強者の論理
2015年 10月 08日
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「へえ、そうなんだ。安保法案に反対でも、TPPの大筋合意は歓迎するんだ。6日の朝刊各紙を読んでの感想である。
「日本経済への恩恵も大きい」(朝日新聞)
「新たな経済成長の糧とすることが期待される」(毎日新聞)
「長い目でみた地域の成長や安定につながる」(日経新聞)など全国紙各紙は一様に祝賀ムードだ。」と切り出した。
つづけて筆者は、「が、地方紙のトーンは異なる。
「これで国益を守ったと言えるのか。米国に追従し、農業分野で譲歩を重ねた秘密交渉だった」と批判した北海道新聞の社説。
「交渉の過程で多くの問題点が浮かび上がり、日本への影響を深く懸念する」と書いた岩手日報の論説。
この件はもともと中央と地方の間で大きな温度差があった。安保法以上にわかりにくい案件でもあった。だけど反対者は多かった。
「TPPは私たちの生活を豊かにする。私たちにチャンスを与える」と語った安倍首相と、「日本の国民の利益と経済主権をアメリカや国籍企業に売り渡すもの」という談話を出した共産党の志位委員長。果たしてどちらが正しいのか。
農業の衰退、食の安全、自由診療拡大による保険制度の崩壊、悪名高いISD条項、いずれにしてもTPPは強者の論理。
競争を歓迎するのは競争に勝てる人(国・企業)だけだ。犠牲は弱いところに行く。戦争も経済戦争も。」と締めくくった。
読んで、為になった。TPP問題については、全国紙と地方紙で温度差があることをあらためて知った。地球的な集中と過疎が始まるのかもしれない。
経済戦争が、国家間の戦争につながるという事が一つ減った、という点では、歓迎する。が、これから、競争という名の経済戦争を戦わなければならない「地域」の同朋にとっては、日常の平穏や暮らしを脅かされることも予想される。マイナスの変化は緩やかに、プラスの変化と相殺しながら、社会全体は緩やかに変化するように、為政者には政策遂行に誤りなきよう願いたい。ただ、中身の全容が見えないのが、すべて後出しじゃんけんのようで、しっくりしない。