診療報酬改定 納得できるメリハリを
2015年 12月 04日
今日はこの社説に学ぶことにした。
まず社説は、「医療サービスや薬などの公定価格に当たる診療報酬の2年ごとの見直しに向けた議論が本格化している。診療報酬を全体で引き上げるのか、それとも抑えるのか。年末の来年度予算編成までに、まず大枠が決まる。
国民医療費はすでに40兆円を超えている。高齢化の進行や医療技術の進歩を踏まえると、こらからも増えることが見込まれている。医療行為の単価である診療報酬を引き上げれば、医療費全体を膨らませることにつながる。
医療費を支えているのは、税金や保険料、窓口で支払うお金など国民負担である。全体として医療費の増加を抑える努力は必要だろう。」と切り出した。
つづけて社説は、「社会保障費の抑制を進めた小泉内閣のもとでは引き下げが続き、地域の「医療崩壊」を招いたと批判を浴びた経緯がある。
必要な医療サービスは報酬を手厚くして充実しながら、無駄をなくしていく。そんなメリハリのある抑制策が必要だ。
まず手を付けるべきなのが、医療費全体の2割を超える薬剤費だろう。
たくさんの薬を処方されたお年寄りが飲み残しや飲み忘れた薬をたくさん抱えている問題や、複数医療機関で同じ薬が処方されるといった重複投薬の問題がある。無駄をなくす取り組みをぜひ進めてほしい。
また、これまで、実勢価格に合わせて薬価を引き下げる。これに加えて、価格の安い後発医薬品の使用をもっと広げる余地はあるはずだ。
一方で、勤務医の待遇改善、医療と介護の連携、在宅医療など、充実・強化しなければならない分野もある。こうした分野は診療報酬を引き上げることも必要になる。
とりわけ、高齢化社会における医療の在り方は大きな課題が。病気を抱えながら住み慣れた地域で暮らし続けるのを支える。痛みや苦痛をやわらげながら、人生の最期を尊厳を持って迎えられるようにする。病気を「治す」のにとどまらない、そんな「支える」医療も広げてほしい。」と指摘した。
最後に社説は、「大事なことは、限りある医療費を、患者や家族が望む医療に使っていくことだ。診療報酬の見直しに際して、どんなニーズにこたえるものなのか、国民に分かりやすく示すことが大切だ。
例えば、民主党政権のときには、救急医療や勤務医の待遇改善に配分すると枠をはめた。そんな工夫もあってよいではないか。こんな医療のためなら負担も納得できる。みんながそう思える見直しにしてほしい。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「国民医療費はすでに40兆円を超えている」とのこと、
をあらためて知った。
また、社説の「まず、手を付けるべきなのが、医療費全体の2割を超える薬剤費だろう」の指摘、
「一方で、勤務医の待遇改善、医療と介護の連携、在宅医療など、充実・強化しなければならない分野もある。」の指摘、
「病気を抱えながら住み慣れた地域で暮らしつづけるのを支える。痛みや苦痛をやわらげながら、人生の最期を尊厳を持って迎えられるようにする」との意見、等々は理解し納得した。
ごく近い身内に医療関係者が居て、その日常を見ていると、大変さがよく分かる。
また、健康保険料の最高限度額をここ40年近く払い続けているが、今のところ自分も家族も大病・大手術をした者はいない。しかし、たまに歯医者にかかっても送られてくる明細書を見る限り、健康保険のありがたみを感じている。