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by sasakitosio

リカードー希少性の原理 「21世紀の資本」学習ノート⑤

 今日は、6頁の「リカード―――希少性の原理」の項目を学習することにした
筆者は、「今から見れば、こうした破滅の予言を馬鹿にするものはもちろん簡単なことだ。でも18世紀末から19世紀初頭にかけての経済社会の転換は、客観的に見ても当事者たちにとってもかなり衝撃的な、トラウマ体験ですらあったことは認識しよう。実際、当時のほとんどのの論者――それもマルサスやヤングだけでないーーは富の分配と社会階級構造の長期的な進化について、かなり悲観的な、時には終末論的ですらある見方を共有していた。これは特に、デヴィッド・リカードとカール・マルクスで顕著だった。この二人はまちがいなく19世紀で最も影響力の大きい経済学者だが、どちらも小さな社会集団—リカードの場合は地主、マルクスなら工業資本家――が産出した所得のますます大きな割合を懐に入れるようになると信じていた。
 リカードは1817年に「経済学及び課税の原理」を刊行したが、そのおもな懸念は地価と地代の長期的な推移だった。
 マルサスと同じく、リカードはまともな統計データはほぼもっていなかった。それでも当時の資本主義について身をもって知っていた。ポルトガルにルーツを持つユダヤ教徒の金融一家の出身で、マルサスやヤング、スミスに比べて政治的偏見は少なかったようだ。マルサス的なモデルに影響を受けたが、その議論をさらに先に進めたのだ。そして何よりも以下の論理的なパラドックスに興味を持っていた。人口と産出がどちらも安定成長に入ると、土地は他の財に比べてますます希少になる。需要と供給の法則から、地価は継続的に上がり、地主への地代も次第に上がることになる。だから地主たちはますます国民所得の受取り比率が増え、他の人々のもらう割合が下がり、これで社会の均衡がゆらいでしまう。リカードにとって、論理的かつ政治的に容認できる唯一の答えは、地代に対する税をだんだん引き上げることだった。
 この陰気な予測は結局まちがっていた。地代はたしかにかなり長期にわたって高止まりしたけれど、最終的には国民所得に占める農業比率は下がるにつれて、農地の価格は他の富の形態に比べて着実に下がっていった。1810年代のリカードには、その後生じる技術進歩や工業の発展の重要性など思いもよらなかった。マルサスやヤングと同じく、人類が食料調達の必要性から完全に解放されるなどとは、想像だにしなかったのだ。
 それでも彼の地価に対する洞察はおもしろい。その根拠になっている「希少性の原理」によれば、何十年にもわたり一部の価格はきわめて高い水準になりかねないことになる。
 これは社会全体を不安定にしてしまうことも十分あり得る。価格システムは何百万人もの個人の活動を調整するのに、重要な役割をはたしているーーーいや何百万人ところか、新グローバル経済では何十億人の活動が価格で調整されている。
 問題は、価格システムは程度をわきまえないし道徳性もないということだ。
 21世紀での世界的な富の分配を理解するに当たり、希少性原理の重要性を無視するのは大きなまちがいだ。これを理解するには、リカードのモデルにおけるの農地価格を、世界大首都の都市不動産価格と置きかえたり、原油価格と置きかえたりすればいい。どちらの場合でも、1970――-2010年のトレンドを2010――-2050年とか2010-2100年までのばすと、結果はかなりの規模の経済的、社会的、政治的不均衡となる。それは国同士の不均衡にかぎらず、各国内の不均衡にもつながるーーーこれはどうしてもリカード的な終末論を思い起こさずにはいられない不均衡となる。
 たしかに、このプロセスに均衡をもたらしそうなきわめて単純な経済メカニズムは、原理的には存在する。需要と供給のメカニズムだ。言い換えると、不動産や石油価格が上がれば、人々は田舎に引っ越したり、自転車で移動するようになったり(あるいはその両方をやったり)する。そうした調整が不快だったりややこしかったりする点には目をつぶろう。また何十年もかかることもあるし、その間に地主や油田オーナーたちは他の人々に対する権益を思いっきり集めて、地方部の不動産や自転車も含め、所有できるものはすべて一気に所有できてしまいかねない点も考えないでおこう。
 いつものことだが、最悪のことが起こるとはかぎらない。2050年にはカタールの首長に賃料やレンタル料を払うことになるかもなどと読者に警告するのは、あまりにも拙速だろう。この問題については、後で扱うし、私の答えももっと細やかなものになる。とはいえ、さほど心安まるものにはならないのだが、だがここで重要なのは、一部の相対価格の極端な変化に伴って、富の分配に大規模で永続的な分裂が生じる可能性は、需要と供給の相互作用だけではまるで否定できない、という点だ。これがリカードの希少性原理の主な含意となる。でもそうした冒険をあえてしなければならない理由は何もないのだ。」と教えてくれる。
 読んで、面白かった。
 リカードは、「1817年に「経済学および課税の原理」を刊行した」とのこと、「人口と産出がどちらも安定成長に入ると、土地は他の財に比べるとますます希少になる。需要と供給の法則から、地価は継続的に上がり、地主への地代も次第に上がることになる。だから地主たちはますます国民所得の受け取り比率が増え、他の人々がもらう割合は下がり、これで社会均衡がは揺らいでしまう。」といったとのこと、等を知ることことができた。
 筆者は、「だが、ここで重要なのは、一部の相対価格の極端な変化に伴って、富の分配に大規模で永続的な分裂が生じる可能性は、需要と供給の相互作用だけではまるで否定できない、という点だ。これがリカードの希少性原理の主な含意となる」と教えてくれ、そして筆者は「そうした冒険をあえてしなければならない理由は何もないのだ」と先に「破滅」ではなく「希望」があることを示唆している。
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by sasakitosio | 2015-05-01 20:13 | 「21世紀の資本」学習ノート | Trackback