米国版の反TPP
2014年 02月 24日
筆者は、「米国でも環太平洋連携協定(TPP)に反対する動きが顕在化してきた。TPP交渉には大統領への貿易推進権限付与が不可欠だが、両院の民主党有力者が最近反旗を翻した。その支持基盤である労組や市民運動の反TPPを、保護主義への傾斜とか停滞などと解説するのは浅薄過ぎる。背景には、先月でちょうど20年になる北米自由貿易協定(NAFTA)の苦い経験があり、米国でもNAFTAと同じ仕組みのTPPの深刻な意味合いが理解され始めたと考えるべきなのだ。」と切り出した。
つづけて筆者は、「実際NAFTAの果実を享受したのは富裕層だけで、普通の働く米国民は製造業の空洞化、低賃金のサービス業への労働移動、中産層の没落、格差の拡大、若い世代の貧困化といった事態に直面している。
隣国メキシコはもっと深刻で、NFTA締結以降、成長も賃金水準も停滞し、米国から大量に輸入される安価なコーンに押されて伝統農業の小農民は経済難民化し、多くは米国への違法移民となった。その数は推定で数百万人。」と、教えてくれる。
最後に筆者は、「メディアにもTPPの効用を疑う論説が現われはじめた。オバマ政権の格差解消の大看板と格差を一層広げるに違いないTPP推進とは矛盾するというのだ。とどめを刺すのはクリントン政権で労働長官を務めた著名研究者のライシュ氏で、NFTA締結を悔いて反TPPの立場を鮮明に打ち出した。」と指摘して、締めくくった。
読んで、勉強になった。アメリカでも、TPPが少数の富める人をより豊かにし、多数の普通の労働者をより苦しい生活に追い込んでいたのだ。TPPが世界経済の潮流のような宣伝に、すっかりだまされるところだった。
今の格差をますます大きく拡大する「テコ」みたいなTPPは、中止したほうが、日本国民のためになりそうだ、と思った。

