軍と沖縄
2015年 03月 30日
まず筆者は、「気分は既に改憲後なのだろう。安倍晋三首相は国会答弁で自衛隊を「わが軍」と言った。戦後の日本人は、軍が国を滅ぼした経験を土台に、国の形を作ってきた。自衛のための実力組織を持つにしても、それは他国の軍隊とは違うという原則を立てた。そして自衛隊は他国を攻撃することを前提とせず、編成や作戦を構築してきた。自衛官の大半も、憲法九条の下で国民を守るために志願したはずだ。
軍という概念を避けてきた理由はもう一つある。
先の大戦の末期、沖縄では軍が住民を巻き込んで地上戦を戦った。軍が守ろうとしたのは国民の生命ではなく、国体という名の指導部の既得権であった。」切り出した。
つづけて筆者は、「安倍首相は意図していないかもしれないが、沖縄における基地建設の強行と、自衛隊の軍への転換は、二つそろって戦後日本の原理を踏みにじろうとしている。
安倍首相にとっての「わが軍」は、指導者の子供じみた夢想のために用いられるのであって、決して国民を守るものはならない。そのことは、最近の安保法制の議論を見れば、明らかである。戦争を始めた外国軍に武器弾薬を運ぶことは、自衛ではなく、軍隊がする戦争である。」と指摘した。
最後に筆者は、「増長もいい加減にしろ。法治国家という概念は、安倍一党のようなおごり高ぶった権力者を法で縛るという意味なのである。」と締めくくった。
読んで勉強になった。
「先の大戦末期、沖縄では軍が住民を巻き込んで地上戦を戦った。軍が守ろうとしたのは、国民の生命ではなく、国体という名の指導部の既得権であった。」との指摘は、古今東西を問わず、すべての戦争に当てはまるような気がした。
国民の利益と指導者の既得権を混同させ、「国益を守るため」と国民をやる気にさせ、命や財産を振り込ませる、指導者による巧妙な振り込め詐欺、それが戦争のような気がした?