原潜の潜航 今も記す「最終手段の書簡}
2013年 11月 21日
筆者は、「<前略> だがこの瞬間も、地球上のどこかの海中で、この基地から出て行ったバンガード級原潜が1隻、探知されないように潜航を続けている。米国から供給を受けたトライデント型核ミサイルが搭載された同じ艦内には、キャメロン首相が書いた1通の手紙が、厳重にしまわれているはずだ。
「最終手段の書簡」と呼ばれれる手紙だ。英政府では首相が就任後、できるだけ速やかに記すしきたりになっている。 <略>
「最終手段の書簡」は、英首相が、自身や、あらかじめ指定された代理職らも核攻撃で死亡した場合を想定し、核による報復の可否を戦略原潜の艦長あてに指示しておく遺言なのだ。「報復せよ」か「報復してはならない」か。
全面核戦争が勃発しない限り、書いた本人以外が内容を知ることは決してない。」と切り出した。
つづけて筆者は「この書簡の作成は、冷戦がとうに終わった今も続いている。97年4月から国防参謀総長を務めたチャールズ・ガスリー名誉元帥(75)は、翌月に就任したブレア首相に手続きを説明した。「新首相にとって、こうした説明を受けることは、極めて粛然とさせられるものだ」と振り返る。
全面核戦争のシナリオがほとんど考えられない現在。英政府のこうした手続きに必要性はあるのか。ガスリーもと元帥は「今はありえくとも、50年後には考えられるかもしれない」と主張する。「もし英国が核を放棄したら、国連のテーブルで耳を傾ける者はいなくなる」。ヘイグ外相も先月、「英国が独自の核抑止力を持つことは、米仏も常に評価している」と私に語った。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「沈黙の潜航はいつまでつづくのか。次世代原潜を建造する最終判断は2016年だ。グリーン元中佐は語る。「軍事的には、核は何の安全保障にもならない無用の長物。消えた帝国の遺物に過ぎない」」で、締めくくった。
ロンドンでバスの爆発事件があった、前の年の年末年始、ロンドン一人旅でロンドンを歩き回った。テムズ川に手入れ、林子平の昔に思いを馳せたものだ。のどかなロンドンであった。そのときもいまも、イギリスは全面核戦争にそなえているとは驚きだ。

