国家優先 、「和」のパワー損なう
2013年 12月 19日
今日は、この記事に学ぶことにした。
筆者は、「食は進化する。白飯を握っただけのおにぎりは、やがて海苔に包まれ、具が入った。丼物は江戸後期のうな丼や天丼に始まって、明治時代に牛丼と親子丼、大正期にカツ丼が登場した。
きょうも地球の片隅で、独創か邪道かはさておき、すしや丼の変種が生まれていることだろう。
本来の和食は四季と旬にこだわり、山海の素材を美しく盛る。昆布や鰹のだしは淡いが深く、一汁三菜の習いは長寿をもたらした。片やラーメンにカレー、トンカツなど、異国の皿を取り込んだ国民食も多彩だ。守るべきは守り、来る者を拒まない。和食がユネスコの無形文化遺産になった背景には、そんな食文化への関心がある。伝統や風土に閉じこもらず、「和む食」は世界の舌をそそり続ける。」と教えてくれる。
つづけて筆者は、「こうした名声は大切にしたい。数値では表せないけれど、文化や国柄への敬い、憧れは決して侮れない。「なかなかの国だ」と思わせる魅力は、いずれどこかで当の国民を救う。軍備や経済のように他者を圧することのない、しなやかな安全保障である。
MANGA、アニメ、ゲームといった、いわゆるクールジャパンの主役たちは、平和国家の産物だ。もとより息苦しい社会、せせこましい価値観からは豊かな想像力など生まれない。
ただ悲しいかな、ソフトパワーは和風だしのように、はかなくもある。
かって世界の中心だったヨーロッパは、東の果てから渡来する磁器や浮世絵の洗練振りに目を見張った。幕末から明治、日本を訪れた異邦人は穏やかな民情に驚いたとされる。アジアの新興国が集めた畏敬の念は、しかし昭和に入り蒸発した。葬ったのは自らの軍隊、痛恨の極みは72年前、ハワイ真珠湾への奇襲だった。」と、指摘した。
さらに筆者は「破局への道は言論統制と弾圧に始まる。国が決める、民は黙ってついて来い。朝日新聞もNHKラジオも国策の宣伝マシンになり果てた。体制の用心棒よろしく治安維持法ができ、6年後に満州事変、捕まえるべき危険分子をむやみに増やす全面「改正」から日米開戦まで、1年足らず・・・
稀代の悪法に、おととい、13日の金曜日に公布された特定秘密保護法が重なる。秘密を愛する権力者がその気になれば、いくらでも解釈が広がるできそこないの代物だ。知恵が足りないならまだしも、あえてアバウトに仕上げたなら怖い。デモはテロ、秘密は報じさせぬと言わんばかりの講釈をたどれば本音が透けてくる。情報公開の習いが未熟な国だけに、危なっかしい火遊びというほかない。」とも指摘する。
最後に筆者は、「なるほど、身の丈に余るハードパワーをもてあそぶ隣国があり、米国との疎通は欠かせない。コトは国家の存亡に関わると、大仰な言葉で新法の要を説いた人もいる。とはいえ前中国大使の丹羽宇一郎さんが言う通り、国民あっての国家なのだ。本当に強い国をお望みなら、まず気遣うべきは巷の活力ではないか。もの言えば唇寒しの世では民は萎え、国は衰える。「和」のパワーどころではない。
政管合作の秘がはびこり、ひそひそと伝承される社会は病んでいる。しかも罪人を生みながら、である。
およそ「秘伝」というもの、しにせのタレくらいにしておきたい。」と、皮肉交じりに、締めくくった。
大変、勉強になった。講談にも、うな丼の始まり、のはなしがある。食の進化は面白かった。筆者の言うように、日本を「なかなかの国」と、異邦人に想わせることは、実に痛快だ。食に限らず、文化大国日本。異邦人が皆が皆、日本を「壊したり」「傷つけたり」することは、勿体ない、と思わせる。ことは、何よりもの国民の安全保障だとおもう。7年後のオリンピックに照準をあわせ、世界中の異邦人に、日本がまるごと「世界遺産」だと思わせる、「文化国家」づくりにまい進できないものか。ただ、軍備増強で税金を使いたい人、それで儲けたい人々は、反対するかもしれませんが。