地震報道 ネット連携に光 <直接民主主義にも光が!!>
2016年 05月 05日
まず筆者は、「今回の熊本地震では自治体の想定を超える多くの人々が避難所に押し寄せた。熊本市内の指定避難所は合計6万人くらいの収容を想定していたが、実際にはその倍場近くの市民が避難。
スーパーの駐車場など指定避難所以外の場所にも人が集まり「事実上の避難所」が多数生まれた。
筆者が取材で訪れた熊本北高校(熊本市北区)はその一つである。
同校は付近の一時避難場所だったため、地震直後から人が集まった。だが、指定場所ではないため、数百人が避難しているにもかかわらず食料や水の備蓄がなく、行政からの物資が届かない。
危機を感じた被災者たちはフェイスブックを通じて物資の支援を呼びかけた。投稿は瞬く間にシャアされ、数時間後には物資が福岡から届けられた。最終的なシェア数は6万を超え、倉庫には支援物資が山積みになった。
同様の現象は熊本県益城中央小学校でも見られた。
こちらも物資の支援要望がツイッターで広まり、ほどなく大量の物資が到着した。だが、物資が届いたあとも、」「同校に物資が足りない」というツイートが投稿され続け、現場は混乱した。
投稿時は「事実」だった事象が、時間の経過で解決した後も拡散され「デマ」になるーーー東日本大震災のときにも起きていた現象だ。刻一刻と変わる支援ニーズをソーシャルメディアでどうフォローすればいいのか。
今後の大きな課題だ。
難題という意味では、今回被災地報道の在り方についてネットから多くの批判が寄せられたことも忘れてはならない。
中でも耳目を集めたのは、地震で多大な被害を受けた益城町の避難場所前で被災者とみられる男性から「見世物じゃない」と詰め寄られるところが民放のニュース番組で生放送されたことだ。
ネットではクレームを入れた男性に対する喝采の声が並び、ここぞとばかりにマスメディアの取材姿勢を攻め立てた。
マスメディア叩きの背景には画像や動画を簡単に投稿できるスマホやソーシャルメディアの普及がある。
これまでは被災地の現場で“許されていた”取材が当事者から晒され、感情が伝播しやすいソーシャルメディアを通じて広まることで、マスメディアに対する怒りがやじ馬も巻き込む形で増幅されていくのだ。
そんな中、ソーシャルメディアの速度感と双方向性をうまく生かした報道事例もあった。
16日、朝日新聞が熊本県内の避難所の情報をネットに掲載、ツイッターで「どなたか地図に落としませんか?」と呼びかけた。これに学生有志が反応。
グーグルマップ上に避難所情報を掲載する作業を買って出て、同日中にネットで使える避難所マップが完成した。新聞の調査力で検証したデータをネットに提供し、情報ボランティアに落とし込みの作業を任せる。これにより報道力を落とさず効率的に情報を多くの人に届けられる。
被災地情報とネットの善意が効果的に連携した事例と言えよう。
熊本市の大西一史市長は、市内の漏水箇所を特定するため水が出た場所を写真に撮影し、住所と共に投稿するようツイッターで呼びかけた。
結果、多数の漏水情報が寄せられ、水道復旧の速度が大幅に上がった。
これも行政と市民がネットを通じて効果的に役割分担できた事例だ。
日本のスマホ契約台数は東日本大震災があった11年3月時点で約1千万台、現在は約7千万台だ。
ツイッターの国内アクティブユーザーの数も月間670万人から3500万人まで増えた。
数字を見れば一目瞭然。この5年間で市民の情報発信力は大幅に増えているのだ。
その発信力をマスメディアや行政が生かせるようになったのも震災後の顕著な変化と言える。
行政の目が届かない部分を市民が発信して補い、マスメディアの発する情報をソーシャルメディアが強化する。
その仕組みを共有し、適切に伝えていく取り組みがあれば、次の災害に生かせるはずだ。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「16日、朝日新聞が熊本県内の避難所情報をネットに掲載、ツイッターで「どなたか地図に落とせませんか?」と呼びかけた。これに学生有志グループが反応。グーグルマップ上に避難情報を掲載する作業を買って出て、同日中にネットで使える避難所マップが完成した。」とのこと、
「熊本市の大西一史市長は、市内の漏水箇所を特定するため水が出た場所を写真に撮影し、住所と共に投稿するようツイッターで呼びかけた。結果、多数の漏水情報が寄せられ、水道復旧の速度が大幅に上がった」とのこと、等を知った。
「日本のスマホ契約台数は東日本大震災があった11年3月時点で約1千万台、現在は約7千万台。」とのこと、
「ツイッターの国内アクアクティブユーザーの数も月間670万人から3500万人まで増えた」とのこと、等を知ることができた。
熊本地震での報道事例で威力を発揮した、マスメディアとソーシャルメディアの連携は、日本における民主主義の進化に・深化に役立ちそうな気がしてきた。