選挙制度改革 前提なしで抜本議論を
2014年 03月 16日
今日は、この社説に学ぶことにした。
社説は、「何としても、衆院の選挙制度改革を進めるべき時だ。
自民、公明の与党と、民主、日本維新の会、みんな、結い、生活の野党5党が衆院議長のもとに有識者による第三者機関を設置する方向で合意した。
本来は各党が利害得失を超えて議論を重ね結論を出すべき問題だ。それができなかったことについて、まずは真摯に反省してもらいたい。」と切り出した。
さらに社説は、「自分たちに手に負えない。だから、第三者機関に議論を委ねる。そうである以上は当然、各党は示された答申を尊重し、従わなければならない。この点について、事前にしっかり合意しておく必要がある。
重要なのは人選だ。どうすれば各党の利害の代弁者ではなく、大所高所から幅広い議論ができる人を選び、中立・公平性を確保できるか。設置に反対している共産、社民両党の協力を求めつつ、各党は最大限の知恵を絞ってほしい。
さらに、議題については優先順位をはっきりつけた上で諮問するのが筋だ。最優先課題はやはり、一票の格差是正だ。
議席をまず都道府県に一人ずつ割り振る「1人別枠方式」が格差を生む主要因であることははっきりしている。最高裁からは速やかな廃止を求められているのに、実質的にはまだ残っている。決着をつけるべきだ。
消費増税を前に、「身を切る改革」としての定数削減に衆目が集まっている。だが、有権者の代表である国会議員を、単に金銭的な側面から減らせば」いいという発想は短絡に過ぎるのではないか。
「身を切る」だけなら、年間320億にのぼる政党交付金やさまざまな手当の減額でも可能だ。定数削減が最善の方策かよくよく吟味する必要がある。
その意味でも、定数の問題は、抜本的な選挙制度改革と併せて第三者機関に議論してもらうのが望ましいだろう。」と指摘した。
最後に社説は、「「政権交代可能な二大政党制」を旗印とした政治改革で、小選挙区比例代表並列性が導入されて20年、政権交代は実現したが、死票が多いなどの弊害も指摘される。
選挙制度は、どのような民主主義を志向するかで選択が変わってくる。民意を一つにしやすい小選挙区制と、さまざまな民意を反映しやすい比例代表制のどちらに軸足を置く方が良いか。衆院と参院の役割分担をどう考えるか、そもそも国会議員は何を代表しているのかーーー。
第三者機関にはどんな前提もなく、根本からの議論を期待したい。」と締めくくった。
社説の主張のように、「第三者機関にはどんな前提も置くことなく、根本からの議論を期待したい。」、「重要なのは人選だ。」との指摘はその通りだと思った。
ただ、第三者機関に国会議員の身分にかかわる「資格、権利義務、選挙」を委ねるのであれば、法律をつくって、国会からの法的委任をあたえた方がより実効性があるのではないか。
また、たとえ国会が国権の最高機関であって、唯一の立法機関であっても、国会議員の資格や権利を、国会議員が決める仕組み自体がもともと無理があったのではないか。
たとえば、その仕組みは、猫に鰹節の番をさせたり、泥棒に縄をなわさせる、ようなものではないのか?
ために、団体意思の決定では、多くの組織では、当該決定事項の利害関係人の「議決権」を制限している。
また、人選についても、司法や行政(国会議員の大臣は除く)からの立法へのチェックという視点で、立法府の影響を極力排除した方が、いいのではないか。