「打虎隊長」醜聞の虚実< その名は、汚職調査機関である党中央規律検査委員会トップの王岐山書記!!親族が海南島を拠点とする海南航空の利権がらみで約320兆円の汚れた金を手に!?>
2017年 07月 05日
7月4日付東京新聞朝刊4面に、「論説委員のワールド観望」という欄がある。
筆者は、加藤直人氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「中国の習近平国家主席(共産党総書記)は、反腐敗闘争を旗印に政敵の追い落しを図り政権基盤を固めてきた。
闘争の先頭に立ってきたのが、汚職調査機関である党中央規律検査委員会トップの王岐山書記である。「事実上の党ナンバー2」とまで言われるほど反腐敗闘争ですご腕を振るってきたが、米国発で王氏一族をめぐる醜聞が飛び出した。
最高指導部人事が話し合われる秋の党大会を揺さぶる大スキャンダルとなる可能性をはらんでいる。
王氏は北京市長、金融担当の副首相などを歴任し、現在の党内序列6位の高官だ。
陜西省の寒村に下放されていた時に同じ境遇の習氏と寝食を共にし、二人は40年余の友情を育んできた。
2012年に習指導部が「トラもハエもたたく」とぶちあげた反腐敗闘争で「打虎隊長」と持ち上げられ、江沢民元国家主席に連なる政治家や軍人を失脚させてきた。」と切り出した。
続けて筆者は、「王氏への火の粉は今春、米国からふり注いだ。
自らも汚職疑惑で米国に逃亡した中国の政商が米メデイアに「国家安全省などの指示で腐敗官僚を調査してきた」と明かし、「王氏と一族について調べよと命令を受けていた」と爆弾発言に踏み切った。
疑惑の中心は、王氏の親族が海南島を拠点とする海難航空の利権などに絡み20兆元(約320兆円)もの汚れた金を手にしたというものだ。
確かに、王氏は海南省のトップを務めた経歴がある。
中国政府は「容疑者として手配されている人物の話を信じない」と、爆弾発言の信憑性を真っ向から否定し火消しに躍起になった。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「16年中に汚職腐敗で摘発された公務員は4万7千650人。 庶民は「汚職を取り締まらなければ国が滅ぶ、取り締まれば党が滅ぶ」という痛烈に共産党の腐敗ぶりを皮肉る。
それだけに打虎隊長の醜聞は痛手だが、上海の政治学者は「習氏は党大会の人事のため王氏を守る」と見る。
最高指導部の「68歳定年」の内規に従えば、秋の大会で定年超の王氏は引退となる。だが、習氏指導の定年延長による残留説が説がくすぶり続ける。
習氏は現在64歳。
王氏続投を口実にした定年延長で「自身が引退すべき22年の次々回党大会でも居座り、3期目を狙う」(同学者)との見方が根強い。
政商発言の真偽は不明であり、習氏自身が王氏の取り調べを指示したかどうかは闇の中だ。
だが、醜聞ははじけるとの見方も、習氏は反腐敗闘争で有力な政敵を粛清し、すでに北京、上海市長にも側近を配置した。
習氏にとって切り込み隊長の王氏はもう用済みというシビアな分析だ。
実は、王氏は古都・西安の大学で歴史を専攻した。
漢の劉邦に仕え、謀反の罪で死んだ将軍・韓信の「狡兎死して走狗煮られ・・」の名言が脳裏をよぎったかもしれぬ。
獲物の兎である政敵が一掃されたならば、猟犬たる打虎隊長の命運は風前のともしびであるからだ。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
王氏は、「2012年に習指導部が発足したのち、習氏が「トラもハエもたたく」とぶち上げた反腐敗闘争で「打虎隊長」と持ち上げられ、江沢民国家主席に連なる政治家や軍人を次々と失脚さてきた」とのこと、
「自らも汚職容疑で米国に亡命した中国人政商が米メデイアに「国家安全省の指示で腐敗官僚を調査してきた」と明し、「王氏と一族について調べよと命令を受けていた」と爆弾発言に踏み切った」とのこと、
「疑惑の中心は、王氏の親族が海南島を拠点とする海南航空の利権などに絡み20兆元(約320兆円)もの汚れた金を手にしたというものだ。」とのこと、
「16年中に汚職腐敗で摘発された公務員は4万7千6百50人。」とのこと、
「王氏続投を口実にした定年延長で「自身が引退すべき22年の次々党大会でも居座り、3期目を狙う」との見方が根強い」とのこと、
「醜聞ははじけるとの見方も、習氏は反腐敗闘争で有力な政敵を粛清し、すでに北京、上海市長にも側近を配置した。習氏にとって切り込み隊長の王氏はもう用済みというシビアな分析」があるとのこと、等々を知ることができた。
権力の座に就き、前任の権力者に連なる政治家や軍人を次々に失脚させたきた「習近平氏」にとって、権力の座から降りることは「自分と取り巻きの失脚」という「極度の恐怖を伴う」のではないか。
だから、習氏にとって「3期目を狙う」 のに、王氏の存在が必要かどうかの判断が、分岐点のような気がした。筆者の中国事情の続報が待ち遠しい。