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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

1116日付け朝日新聞朝刊に「私の視点」という欄がある。筆者は、ジャーナリスト・岡本厚氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「米国のアフガニスタン撤退とタリバンの政権復帰を受け、米国の「対テロ戦争」の評価をめぐる議論が起きている。日本もこの戦争に参加した。総括と反省が必要である。

 「撤退」の仕方ばかり焦点が当たっているが、「開戦」の方こそ議論すべきではないか。

 私は9.11事件当時、月刊誌「世界」の編集責任者だった。ツインタワーが崩壊していく光景を見て戦慄した。あの攻撃はもちろん許せないし、米国民の衝撃、恐怖と激しい怒りもよくわかる。朝日新聞の社説は「限定的な武力攻撃はやむなし」と書き、他のメディアも多かれ少なかれ支持の論調だった。私はメディアの一員としても市民のひとりとしても、多くの人々と同様、それに納得できず、かといって別に「答え」も見つからぬまま悩み苦しんだ。

 その重苦しい空気を緩め、息をつかせてくれたのが朝日新聞に掲載された、ニューヨーク在住の坂本龍一氏の文章だった。そこには「暴力は暴力の連鎖しか生まない。報復をすればさらに凶悪なテロの被害が、アメリカ人だけでなく世界中の人間以及ぶことになろう」であった。事態はまさにその通りになった。」と切り出した。

 続けて筆者は、「9.11の本質は犯罪である。であれば、犯人を捕らえ、犯罪組織を追及し、その罪を法に基づいて裁判で裁くことになる。

 だが米国は「これは戦争だ」と叫び、多くの国やメディアが従ってしまった。

 「戦争」で対するのは、いかなる手段を使っても打ち倒すべき「敵」だ。実際、ビンラディンは射殺され、事件の真相は明らかにされなかった。

 開戦は誤りであったと認め、テロ事件などを法によって裁く仕組みを整える議論をしなければ、また同じ過ちが繰り返されかねない。メディアも省みなければならない。今ははるかに自由に議論できるはずだ。」と指摘した。

 最後に筆者は、「アフガニスタンでは、米軍の攻撃や誤爆で多くの人が殺され、その家族や近しい人たちが報復を誓う姿は珍しくなかったと聞く。暴力が新たな暴力を生んだのだ。

 中村哲医師のやり方はその逆であった。

 相手の文化や生き方を尊重し、言葉を学んで長老らを説得し、村人と共に井戸を掘り運河を掘って荒野を沃野に変えていった。地道な活動の積み重ねが、村人らの信頼を生み出した。

  私たちは、今改めて強く言うべきだろう。「戦争」は「答え」ではなかった。そしてこれからも決して「答え」ではない、と。

 日本の自衛隊は一人のアフガン人も殺していない。それは大きな資産だ。タリバン政権と対話し、必要なら支援する。相手を尊重しつつ、粘り強く説得する。ほかの方法はない。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「米軍のアフガニスタン徹底とタリバンの政権復帰を受け、米国の「対テロ戦争」の評価を巡って議論が起きている。」とのこと、

 「日本もこの戦争に参加した。総括と反省が必要である。「撤退」の仕方ばかり焦点が当たっているが、「開戦」のほうこそ議論すべきではないか」とのこと、

 「朝日新聞の社説は「限定的な武力攻撃はやむなし」と書き、他のメディアも多かれ少なかれ支持の論調だった」とのこと、

 「(筆者は)それに納得できず、かといって別の「答え」も見つからぬまま悩み苦しんだ」とのこと、

 「その重苦しい空気を緩め、息をつかせてくれたのが、朝日新聞に掲載された、キューヨーク在住の坂本龍一氏の文章だった。そこには「暴力は暴力の連鎖しか生まない。報復をすればさらに凶悪なテロ被害が、アメリカ人だけでなく世界中の人間に及ぶことになろう」とあった」とのこと、

 「9.11事件の本質は「犯罪」である。であれば、犯人を捕らえ、犯罪組織を追及し、その罪を法に基づいて裁判で裁くことになる。だが米国は「これは戦争だ」と叫び、多くの国やメディアが従ってしまった」とのこと、

 「開戦は誤りであったと認め、テロ事件などを法によって裁く仕組みを整える議論をしなければならない。メディアも省みなければならない。」とのこと、

 「アフガにスタンでは、米軍の攻撃や誤爆で多くの人が殺され、その家族や近しい人たちが報復を誓う姿は、珍しくなかったと聞く。」とのこと、

 等々を知ることができた。

 そして筆者は、「私たちは、いま改めて強く言うべきだろう。「戦争」は「答え」ではなかった。そしてこれからも決して「答え」ではない、と。」指摘し、

 「日本の自衛隊は一人のアフガニスタン人も殺していない。それは大きな資産だ」と指摘し、

 「タリバン政権と対話し、必要なら支援する。相手を尊重しつつ、粘り強く説得する、他の方法なない」と指摘した。

 筆者の指摘に共鳴しながら、考えた。

 今振り返ると、9.11事件とその後のアメリカのアフガン戦争は、誤りであったと思う。

 その、誤りの戦争の結果、アメリカ国民もアフガニスタン国民もだれも幸せにならなかった。国民の命が多数奪われ、国民の税金が沢山使われ、アメリカ軍撤退後もアフガニスタンの国民の多くが恐怖と貧困にあえいでいる。誰も言わないが、みんなの犠牲でもうかったのは「軍事産業」だけだ。

 人類の英知を結集して、戦争という人殺しを地球上から根絶するシステムを、一日も早く創造したいものだ、と思った。

 今思いつくのは、世界から戦争をする国家をなくする。そのためには、国連を発展的解消して「世界連邦」をつくるのも一案ではないか、と思っている。

 


# by sasakitosio | 2021-11-26 19:45 | 朝日新聞を読んで | Trackback

1125日付け東京新聞朝刊6面に、「視点」という欄がある。筆者は、編集委員・中沢幸彦氏だ。きょうはこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「新型コロナウイルスの感染対策に、ワクチンの接種が大きな効果を発揮しているとされる。ただ接種の予約では当初、苦労した人も多かったようだ。インターネットでの予約を子や孫など家族、友人に頼むことができたお年寄り恵まれていたが、それができな人は何度も電話をかけるしかなかった。

 パソコンやスマートフォンに触ったことがなく、買っても使い方がわからないので放置してしまうお年寄りは多いという。「デジタル難民」「デジタル弱者」と言われる人たちだ。ちなみにスマホを使いこなす若者などは「デジタルネーテイブ」と言うらしい。」と切り出した。

 続けて筆者は、「ある地方の薬局が「ワクチン接種のネット予約を手伝います」と店頭に張り紙を出すと、お年寄りが行列を作ったという。デジタル化には「説明する人と場所」をどう提供していくかが重要という点がわかる話題だ。

 岸田文雄首相は自身が主張する「新しい資本主義」の実現に向けた成長戦略で、最も重要な柱として「デジタル田園都市国家構想」を掲げた。

 デジタル化を進めて地方と都市の格差を解消し、地域の活性化につなげることを目指したい。

 立派な目標だが、ワクチン接種の予約を巡る混乱を始め、各種給付金の支給でも、ネットでの手続きがスムーズにいかない人が多かった。現状のままで地方のデジタル化は進むのだろうか。

 経団連の十倉雅和会長は118日の定例記者会見で、「おふくろが電気店に行って携帯電話(スマホ)を買ってきたが、使いないと嘆いていた。スマホの説明書を見てもわからないから、使い方を教えてほしいとたのまれた」と自らの経験を紹介。

 その上で「自分も説明書を見ても、すぐデジタル機器を使いこなすことはできなかった。そういう時は周囲の人が助けていくことが大事だ。必要な時に「こうするんですよ」と回りが助けてくれるとありがたい」と話した。」と教えてくれる。

 最後に筆者は、「若い人や知人にスマホなどの使い方を教えてもらうと言った「デジタル支援」は、地域や自治体によるデジタル化を進展させるきっかけになる。高齢者がスマホを少し使えるようになって親しんでいくことが、デジタル化への信頼につながり、その効果もわかるというものだろう。

 産業界もデジタルの活用に慣れていない人のための製品開発やサービスの提供を工夫していくことが、これからも不可欠だ。

 地方のデジタル化の支援策として高速・大容量の通信規格「5G」などの基盤整備を進め、遠隔での医療や教育、防災などに取り組んでいくことは必要だろう。

 ただ、まずはスマホを少しでも使える人を増やす施策の強化が先ではないか。デジタル難民を見捨てていいはずがない。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「最近、ある地方の薬局が「ワクチン接種のネット予約を手伝います」と店頭に張り紙を出すと、お年寄りが行列をつくったという。」とのこと、

 「岸田文雄首相は自身が主張する「新しい資本主義」の実現に向けた成長戦略で、最も重要な柱として「デジタル田園都市国家構想」を掲げた。デジタル化を進めて地方と都市の格差を解消し、地域の活性化につなげることを目指している。」とのこと、

 「経団連の十倉雅和会長は118日の定例記者会見で、「おふくろが電気店で携帯電話(スマホ)を買ってきたが、「使えない」と嘆いていた。スマホの説明書を見てもわからないから、使い方を教えてほしいと頼まれた」と自らの経験を紹介。」とのこと、

 「その上で「自分も説明書を見ても、すぐデジタル機器を使いこなすことができなかった。こういう時は周囲の人が助けていくことが大事だ。必要な時に「こうするんですよ」と周りが助けてくれるとありがたい」と話した。」とのこと、

 等々を知ることができた。

 そして筆者は、「高齢者らがスマホを少し使えるようになって親しんでいくことが、デジタル化への信頼につながり、その効果もわかるというものだろう」と指摘し、

 「まずはスマホを少しでも使える人を増やす施策の強化が先ではないか。デジタル難民を見捨てていいはずがない。」と指摘した。

 指摘に賛同しながら、考えた。

 後期高齢者の私は、仕事柄、パソコンは使うが、スマホについては持ってはいるが「電話とメール」しか使っていない。運転免許証のように、スマホにも高齢者講習会があったら行きたいと思っている。デジタル社会の扉は高齢化社会の活性化のために、是非活用してほしいと、思った。


# by sasakitosio | 2021-11-26 06:32 | 東京新聞を読んで | Trackback

1122日付け東京新聞朝刊社説に、「中国の言論統制 残るのは「党の喉と舌」」との見出しが載った。今日はこの社説を学習することにした。

 まず社説は「中国政府は1月下旬、国内のニュースサイトなどで転載してもよいメディアの最新リストを公表した。

 リスト公表は2016年に続き2回目だが、今回は政府の言いなりではない独自の報道で知られるメディアがリストから外された。中国はメディアを単なる宣伝機関にすぎないととらえ、共産党や政府の「喉と舌」と呼んできたが、ネット空間でも当局お墨付きの記事しか見られなくなる。

 政府のネット規制当局が公表したのは、ニュースや報道内容などの転載を許可する発信元となる国内1358のメディアや機関。国営新華社通信や共産党機関紙・人民日報など、大半が国営メディアや地方の党、政府系メディアのウエブサイトだ。ニュースサイトなどを運営する会社がリスト以外のメディアの記事を転載した場合、当局は「法規によって罰する」としている。」と切り出した。

 続けて社説は、「中国では、これまでも中央宣伝部が、重要な政治会議や重大事件などの際に「新華社の通稿(共通原稿)のみ使用せよ」と指示し、メディアが個別に取材した内容の報道を禁ずることがあった。当局が厳しく検閲・管理してきた新聞やテレビに加え、ネット上でも「党の喉と舌」以外の言論を許さぬ姿勢が鮮明にされたと言える。

 人口約14億人の中国で、ネット利用者は人口の67%に当たる94千万人(206月)その9割以上がスマホなどの携帯端末でネットを利用している。

 香港民主化運動では、ネット上の独自報道で民主派が情報を得たり、運動が勢いづいたりしたことがあった。当局が苦々しく思っていたことは想像に難くない。

 香港紙の報道によると、16年にはリストに入っていた「財新網(ネット)」が今回外された。

 「財新網」は共産党幹部の汚職事件や、官製メディアが伝えない新型コロナウイルス感染地の状況などを報道していた。」と教えてくれる。

 最後に筆者は、「今回の措置は、今の中国で世論に最大の影響力を持つネット空間から、党や政府を代弁する声以外は完全に排除しようとする言論封殺と言える。

 習近平政権は共産党統治を守るのに厳しい管理が必要だと考えているかもしれない。だが、党や政府が公認する「一つの声」しか存在できない社会は、断じて健全ではない。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「中国政府は10月下旬、国内のニュースサイトなどで転載してもよいメディアの最新リストを公表した。」とのこと、

 「政府のネット規制当局が公表したのは、ニュースや報道内容などの転載を許可する発信元となる国内1358のメディアや機関。国営新華社通信や共産党中央機関紙・人民日報など、大半が国営メディア地方の党、政府系メディアのウエブサイトだ。」とのこと、

 「ニュースサイトなどを運営する会社がリスト以外のメディア記事を転載した場合、当局は「法規にって罰する」している。」とのこと、

 「人口約14億人の中国で、ネット利用者は人口の67%に当たる94千万人(20年6月)。その9割以上がスマホなどの携帯端末を利用している。」とのこと、

 「香港紙の報道によると、16年にはリストに入っていた「財新網(ネット)が今回外された。「財新網」は共産党幹部の汚職事件や、官製メディアが伝えない新型コロナウイルス感染地の状況などを報道していた。」とのこと、

 等々を知ることができた。

 そして社説は、「今回の措置は、今の中国で世論に最大の影響力を持つネット空間から、党や政府を代弁する声以外は完全に排除しようとする言論封殺と言える。」と指摘し、

 「習近平政権は共産党統治を守るには厳しい管理が必要だと考えているかもしれない。だが、党や政府が公認する「一つの声」しか存在しない社会は、断じて健全ではない。」と指摘した。

 指摘に賛同しながら考えた。平家にあらずんば人にあらず、と誰かが言ったと聞いたことがあるが、今の中国はまさに「共産党にあらざれば人間にあらず、の感がした。

 あらためて、自分は今の中国国民でなく、日本国民で良かった、と思った。

 また、中国の「党や政府」が変動する世界の事象に、いつも的確に対応できるというのだろうか。わたしには、多様な人々の叡智を結集してこそ、世界的・地球的危機に的確に対応できるのではないか、思っている。

 さらに、独裁が共産党という団体であろうが、個人であろうが、長期間にわたって国民をだましながら支配し続けることができるのだろうか、疑問を感じる。

さらに、民意を押さえつける力が強ければ、それを跳ね返す力も強くなるだろうから、独裁権力の崩壊する時の「被害」の大きさは計り知れないものがあり、それは国家的・国民的不幸ではないか、と思っている。

 


# by sasakitosio | 2021-11-25 13:51 | 東京新聞を読んで | Trackback

1124日付け東京新聞朝刊21面に、本音のコラムという欄がある。筆者は文芸評論家・斎藤美奈子氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「「温泉むすめ」は「日本全国の温泉地や地方都市の魅力を国内外に発信する」目的で民間企業が2016年に立ち上げた「地域活性化プロジェク」だ。運営会社は内閣府からクールジャパン企業に認定され観光庁の後援もついている。」と切り出した。

 続けて筆者は、「その温泉むすめが「性的差別ではないか」として炎上騒ぎになった。特に批判された箇所は修正されたらしいが、そもそも全国の有名温泉地を擬人化した美少女キャラクターによる「萌えビジネス」ですからね。これまで問題視されなかったのが不思議な話。

 自衛官募集のポスターから環境省の地球温暖化対策キャンペーンまで、萌えキャラをめづる騒動は10年ほど前から繰り返されてきた。日本の企業や官公庁はなんで二次元の美少女に頼るのか。

 何かの宣伝に際し「ならば若い女の子を前面に出すべきだ」「もちろんセクシーでかわいい子で」と広報担当者や組織のトップが考えてるのだとしたら、恐ろしい国だ。たとえ二次元のキャラでも10代に少女にボデーラインを強調した服を着せ、思わせぶりな表情や台詞でお客を誘わせたら、児童ポルノと紙一重と判断されても仕方がない。」と指摘した。

 最後に筆者は、「せめて温泉ボーイと温泉ガール半々にすりゃよかった?というよりオタク迎合的な宣伝法自体そろそろ考え直す時期だろう。萌えキャラはオワコンでしょ。発想が古いよ。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「「温泉むすめ」は「日本全国の温泉地や地方都市の魅力を国内外に発信する」目的で民間企業が2016年に立ち上げた「地域活性化プロジェクト」だ。」とのこと、

 「運営会社は内閣府からクールジャパン企業に認定され、観光庁の後援もついている」とのこと、

 「その温泉むすめが「性差別的ではないか」として炎上騒ぎになった」とのこと、

 「自衛官募集のポスターから環境省の地球温暖化対策キャンペーンまで、萌えキャラをめぐる騒動は10年ほど前から繰り返されてきた」とのこと、

 等々を知ることができた。

 そして筆者は、「たとえ二次元キャラでも10代の少女にボディーラインを強調した服を着せ、思わせぶりな表情や台詞でお客を誘わせたら、児童ポルノと紙一重と判断されても仕方がない」と指摘し、

 「オタク迎合的な宣伝法自体をそろそろ考え直す時期だろう。萌えキャラはオワコンでしょ。発想が古いよ。」と指摘した。

 指摘の理解につとめながら考えた。

 オワコンという言葉に初めて出会って、意味をネットで調べてしまった。

 温泉を特別好きでない、風呂も特別に好きでない、後期高齢者の自分だから「温泉むすめ」を初めて知り、その温泉むすめが「性的差別ではないか」と炎上していることも初めて知った。

 筆者には、すみませんと言うしかない、と思っている。

 ただ、性的には「人畜無害」の後期高齢者の自分だが、テレビのドラマは内容ではなく「美爺、美婆」がでる番組を選んで見ている。

 遺された人生の期間、少しでも「美しい」ものを見て過ごしたいものだ、と思っているので。
 

 


# by sasakitosio | 2021-11-25 06:37 | 東京新聞を読んで | Trackback

1112日付け朝日新聞朝刊社説に、「中国6中全会 歴史を語る権力の礼賛」という見出しが載った。今日はこの社説を学習することにした。

 まず社説は、「時の指導者の権威を高めるように歴史認識を改め、国民への浸透を進める。こんな内向きな大国では、外の世界との距離を広げるばかりではないか。

 中国共産党の最高指導機関とされる中央委員会が第6回全体会議(6中全会)を開き、今年で建党100年を迎えた党の歴史に関する決議を採択した。

 毛沢東と鄧小平の各時代に続き、40年ぶりの3回目の「歴史的決議」だという。

  全文はまだ公表されていないが、決議は共産党の完全な正しさを訴え、最高指導者としての習近平国家主席の功績をたたえる内容のようだ。

 過去の決議が党内の権力闘争や路線対立に決着をつける形で出されたのとは様相が異なる。

 習氏を毛や鄧と並ぶ地位に引き揚げ、新たな時代の幕開けを印象づけようとする演出にほかならない。」と切り出した。

 続けて社説は、「言論統制の厳しい中国では、指導部が定める歴史観が教育などを通じて社会全体を覆っていく。歴史認識は本来、多様な見解と史実の検証を経て社会的に醸成されるべきものであり、指導部が自らに都合のいいよう自在に書き換える行為は独善というほかない。

 習氏は2018年に憲法を改正し、2基10年とされていた国家主席の任期制限をなくした。

 来年の党大会でトップの座を守り、強権体制の長期化を図る可能性が指摘されている。

 米中対立や経済成長の鈍化、少子高齢化、貧富の格差など、今の中国は多くの課題に直面している。民主的な信任を経ない党政権の統治を安定的に保つには、権力の集中が必要だとの判断があるようだ。

 習氏への個人崇拝とも思える異様な礼賛を繰り返す最近の国営メディアの報道を見ても、指導部の危機感がうかがえる。

 中国ではここ数年、党による歴史評価がすべてに優先される傾向も強まっていた。

 国際的な歴史の共同研究などが以前よりも難しくなっていると、海外の学者らが指摘している。」と教えてくれる。

 最後に社説は、「中国が豊かになったのは対外開放を進め、自由主義世界との協力や協調のを進めたからだ。それを忘れて自分だけの歴史観に閉じこもり、さらには排他的な対外強硬姿勢を強めるようなことがあってはならない。

 中国は一党支配ながらも、権力集中の弊害を避ける制度を選んできた。とりわけ甚大な破壊と犠牲を生んだ文化大革命の反省があったとされるが、今の指導部はそうした教訓と先人の努力をどう考えているのか。

 ひたすら現体制の維持を図るための歴史観は、中国にとっても国際社会にとっても危ういことを認識すべきである。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「中国共産党の最高指導機関とされる中央委員会が第6回全体会議(6中全会)を開き、今年で建党100年を迎えた党の歴史に関する決議を採択した」とのこと、

 「全文はまだ公表されていないが、決議は共産党の完全な正しさを訴え、最高指導者としての習近平国家首席の功績をたたえる内容のようだ」とのこと、

 「言論統制の厳しい中国では、指導部が定める歴史観が教育などを通じて社会全体を覆っていく。」とのこと、

 「米中対立や経済成長の鈍化、少子高齢化、貧富の格差など、今の中国は多くの課題に直面している。民主的な信任を経ない党政権の統治を安定的に保つには、権力の集中が必要だとの判断があるようだ」とのこと、

 「習氏への個人崇拝とも思える異様な礼賛を繰り返す最近の国営メディアの報道をみても、指導部の危機感がうかがえる」とのこと、

 「中国が豊かになったのは対外開放を進め、自由主義世界との協力や協調をすすめたからだ」とのこと、

 「中国は一党支配ながらも、権力の集中の弊害を避ける制度を選んできた」とのこと、

 等々を知ることができた。

 そして社説は、「ひたすら現体制の維持を図るための歴史観は、中国にとっても国際社会にとっても危ういことを認識すべきである」と指摘した。指摘の通りだと思いながら、考えた。

 「習近平国主席の個人崇拝ともいえる異様な礼賛をを繰り返す最近の国営メディアの報道を見ても指導部の危機感がうかがえる」と社説は指摘した。で、その危機感は、どこからきているのだろうか、そしてその危機突破のために中国の指導部は何をしようとしているのだろうか。

内なる矛盾に国民の目をそらすために、対外強硬策を実行した例は歴史上よくあると聞く。

 尖閣問題にしろ、台湾問題にしろ、日本に近いところで紛争にならないように、とりわけ武力紛争にならないように、日本の為政者には体を張って政治生命をかけて、奮闘してほしいと、思った。


# by sasakitosio | 2021-11-24 19:25 | 朝日新聞を読んで | Trackback