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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

呪文

2月15日付東京新聞朝刊25面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・山口二郎氏だ。 今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「日本人を震撼させたテロ事件は政治家にとってはこの上なく、有効な道具となっている。「テロとの闘い」と称して自衛隊派兵をもくろむのは直接的な利用法である。その他、間接的な利用は枚挙にいとまがない。

 沖縄での基地建設強行と並んで、議論のないまま進む原発の再稼働とエネルギー政策の逆戻りが典型例である。

 原子力規制委員会は12日、高浜原発について、新規制基準を満たすとする審査書を決定し、再稼働は時間の問題となった。」と切り出した。

 つづけて筆者は、「また経産省の作業部会では、今後の電源として原発を維持すべきだという主張が続々出されている。

 安倍首相が「日本は変わった、テロとの闘いに乗り出すのだ」というのなら、国内におけるテロの脅威を真面目に考えるべきである。原発の安全性は地震、津波などの自然災害だけでなく人為的攻撃も想定して十分な対策を立てなければならない。

 原発の安全確保の本当のコストを明らかにすれば、そこまでして原発を継続することが合理的かどうか、議論は深まるであろう。」と指摘した。

最後に筆者は、「あえて言う。「テロとの闘い」という言葉は、為政者がほしいままに権力を使い、重要な政策課題に関して議論を封じ込めるための魔法の呪文である。われわれが民主主義を支える主権者でありたいなら、こんなちゃちな呪文にだまされてはならない。」と、締めくくった。

 読んで面白かった。

 「テロとの闘い」を為政者が使うのは、「重要な政策課題に関し議論を封じ込めるための魔法の「呪文」である」との指摘は、面白い。そういえば「非国民」という「呪文」は、反対者を黙らせ、「国民の命や財産を守る」という「呪文」は反戦者を黙らせるのに役立っていそうだ。ならば「地球温暖化」は、ウソがバレタた呪文「エネルギーの安価・安定供給」に変わった、原発再稼働への「呪文」のような気がしてきた。

 太古の時代と同じように、為政者の「呪文」にだまされようでは、民主主義を支える主権者としては、これでいいのだろうか?


by sasakitosio | 2015-02-16 06:42 | 東京新聞を読んで | Trackback