、民族や宗教の対立激化がまっている」との指摘は、よく分かった。
 経済的格差の拡大と固定が、民族や宗派ごとに偏りがちで、そのことが自由競争を阻害し、競争が対立へ、対立が暴動へ、暴動が戦争へ、とエスカレートしがちだ。
 世界的大戦を二回も人類は経験している。三回目の経験をしなくても、その愚かさと結果の悲惨を避ける「英知」が「進化した今日の人類」にあってもよさそうなものだが?
 
by sasakitosio | 2016-06-30 06:10 | 東京新聞を読んで | Trackback