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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

決意と能力の欠如 戦争へ続く道

 6月22日付朝日新聞朝刊2面に、「日曜に想う」という署名入りの囲み記事がある。筆者は、特別編集委員・星浩氏だ。
 今日はこの記事に学ぶことにした。
 筆者は、「150日の通常国会の会期が22日で終わる。集団的自衛権や経済政策、社会保障など懸案は山ほどあるというのに、これほど議論が低調だった国会は珍しい。圧倒的多数の自民党に乗る安倍晋三首相に対し、野党は、すり寄ったり、迫力不足だったり、という体たらく。それでも、強いて注目すべき論争を挙げるなら、集団的自衛権をめぐる安倍首相と民主党の岡田克也前副総理との応酬だろう。
 岡田氏 集団的自衛権が行使できない、あるいは非常に限定する場合と、行使できると期待を持たせておいて、できないといった時と、どちらが日米同盟にとっておおきなマイナスになるか。私はできると言って、結局できないと断る方が影響が大きいと思う。
 安倍首相 米国は我々が集団的自衛権の行使について検討することを支持、歓迎している。年末に新ガイドライン(日米防衛協力の指針)を作成し新しい観点で安保政策を構築する。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「関単に解説しよう。日本が集団的自衛権を行使できるようになれば、米国はこれまで以上に、自衛隊の海外派遣や米軍との共同行動を求めてくるだろう。長い間、日本は、「憲法の条文やその解釈による制約があるので、できません」と断ってきたけど、これからはそうはいかなくなると岡田氏は懸念する。それに対し、首相は「心配無用」と答えたのだ。
 実際はどうか、長い目で見れば、米国は財政赤字を減らさなければいけないし、多くの米兵が死傷するような軍事行動には、国内世論の反対が強い。
 だから「世界の警察官」を続けることはできないだろう。自衛隊の役割分担を増やすよう迫ってくる可能性は大きい。集団的自衛権が認められれば、かって「ショー・ザ・フラッグ」とか「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」といった声が高まるに違いがない。
 平和憲法を楯に、防衛力を強化しろという米国の圧力をかわしつつ、日本国内では「必要最小限」の自衛隊を維持していく~~それが吉田茂元首相以来の保守政治の底流にあった手法だ。
 具体的には、内閣法制局がまとめて歴代内閣が踏襲してきた憲法解釈を、自衛隊の活動に対する「歯止め」としてきた。集団的自衛権行使は憲法上、許されない。従って、米軍と一体となる行動はできない。~~という理屈だ。
 集団的自衛権が認められれば、その「歯止め」はなくなり、米国への攻撃を日本への攻撃と見なして反撃するかどうかの判断は、時の政権が下すことになる。いわば「歯止め」の役割は、憲法解釈から政治家に移るのだ。その意味で安倍・岡田論争は
 ①米軍の軍事的要求に応じられるか
 ②政治が「歯止め」の役割を担えるのか、という重大な論点を含んでいる。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「ところで、ことしは第一次大戦勃発から100年。多くの論考が発表されている。雑誌「アステイオン」最新号も第一次世界大戦を特集している。
 細谷雄一慶応大教授が書いている。
 「第一次世界大戦前夜のヨーロッパの大国に見られた、慢心と自尊心と、慎慮の欠如と、熾烈な愛国心が火に油を注ぐように、各国の総動員を後押して行った」、
 「戦争へと向かう巨大な歴史の奔流のなかで、その危険性を熟知して、それに立ち向かう指導者が多くはなかった。その結果として、ヨーロッパの大国は自らが望まず、想定していなかった「大戦争」へと突入していったのだ」。
 指導者に「決意、勇気、能力」が欠けたことが大戦争につながったという指摘が重い。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「集団的自衛権という国の針路を左右する課題を抱えているのに、指導者たちは「与党協議」と称して
、密室の字句修正を続けている。骨太の外交・安保論は聞かれない。国民への説明の場となる国会は、早々に閉じてしまう。 そこからは「歯止め」担う決意も能力も、見いだせない。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「集団的自衛権が認められれば、自衛隊の活動に対する「歯止め」の役割は、憲法解釈から政治家に移るのだ」との指摘は、二つの意味で、恐ろしい。
 ①今の政権で、歯止めになるのか?
 ②安倍政権は、国民的「歯止め」である、「憲法による歯止め」を外そうとしているのか?
 また、「米国は財政赤字を減らさなければいけないし、多くの米兵が死傷するような軍事行動には、国内の反発が強い。
 だから、「世界の警察官」を続けることはできないだろう。」の指摘は、当たっているように思う。
 この二つの指摘で考えられることは、安倍政権は、集団的自衛権の行使容認を進めることで、自衛隊の命と、国民の血税を使い、米国の軍事的・財政的要請に応えようとしているということだ。
 結果的には、集団的自衛権の容認を進めることで、国民の命を危うくし、国の財政を危うくし、国家を壊そうとしているような気がする。
 総理を作った「自民党よ!」、総理を支える「公明党よ!」、その他総理を支えている「すべての団体・人びとよ!」、殿の御乱心をと、止めて下さい!!日本沈没を止めて下さい!!
 
by sasakitosio | 2014-06-25 07:15 | 朝日新聞を読んで | Trackback