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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

奴隷労働促進法

 6月24日付東京新聞朝刊27面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、文芸評論家・斎藤美奈子氏だ。 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「今や違憲がバレバレになった安保法制もだけれど、19日に衆院で強行採決された改正労働者派遣法もそうとうヤバイ代物だ。
「生涯ハケン法案」、「正社員ゼロ法案」などの別名もあるように、この法案は、専門的な26の業務とその他の業務も区別をなくし、三年ごとに人を入れ替えれば永続的な派遣の活用が可能になる。というものだ。と説明されても「?」ですよね。こんな場合は当事者の声を聞くに限る。」と切り出した。
 つづいて筆者は、「20日の本紙でも紹介された「非正規労働者の権利実現全国会議」による緊急アンケート(HP上に公開)には、派遣労働者たちの悲鳴のような声が並んでいる。
 仕事は増えるが賃金は増えない。
 交通費が支給されない。
 昇給も賞与も退職金もない。
 法案の内容では三年ごとにすべりおちる蟻地獄。
 自殺者が増える。
 うつ病が増える。
 政府は派遣業というブラック企業に協賛するスポンサーそのもの。
 私たちは体のいい人身売買の奴隷と同じだ。」と教えてくれる
 最後に筆者は、「派遣労働は労働者が当然手にすべき権利をはく奪された働き方だ。それを固定化するのが今回の法改正。憲法22条(職業選択の自由)、25条(生存権)にも抵触しかねない。戦後の日本が守ってきた近代国家としての最低限の原則はここでも踏みにじられている。
 残業代ゼロ法案も含め、奴隷労働促進法と改称したら?」と締めくくった。
 相変わらず、語彙が豊富で、為になり、面白い。
 筆者の指摘に加えて、労働者派遣法は、派遣と正規に、労働者の差別を生みだすという点では、憲法14条(法の下の平等)に反すると思っている。これに違憲訴訟が起きないのが不思議な気がしている。
 また、派遣労働は、派遣される労働者側では「憲法14条(法の下の平等)」違反ではないかと思われるが、派遣される企業側では、派遣企業への支払い分だけ「高い賃金」を払わされることになると、事業主から聞いたことがある。
 まさに、派遣先の企業にとっても、「政府は派遣業というブラック企業のスポンサーそのもの」との指摘が当たっている気がした。
 
by sasakitosio | 2015-06-26 06:32 | 東京新聞を読んで | Trackback