空からの監視と懲罰
2015年 05月 17日
今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「1921年、大英帝国はイラク駐留の陸軍を撤収し、広大な国土を空軍で統治する方針を決めた。神出鬼没の武装勢力を鎮圧するためだが、本国の世論への対応策でもあった。
新しい中東局の要には後の首相のチャーチルやゲリラ専門家の「アラビアのロレンス」が就いた。上空からの空襲による恐怖支配のもくろみだったが、非戦闘員が巻き添えになることは黙過された。」と教えてくれた。
つづけて筆者は、「気鋭の歴史家、P,サティア氏の「アラビアのスパイ達」(未訳)は植民地支配の内実を時代精神や当事者の葛藤にまで踏み込んで解明する。
空からの恐怖と懲罰は第二次大戦の英米の戦略爆撃(日独の都市への大空襲)につながっていく。
歴史は同じ形では繰り返さないが、大英帝国の轍を踏むかに見えるオバマ政権の対テロ・中東戦略には懸念の声が多い。
毎週のようにオバマ大統領自ら暗殺リストからドローンの標的にする人物を選ぶという。だが、上空からは特定個人を識別できない上に、必ず家族や市民が巻き添えになる。
オバマ政権は中東の現地住民の犠牲は公表しないし謝罪もしない。」と指摘した。
最後に筆者は、「なるほどドローンは地上兵力のように高コストでもないし、米国世論の反対もない。だが、大英帝国の支配の記憶は米国への民衆の憎悪を一層かき立てる。」と締めくくった。
読んで勉強になった。
「1921年大英帝国はイラク駐留の陸軍を撤収し、広大な国土を空軍で統治する画期的な方針を決めた。」、
「毎週のように大統領はドローンの標的にする人物を選ぶという」、
「オバマ政権は中東の現地住民の犠牲は公表しないし謝罪もしない」、等を初めて知った。
「大英帝国の支配の記憶は米国への民衆の憎悪を一層かきたてる。」との指摘をみて、日本の為政者には、日本が「米国への憎悪」のおすそ分けを受ける事態だけは避けてほしいとおもった。