反逆の意義 <維新の功労者は、江戸時代の末期には徳川政権に対する反逆者であった!権力に尻尾を振って、権力のなすことすべてを正当化する人間こそ国を誤った方向へ導く元凶!これが歴史の教訓だ!>
2018年 01月 15日
1月14日付東京新聞朝刊29面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・山口二郎氏だ。
今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「小学館が出しているSAPIOという雑誌の最新号に、中国や韓国のメディアで日本政府を批判するのはけしからんという記事が載っていて、私の発言も反日的と批判されている。
喧嘩を売りたいなら買ってやる。
特定の政権を国家そのものと同一視し、政権批判を行うものを反逆者と攻撃するのは、独裁国家に共通した論法である。」と切り出した。
続けて筆者は、「折しも、安倍政権は今年が明治維新から150年の節目ということで、維新の指導者を顕彰するキャンペーンを展開しようとしている。
歴史は、広い時間幅で見る必要がある。
維新の功労者は、江戸時代の末期には徳川政権に対する反逆者であった。
今回の大河ドラマの主人公である西郷隆盛は、維新のわずか10年後、ふたたび反乱を起こして失敗し、自害した。
歴史の転換期においては、時の権力を恐れず、自らが信ずる未来のために反乱を企てる者が、歴史を動かすのである。」と指摘した。
最後に筆者は、「政府が維新を礼賛したいというなら、維新の原動力となった下級武士の反乱精神こそを称賛し、学校教育で広めるべきである。
反日などというくだらないレッテルを貼って批判的な議論を抑圧しようとする人々にも言いたい。
権力に尻尾を振って、権力のなすこと全てを正当化する人間こそ国を誤った方向に導く元凶であるという歴史の教訓を学ばなければならない。」として締めくくった。
「喧嘩を売りたいのなら買ってやる。」と筆者の小気味のいい啖呵に気分すっきりだった。
さて、筆者の「特定の政権を国家そのものと同一視し、政権批判を行うものを反逆者と攻撃するのは、独裁国家に共通した論法である。」との指摘は、その通りだ。
「安倍政権は今年が明治維新150年御節目ということで、維新の指導者を顕彰するキャンペーンを展開しようとしている」とのこと、
「維新の功労者は、江戸時代の末期には徳川政権に対する反逆者であった」とのこと、
「政府が維新を礼賛したいというなら、維新の原動力となった下級武士の反乱精神こそ称揚し、学校教育で広めるべきである」との指摘、等々を知り、納得した。
また、「権力に尻尾を振って、権力のなすことをすべてを正当化する人間こそ国を誤った方向へ導く元凶である」という筆者の指摘もその通りだ、と思った。
さらに、政権批判をするものを反逆者呼ばわりをする人、権力に尾を振る人、等々は皆が皆、結果に対して「責任を感じない」「知らないふりをする」「忘れたふりをする」というのも歴史が教えてくれる教訓のような気がしてならない。