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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

宗教的な全能感 顕示 <トランプ現象の虚実>

 5月7日付東京新聞朝刊4面に、「考える広場」というページがある。3人が登場する。今回は、米心理学者のアリ・クルグラーンスキさんに学ぶことにした。
 まずアリさんは、「トランプ氏の支持者は、将来がどうなるか不安を抱えている人が多いです。給料が上がらなかったり、仕事を奪われたりして強い不満を持っている。
 社会で不確実性が渦巻くときは、解決してくれる強力なリーダーを求める声が出てきます。
 トランプ氏はこれを利用してさらに不安をかき立て、有権者に「心配するな、私が何とかしてやる」と訴えて支持を広げました。
 自らを成功したビジネスマンだと誇張する戦略も、有効に働いています。
 米国では、偉大な実績を残したスポーツ選手らは人々の尊敬を集めます。「私は金持ちだ。私の美しい妻を見てくれ」繰り返して、信頼につなげているのです。
 まるで巨大な力を持った神のように振る舞っており、一種の宗教のような形ですね。支持者は祈りさえすればいい、トランプ氏が解決いてくれるから身を任せればいい。支持者にそう信じ込ませています。
 政策には具体性はありません。
 メキシコとの国境に壁を築くことなど無理でしょう。たが、トランプ氏の支持基盤は教育、所得水準が低い人たちです。彼らは複雑なことを評価することが苦手で、シンプルさを好む傾向がある。
 「白か黒か」と言う論点で「不法移民は悪いから追い出す」と単純化して有権者に訴える。この分かりやすさも受け入れられているのですね。」と切り出した。
 つづけてアリさんは、「実は、民主党候補のバーニー・サンダース上院議員も似たところがあります。
 格差解消に向けて彼が主張する政策も実現は難しいですが、人々の希望に訴えかけます。不安な時代には心理的に大きなアピールポイントで、有権者は十分に同調してしまうのですね。
 ほかの要因としては、政治が機能していなことも挙げられます。
 オバマ政権下で、共和党は反対ばかりで政策は前に進みみません。国民は、慣れた政治システムを立て直せるのは、しがらみのない外部の人間だと考えるようになり、トランプ氏への期待が高まっているのです。
 一方、トランプ氏はヒスパニック(中南米)系に侮辱的な発言を繰り返して敵が多いです。 
 ビジネスマンとしても、多くの失敗を繰り返している。
 成功者としてのイメージが覆される状況となれば、逆に大きな弱点となるでしょう。
 民主党もそれを批判材料に活用しています。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 筆者は、「不安定な時代には、心理的に大きなアピールポイントで、有権者は十分に分析ぜずに同調してしまう」とのこと、
 「国民は壊れた政治システムを立て直せるのは、しがらみのない外部の人間だと考えるようになり、トランプ氏への期待が高まっている」とのこと、
 トランプ氏は「成功者としてのイメージが覆される状況となれば、逆に大きな弱点となる」とのこと、等等を教えてくれた。
 筆者の指摘を理解し納得した上で、パナマ文書の5月10日の公開のニュースの中に、「トランプ氏」の名前が出るかどうかが、大いに気になってきた。
 
by sasakitosio | 2016-05-09 06:18 | 東京新聞を読んで | Trackback