カリームの非暴力 <アラブは古くから、かたき討ちを容認する文化だ!「許すほうが良い」と教えるイスラムをもってしてもその文化は変えられなかった!?「非暴力」はアラブの文化革命か??>
2017年 08月 13日
8月12日付東京新聞朝刊19面に、「本音のコラム」という欄がある。 筆者は、文筆家・師岡カリーマ氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「バイクで街を走行中、帽子が飛ばされた。一瞬迷ったが、取りに戻った数秒後、その先でテロが発生。帽子が飛ばされなければ、巻き込まれていた。
「危険すぎる。中止しようか」と考えていた短編映画の撮影を、アリー・カリーム(33)は続行すると決めた。九死に得た一生だ。」と切り出した。
続けて筆者は、「米軍による侵攻以来、50万超の市民が死亡したというイラク。テロ件数と犠牲者数は世界最悪だ。そこで撮影された「不思議の国ハッサン」が日本で上映され、カリーム監督も来日、NHK国際放送でも紹介された。
作品を通じてカリームが訴えようとしているもの、それは非暴力だという。アラブは古くから、かたき討ちを容認する文化だ。
暴力には暴力で対抗する権利があると考える人も多い。「許すほうが良い」と教えるイスラムをもってしても、その文化は変えられなかった。
だから私はカリーマのメッセージに共感しつつも、戦争や宗派対立で多くの人が肉親を奪われた傷の癒えないイラクでそれがどう受け止められているか、懐疑的だった。」と指摘した。
最後に筆者は。「だが手ごたえは確かにあるという。ある中年男性は「私たちの世代ではもう遅い。子どもたちに非暴力を教えてくれ」と彼を激励した。不条理な戦争の犠牲を重ね、かって日本人がそうだったように今、イラクの人々も平和を渇望している。終戦記念日には、彼らにも思いをはせたい。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「米軍による侵攻以来、50万超の市民が死亡したというイラク。テロ件数と犠牲者数は世界最悪だ」とのこと、
「そこで撮影された「不思議の国のハッサン」が日本で上映され、カリーム監督も来日。NHK国際放送でも紹介された」とのこと、
「アラブは古くから、かたき討ちを容認する文化だ。」とのこと、
「暴力には暴力で対抗する権利があると考える人も多い。「許すほうが良い」と教えるイスラムをもってしても、その文化は変られなかった」とのこと、等々を知ることができた。
特に、アラブのかたき討ちの文化は、イスラムの「許すほうが良い」という教えを持ってしても変えられなかった、との指摘は意外であった。
筆者の指摘から考えると、中東発で頻発するテロは、イスラムの教えからではなくアラブのかたき討ちの文化からだということになる。
目からうろこの思いだ。
そして筆者の「不条理な戦争の犠牲を重ね、かって日本人がそうだったように今、イラクの人々も平和を渇望している」とに指摘を素直に受け入れることができた。