体験のプラットフォーム 「なりたい自分」を可能に<「私たちの仕事はすべて、機械とロボットに奪われてしまうのか」との問いに、Airbnbはそうさせないためにプラットフォームを作っている!えっ!!>
2017年 08月 16日
8月9日付朝日新聞朝刊11面に、「コラムニストの目」という欄がある。
筆者は、トーマス・フリードマン氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「10年ほど前に、二つの「プラットホーム(情報配信基盤)」企業が米カリフォルニア州に突如出現した。
話題をさらった一つはウーバーで、携帯電話の簡単な操作でタクシーを呼び、運転手に指示し、運賃を支払い、運転手を評価できるプラットファームを生み出した。このサービスは急成長し、あらゆる人々が空き時間にタクシー運転手になった。
ただウーバーが明らかにした最終目標は「自動運転車」だった。
もう一つはAirbnb(エアビーアンドビー)だ。世界中の人が全く見知らぬ人に空いた寝室を何時でも貸し出せる、非常に効率的な信頼できるプラットホームを作った。Airbnbは急成長を続け、今では毎年、ヒルトン系列のホテル全体に匹敵する部屋数を増やしている。
だが、ウーバーが自動運転車を目指すように、Airbnbも別の目標を持っている。それは「自ら動く人間」と私が呼ぶ人々を生み出すことだ。
だから、Airbnbが5年後、世界最大規模の家の賃貸サービスであり続けるだけでなく、仕事を生み出す世界最大のプラットフォームの一つになっても驚きはない。Airbnbは信頼のプラットフォームの拡大を粛々と進め、空き部屋の貸し出しだけ活動を超え、人々の情熱を職業につなげ、より多くの「自ら動く人間」を力づけることを可能にしているのだ。」と切り出した。
続けて筆者は、「心配ご無用、私はAirbnbの株を持っているわけではない。(そうだったらいいのだが)。
だが創業当時から、創業者の一人でCEO(最高経営責任者)のブライアン・チェスキー氏との対話を通じ、Airbnbの動向を追ってきた。
それは、私たちが今日直面する最も厄介な社会的な問いへの答えの一部を出してくれると思うからだ。
その問いとは、「私たちの仕事はすべて、機械とロボットに奪われてしまうのか」というものだ。
答えはこうだ。「ただ指をくわえてみているだけなら、そうなるかもしれない」。だからAirbnbはそうはさせないようにプラットフォームをつくっている。すべては、部屋を貸す人々がお客さんにこう話しかけるところから始まった。
「やあ、部屋を気に入ってくれているとうれしいよ。ところで、私はいい料理人でもあるんだ。夕食会を用意しましょうか」このような流れは今まさに始まったところだ。
「わたしたちは庭を作って、一つの植物を植えた。それがホームシェアリング(民泊)だった」。チェスキー氏はサンフランシスコで朝食取りながら説明した。「今、この庭でほかのどんなものが育つか見ているところなんだ」
何が育ってるかを見るには、Airbnbのウエブサイトの「宿泊先」ではなく「体験」をクリックしてほしい。自分の情熱から利益を生み出し、内に秘めていた職人技を第2の仕事につなげようとしている無数の人々が見つかるだろう。
たとえば、ルカさんロレンツォさんのチームは一人152ドルで、イタリアのフィレンツエを訪れる7人を郊外の森にある古民家でいちからパスタを作る旅を案内。
また、ロンドンでは1人84ドルで、帽子デザイナーのサラさんと一緒に世界で一つだけの帽子を作る方法を3時間で学べる。
Airbnbの「体験」のサイトが今年、10倍の規模に成長したのは驚くに値しない。チェスキー氏は「人生における最大の資産は家ではなく、それぞれの人が持つ時間と可能性であり、私たちはそれを引き出すことができる」と説明。
そして自分が引退するときに「Airbnbが世界に1億人の企業家を生み出したと言いたい。」と語った。
だが、米国内の雇用をめぐる今日の議論には、過剰な恐怖と想像力の欠如が目立つ。それは、「私たちが亡くなっていくものばかりに目を向けているからだ」とチェスキー氏は言った。
「これからやって来るものに注目する必要がある」」と指摘した。
最後に筆者は、「実際、この時代の素晴らしい点は、2万5千人を雇用する自動車工場をもつフォード社が町にやってくるのを待つ必要がないことだ。そうした工場は、今では2500台のロボットと千人の人間からなる。
未来は、地域ならではの特性や熟練した職人、人間の才能を活用することを学ぶ地域社会にかかっている。
ケンタッキー州ルイビルにエッフェル塔はないが、素晴らしいバアーボン・ウイスキーの蒸留所が林立し、数えきれないほどの観光の機会を作り出している。
自動車産業で知られるデトロイトにピラミッドはないが、モータウンの音楽に彩られた歴史があり、さまざまなアーテストが観光客向けのコンサートやツアーを企画している。
これが、米国の中間層の雇用をめぐる課題に対する唯一の答えではない。Airbnbのようなプラットホームはその一つに過ぎない。
だが、多くの人が自らの情熱を掘り起して喜びと収入を見出していることに奮起しなければならない。
Airbnbの体験のプラットホームはいま、訪問客が地元の人のようにくらし、その過程で地域社会を豊かにし、新たな雇用を生み出すことを可能にしている。
チェーニー氏はこう結論付ける。
これまでの企業がしてきたことの大半は、「自分たちがほしいものを作るために天然資源を引き出して使うことだった」。今日の新しいプラットフォームは、「自分たちがなりたかった自分になる」ために、人間の潜在的な可能性を引き出しているのだ。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「10年ほど前、二つの「プラットフォーム(情報配信基盤)」企業が米カリフォルニア州に突如出現した」とのこと、
「話題をさらった一つはウーバーで、携帯電話の簡単な操作でタクシーを呼び、運転手を評価できるプラットフォームを生み出した。このサービスは急成長し、あらゆる人々が空き時間にタクシー運転手になった」とのこと、
「ただウーバーが明らかにした最終目標は「自動運転車」だった」とのこと、
「もう一つはAirbnb(エアービーアンドビー)だ。世界中の人が全く見知らぬ人に空いた寝室を何時でも貸し出せる、非常に効率的な信頼できるプラットフォームを作った。Airbnbは急成長を続け、今では毎年、ヒルトン系列のホテル全体に匹敵する部屋数を増やしている」とのこと、
「だが、ウーバーが自動運転を目指すように、Airbnbも別の目標を持っている。それは「自ら動く人間」と私が呼ぶ人々を生み出すことだ。」とのこと、
「チェスキー氏は「人生における最大の資産は家ではなく、それぞれの人が持つ時間と可能性であり、私たちはそれを引き出しことができると」説明」とのこと、
「米国内の雇用をめぐる今日の議論には、過剰な恐怖と想像力の欠如が目立つ。それは「私たちが亡くなっていくものばかりに目を向けているからだ」とチェスキー氏は言った。「これからやって来るものに注目する必要がある。」」とのこと、
「チェスキー氏はこう結論づける。これまでの企業がしてきたことの大半は、「自分たちがほしいものを作るために天然資源を引出して使うことだった」。今日の新しいプラットフォームは、「自分たちがなりたかった自分になる」ために、人間の潜在的な可能性を引き出しているのだ」とのこと、等々を初めて知ることができた。
確かに今日、日々の暮らしの中に、ウーバー、自動運転車、家の賃貸サービス等々の言葉を見るようになった。
それが、二つのプラットホームに由来することも初めて知った。
また、「私たちがなくなっていくものばかりに目を向ける」のではなく、「これからやって来るものに注目する必要がある」との指摘は、日本における「少子高齢化」対策にピッタリの指摘のような気がした。
まさに未来志向で、暮らしも、社会も、国家も、世界も、見ていけば、先に必ず明るい未来があるのかもしれない、と思った。