人気ブログランキング | 話題のタグを見る

憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

オバマ大統領来日 <塩野七生さん、無言で迎え、無言で送り出す、と?いいね!!>

 5月25日付朝日新聞15面の大半を使って、塩野七生さんの「オバマ大統領の迎え方」についてのインタビュ-が載った。
  <前略>
 中で、「日本は今回どうすればよいと思いますか」との記者の問いに塩野七生さんは、次のように答えた。
 「ただ静かに、無言のうちに迎えることです。大統領には、頭を下げることさえも求めず。そしてその後も、静かに無言で送り出すことです」
 「原爆を投下した国の大統領が、70年後とはいえ、広島にくると決めたんです。当日はデモや集会などいっさいやめて、静かに大人のやり方で迎えてほしい」
 「われわれ日本人は、深い悲しみで胸がいっぱいでも、それを抑えて客人に対するのを知っているはずではないですか。泣き叫ぶよりも無言で静かにふるまう方が、その人の品格を示すことになるのです。星条旗を振りながら歓声をあげて迎えるのは、子どもたちにまかせましょう。」と。
 つづけて塩野七生さんは、「それから、もしも私が日本の新聞の最高責任者だったら、当日の紙面づくりを他の日と一変させますね」、発言された。
 それに対し、記者は「―――え?どうゆう風に」と質問。その答えを塩野七生さんは、次のようにされた。
 「オバマ大統領の広島訪問を伝える日の1面には、カメラマンたちが写してきた多数の写真の中から、1枚だけを選んで載せる。「無言で立ち尽くす米国大統領オバマ」、だけにします」
 「頭を下げる姿の大統領は(もし、そうしたとしても) 絶対に載せない。なぜなら、自分の国の大統領のこの振る舞いに釈然としないアメリカ人もいるに違いないので。その人たちに「日本だって真珠湾攻撃したではないか」などと文句をつける言質を与えないためです」
 「その日だけは、記事は大統領の行程を記すだけにとどめて、余計な記事は一切排除する。もちろん、社説に至ってはお休みにしていただく。その他のページに載せる写真の説明も極力抑えた簡単なものにする」と。
 <中略>
 また記者は、「静かに迎えることこそが、世界の良心ある人たちに訴えかけるということですか」と質問した。それに応えて、塩野七生さんは次のように答えた。
 「「謝罪を求めない」は「訪れて自分の目で見ることは求めない」ではありません。米国大統領オバマの広島訪問は、アメリカで心を痛めている人たちに、まず、自分たちが抱いていた心の痛みは正当だった、と思わせる効果がある。そうなれば、感受性豊かな人びとの足も、自然に広島や長崎に向かうようになるでしょう」
 「広島の夏の行事の灯篭流しに多くの外国人が参加するのも、見慣れた光景になるかもしれないのです。そうなれば、原爆死没者慰霊碑の「過ちは繰り返しませんから」という碑文も、日本人の間だけの「誓い」ではなくなり、世界中の人びとの「誓い」に昇華していくことも夢ではなくなる。それが日本が獲得できる得点です」
 「そして、それこそが、原爆の犠牲者たちを真の意味で弔うことではにでしょうか」と。
 よんで、その格調の高さ、視野の広さに感心した。
 オバマ大統領が原爆投下を「わびるのも」「居直るのも」それは、アメリカとオバマ大統領の「思想」と「品格」と「責任」の取り方・感じ方であって、日本人がとやかく注文を付ける「問題」ではないと、かねがね思ってきた。だから、「無言で静かに」迎えるとの「言葉」は、ストンと腑に落ちた。
 また、これからどうなるかで興味がわいてきたのは、塩野七生さんが提案した、「新聞の対応」だ。もしかして、塩野七生さんの案を「採用する」、または「採用できる」新聞社が出たら、歴史的ニュースになるかもしれない、と思った。
 また、戦没者慰霊碑の「誓い」の主語は、日本国家と日本人である方が、「日本人の品格」が世界の模範となるような「誇りと自信」を感じていたんだが、自分の一人よがりであったのかもしれない、と思い直した。。
by sasakitosio | 2016-05-26 05:34 | 朝日新聞を読んで | Trackback