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by sasakitosio

スペインで躍進 新生党「ポデモス」 結成わずか2年、昨年12月総選挙で69議席獲得

 
 2月8日付東京新聞朝刊22面と23面に渡ってこちら特報部という欄がある。
 今日はこの記事を学習することにした。
 まず記事は、「欧州各国が難民問題や経済危機で揺れる中、スペインで躍進を続ける新政党がある。名称は「ポデモス」。「我々は出来る」という意味だ。昨年12月の総選挙で69議席を獲得し、2大政党に続く第三党に躍り出た。30代という若い党首が率いる結成わずか2年の政党が、スペイン議会の光景を一変させた。一体何が起こっているのかーー。
 「左派のDNAに敗北が染みついている。でも僕は勝ちたいんだ」。長髪を結わえたラフな格好の男性が2年前、テレビの討論番組でそう力説していた。
 ポでモス党首のパブロ・イグレシアス氏(37)だ。
 発足は2014年1月。「左派は庶民に語りかけていない」と自戒を込め、負け癖を脱しようと繰り返し、周囲が驚く勢いでスペイン政界を塗り替えている。
 結成4カ月後にあった欧州議会選では、ほぼネットを使った運動だけで54議席中、5議席を獲得した。首都・マドリッド市長選とバルセロナ市長選で、応援した候補が当選。
 そして昨年12月、初挑戦の総選挙で69議席を得て、第三党になった。当選した多くが30~40代で、赤ん坊を連れて登院した女性議員もいた。
 中心メンバーのほとんどは有名大学の教授で、「インテリ政党」でもある。イグレシア氏もマドリードのコンプルテンセ大で教壇に立っていた政治学者だ。」と教えてくれる。
 つづけて記事は、「スペイン在住のフリーライター林有紀さん(40)は「スペイン人は普段から政治に関心が高く、政治家もよくテレビに出るがとりわけイグレシアスは人気芸能人のような扱い。それでも、2年前にはなかった政党がこんなに伸びるとはびっくりした」と驚く。
 同じく現地在州の自由業堀江哲弘さん(38)も「ツイッターやフェイスブックを駆使して若者の支持を広げている。政治の話がはばかられる日本ではちょっとない盛り上がり方だ」と話す。」と教えてくれる。
 さらに記事は、「なぜ、これほど支持を広げているのか。
 首都大学東京の野上和裕教授(スペイン政治)は「今の政治体制を変えることは出来ないという諦めや無力感を打ち破ろうと訴えている。党名「我々はできる」に込めているのは、政治を市民の手に取り戻そうという理想だ」と解説する。
 11年5月、「インディグナ-ドス(尊厳を奪われた人々)と呼ばれる若者たちが、政府の緊縮財政に抗議してマドリードのひろば」を占拠した。占拠を始めた5月15日にちなみ「15M」と呼ばれる運動をきっかけに、格差解消を求める運動が欧州各地に広がり、同年9月の「米ウォール街占拠」にも影響を与えた。
 東京電力福島第一原発事故を受け、脱原発を求める官邸前デモの広がりを見せていたころのことだ。
 党派運動や労働運動とは一線を画した「15M」運動はその年のうちに収束したが、何日も夜通し語り合った若者たちの政治体験がポデモスの源流になったとされる。
 中央大の若松隆教授(スペイン政治)は「欧州各国の経済危機は深刻で、特にスペインは若者の失業率が5割近い。二大政党に失望した若者が、社会変化を求めて新しい政党に向かっている」と説明する。 昨年末の総選挙で中道右派の新党「シウダダノス(市民党)も議席を増やした。「政治資金をめぐる不正疑惑も従来の政党に怒りをかき立てている」
 ポデモスは「急進左派」とみられることが多いが、野上氏は「イグレシアス氏らの過激な言葉遣いからくるイメージだ」と指摘する。
 「例えば、政界と財界の癒着が格差を生む経済政策につながっていると批判し、政財界エリートを「カースト」と呼んで攻撃している」。
 政策を見ると、目指しているのは北欧型の福祉国家で、以前の社会労働党の政策とあまり変わらないという。
 実際はローマ法王やスペイン国王にも礼を尽くすなど、むしろ「行儀もいい」という。
 スペインの政治学会の分析によると、ポデモスに投票したのは、社会から孤立した一部の若者たちだけでなく、経済的地位もある幅広い年齢層の人々が目立ったという。
 欧州各国では難民の権利制限や排斥を訴える政党が支持を伸ばし、「極右ポピュリズム」と批判されている。同じ文脈で、ポデモスはしばしばギリシャの左派政権などとともに「極左ポピュリズム 」と批判されることも多いが、野上教授はこの点も疑問視する。「ほとんど学者なので、分かりやすいメッセージを繰り返して支持を広げるポピュリズムとはむしろ正反対で、説明はまどろっこしい。政敵が言いはやしている側面が強い」」と教えてくれる。
 最後に記事は、「スペイン政界の動きは日本にも影響するのか。
 上智大の中野晃一教授(政治学)は「民主化運動の伝統のあるスペインと直接は比較できない。地盤も看板もない候補が新規参入しにくい日本の選挙制度の問題も大きい」と指摘しつつ、こう続けた。
「近年、スペインだけでなく、格差拡大や、社会の右傾化を危ぶむ学者や学生の運動が各地で起っている。世界的な潮流を日本の市民運動も学ぶことができる」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「結成4カ月後にあった欧州議会選では、ほぼネットを使った運動だけで54議席中5議席を獲得した。」とのこと、
 「昨年12月、初挑戦の総選挙で69議席を得て、第三党になった。当選した多くが30~40代で、赤ん坊を連れで登院した女性議員もいた。中心メンバーのほとんどは有名大学の教授で、「インテリ政党」でもある」とのこと、
 11年5月、「インディグナードス(尊厳を奪われた人々)」と呼ばれる若者たちが、政府の緊縮財政に抗議してマドリードの広場を占拠をした。占拠を始めた5月15日にちなみ「15M」と呼ばれるこの運動をきっかけに、格差解消を求める運動が欧州各地に広がり、同年9月の「米ウオール街占拠」にも影響を与えた。」とのこと、
 それは、「東京電力福島第一原発事故を受け、脱原発を求める官邸前デモが広がりを見せていたころのことだ。」とのこと、
 上智大の中野晃一教授(政治学 )は「近年、スペインだけでなく、格差拡大や、社会の右傾化などを危ぶむ学者や学生の運動が各地で起っている。世界的な潮流を日本の市民運動も学ぶことができる」とかたっているとのこと、等等を知った。
 2015年の年始と2014年の年末を、スペインのマドリッドを歩き回り、ピカソのゲルニカをメーンに、プラド美術館で若い「モナリザほほえみ」を、みたり、スペイン帝国の名残の街並みを楽しんできた。
 そのマドリッドからのニュースだったので、親近感がわいた。ただ、世界的な格差の拡大、情報の広がりの速さ、政党政治の行き詰まり、等等を改めて感じた。
 「ポスト資本主義の思想と実践論」が待ち遠しい。
 
by sasakitosio | 2016-02-10 07:09 | 東京新聞を読んで | Trackback