まやかしの政治 <安倍首相は、自分自身の捏造についてどう責任を取るのだろうか?答弁資料を用意した役人が悪いと言い返す??捏造に踊らされた政治指導者は、悪意はなくても、愚かである!!!>
2018年 02月 19日
2月18日付東京新聞朝刊27面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・山口二郎氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「平昌オリンピックで最も恩恵を受けているのは、安倍晋三首相だろう。日本勢の活躍もあって、テレビのニュースはオリンピック関連の情報に大きな時間を割いている。そうなると、政治の動きに関するニュースはどうしても手薄になる。」と切り出した。
続けて筆者は、「オリンピックの陰で、日本の国会ではとんでもないことが次々と起こっている。
政府は「働き方改革」の柱として裁量労働制の拡大を内容とする法改正を準備している。
それを正当化するための根拠として、裁量労働制の下で働く人の方が、始業・終業時間を定めた働き方をする人より労動時間が短いと安倍首相が述べた。
研究者が不審に思い、野党が国会で追及いした結果、そのデータは存在しないことが明らかとなり、首相は答弁の撤回に追い込まれた。
オリンピックがなければこれは新聞各紙が1面に載る大ニュースである。
この通常国会の最大目玉法案について、首相が架空の数字を使って売り込みを図ったのである。」と指摘した。
最後に筆者は、「朝日新聞の捏造体質はけしからんと国会審議で攻撃を加えた安倍首相は、自分自身の捏造についてどう責任をとるのだろうか。答弁資料を用意した役人が悪いと言い逃れをするのかもしれないが、捏造に踊らされた政治指導者は、悪意はなくても、愚かである。働き方改革については、一度出直すべきである。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「裁量労働制の下で働く人の方が、始業・終業時間を定めた働き方をする人よりも労働時間が短いと安倍首相が述べた」とのこと、
「「研究者が不審に思い、野党が国会で追及した結果、そのようなデータは存在しないことが明らかになり、首相は答弁の撤回に追い込まれた」とのこと、等々は至極当たり前の経過と結論だったのではないか。専門家の不審も、野党の追及も、首相の答弁の撤回も。
首相の答弁撤回の理由は、何だったんだろうか?
首相の答弁には、大勢の優秀な官僚が多くの時間をかけて、関わっているはずだ。サポートする側に組織的・個人的・才能的に不足があるはずはあるまい。とすると、残るは「首相本人」の資質ということになるが??いずれにしても、首相が答弁を撤回したことは、居直るよりも、社会全体にとってよいことだった、と思った