基本的人権の射程<オールストン氏は<中略>税や福祉や医療や司法などへの理論的・政治的介入を!格差や不安定雇用や生活不安から逃れる権利を基本的人権として承認することが必要と!>
2017年 12月 29日
12月28日付東京新聞朝刊19面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・竹田茂夫氏だ。
今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「国際人権法が専門のオールストン氏は、国連特別報告者としての米国の貧困を現地調査し、先頃声明を出した。
異例に高い貧困率・乳児死亡率・収監率、途上国並みの極貧層(約150万世帯)など、もっとも豊かな国の極度の格差の実態を改めて指摘する。
同行した記者は医療保険ないために歯がボロボロになった例を写真に収めている。」と教えてくれる。
続けて筆者は、「アメリカンドリームは幻想と化し、怠惰が貧困を生むとする謬見がまかり通る。氏によれば、貧困層の政治的無関心を利用するため半ば意図的に貧困が再生産され、自由市場からの落伍者は強大な刑罰国家が引き受ける。
格差是正のために国民医療保険や福祉の充実など公共性が求められるわけだが、米政権と議会多数派は逆に規制緩和や民営化、企業や富裕層の減税を推し進め、さらに福祉給付・年金・老齢医療保険の削減を狙っている。」と指摘した。
最後に筆者は、「どうすべきか。人権の言説は告発の機能はあるにしても、新たなファシズムの時代に無力のように見える。
オールストン氏は理念を説教するだけではなく、税や福祉や医療や司法などの制度への理論的・政治的加入をすべきで、格差や不安定雇用や生活不安から免れる権利を基本的人権として承認することが必要だという。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「国際人権法が専門のオールストン氏は、国連特別報告者として米国の貧困を現地調査し、先頃声明を出した」とのこと、
「異例に高い貧困率・乳児死亡率・収監率、途上国並みの極貧層(約150万世帯)など、もっとも豊かな国の極度の実態を改めて指摘する」とのこと、等々を始めて知ることが出来た。
「オールストン氏は理念を説教するだけでなく、税や福祉や医療や司法などの制度へ理論的・政治的介入すべきで、格差や不安定雇用や生活不安から逃れる権利を基本的人権として承認することが必要だいう」との主張は、凄く新鮮に聞こえた。
確かに、格差や不安定雇用や生活不安から逃れる権利は、今の日本国憲法でも基本的人権として承認できるはずだ、と思った。
また、筆者のコラムが今回で終わるとのこと、毎回いい勉強をさせてもらった。惜しい気がします。ありがとうございました。