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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

エボラ対策と奴隷制度

 10月26日付東京新聞社説横に、「太郎の国際通信」という、署名入りの囲み記事がある。筆者はジャーナリスト・木村太郎氏だ。今日はこの記事に学ぶことにした。

 まず筆者は、「「西アフリカとの往来を禁止すれば、とりあえず(エボラ出血熱の感染は)防げるのではないですか?」

 「そうなると、病気は他の地域に広がって・・・」

 「なぜ現地で止められないのですか?」

 「(救援の)の人びとが出入りできなくなるからです」

 「チャーター機でできるじゃないですか?」

 「チャーター機は定期便とちがうのです」

 「どういう意味です?同じじゃないですか」

14日放送された米国のFOXニュースのキャスターのメイゲン・ケリーさんと米疾病対策センター(CDC)のトム・フリーデン所長のやりとりが、全米で評判となった。」と切り出した。

 つづけて筆者は、「今回のエボラ出血熱問題で、米国でははじめから西アフリカとの往来を禁止すべきだという意見があったが、オバマ政権はそれは逆に拡散につながると反対してきた。

 しかし、現実にリベリアから入国した男性が死亡し、付き添った看護師2人が感染して三次感染も心配されるようになって、あらためてこの議論が再燃してきたのだ。

 これに対して、オバマ政権は引き続き西アフリカとの往来を維持する方針を崩さず、その頑なとも思える態度に病理学以外の理由があるのではないかと思惑を呼んでいた。そして、CNNで放送されたエボラ出血熱の専門家デビッド・クアムメン氏の発言が改めて注目されてきた。

 「我々米国人はリベリアに背を向けることはできません。かの国は米国の奴隷制度から生まれた国です。我々は彼らと結びつきを保ち、この問題が解決するよう支援しなければならないのです」

 リベリア共和国は、米国の解放奴隷が1847年に建国した国だ。というと、いかにのも黒人たちの意思によってつくられた国家のようだが、実は解放奴隷を体よく追い返すために白人がリベリアに植民地をつくり、黒人を移住させたのが始まりだった。」と教えてくれる。

 さらに筆者は、「こうした歴史的なつながりから、米国はリベリアをむげにはできないという見方があるのだが、それとオバマ大統領が黒人であることと結び付けた政権批判も出てきた。

 「危険なことに、われわれは過去にわれわれが行ったことに責任があるから、あるいはその責めを受けるべきだから空港を閉鎖してエボラを閉め出すわけにはゆかないと考える人物を最高権力者として選んでしまったのだ。」

 超保守系の論客として知られるラジオ・トークショーのラッシュ・リンボー氏はこう決めつけた。」と教えてくれる。

 最後に筆者は、「ことの真偽はともかく、感染国の一つナイジェリアはまず他の感染国との往来を禁止し、その上で患者の隔離等の対策を徹底したことでエボラ出血熱を収束させたと20日発表している。」と締めくくった。

読んで勉強になった。

 まず、「リベリア共和国は、米国の解放奴隷が1847年に建国した国だ。」とのこと、「実は解放奴隷を体よく追い返すために白人がリベリアに植民地をつくり、黒人を移住させたのが始まりだった」とのこと、を初めて知った。

 また、「現実にリベリアから入国した男性が死亡し、付き添った看護師二人が感染し三次感染も心配されるようになっても、オバマ政権は引き続き西アフリカとの往来を維持する方針を崩さない」とのこと。

 このことで、「危険なことに、われわれは過去に行ったことに責任があるから、あるいは責めを受けるべきだから空港を閉鎖してエボラを閉め出すわけにはゆかないと考える人物を最高権力者として選んでしまったのだ」と、政権批判が出てきた、とのこと。

 アメリカの過去が、アメリカの今を責め、国民一丸となってエボラを封じ込める態勢にならないことは、アメリカの不幸だと思った。選挙では何でもありのアメリカだが、エボラウイルスとの闘い方が、争点になることは、アメリカ国民の不幸だと思った。


by sasakitosio | 2014-10-31 07:14 | 東京新聞を読んで | Trackback