怒りの抗議 重なるリットン調査団 <一連の応酬は「共謀罪」の本質をあぶり出すように見えます!共通するのは「偽りの夢」と国民の「人気」です!?日本政府の見解は、文面から湯気が立つようでした??>
2017年 06月 08日
6月6日付朝日新聞朝刊30面に、「問う「共謀罪」学問の世界から」という欄がある。
発言者は、歴史学者・加藤陽子さん(56)だ。
聞き手は後藤遼太氏だ。
今日はこの記事に学ぶことにした。
まず記事は、「政府の怒りの裏にあるものを歴史は教えてくれる。
国連特別報告者のカナタチ氏が日本に示した「共謀罪」をめぐる文書は、プライバシー監視について国際人権法と整合しているか教えてほしいというものです。
これに対する日本政府の見解は、文面から怒りの湯気が立つようでした。「「共謀罪」は国際組織犯罪防止条約を結ぶため必要だ」と前提を述べ、「なぜ187の締約国にも懸念を表明しないのか」とカナタチ氏をなじったのです。
国連の委嘱を受けた人物の要求に対して開き直りの抗議。
既視感がある。
1931年の満州事変後、リットン卿が国際連盟の委嘱で報告書は発表した「リットン調査団」。その時の抗議と似ています。
日本は「事変の発端となった鉄道爆破は中国の仕業」という虚偽を前提にしていた。
そして「満州国」建設の裏に日本軍がいたと非難されると、「他の列強もやったこと」と開き直る。
「共謀罪」も、実は条約に加わるために不可欠ではないとガイドラインからは読み取れる。
前提に虚偽があるから、外からの干渉にあれだけ神経質になる。」と教えてくれる。
続けて記事は、「歴史は単純には繰り返さないが、やはり類似点を見いだせる。
一連の応酬は「共謀罪」の変質をあぶり出すように見えます。
共通するのは「偽りの夢」と「国民の人気」です。
満州事変当時は世界不況。
日本の農村も苦しんでいたが、政党内閣には農民を救えなかった。ビジョンを掲げたのが軍部でした。
「満州が手に入れば好景気になる」とあおり、国民人気を獲得します。
いざ戦争になれば、搾取され徴収されのは農民でした。
「見果てぬ夢」を掲げて後戻りできなくなったところで、国際連盟の指摘に過剰反応。
今と似てませんか。
「五輪で景気が良くなる」と「見果てぬ夢で」国民を期待させ「「共謀罪」でテロを防がなければ開催できない」とあおる。
法案成立直前までこぎ着けたのに、国連特別報告者からの「待った」に怒り狂ってしまった。」と教えてくれる。
最後に記事は、「「戦前より民主政治は成熟している。心配は杞憂だ」と言われるけど、想い出してください。1925年に治安維持法を成立させたのは、リベラル加藤高明内閣でした。
法制局が当初出した案は、条文で「憲法上の統治組織、納税義務、兵役義務、私有財産制を変革する行為」と、犯罪行為を限定していた。
護憲内閣には「弾圧なんか絶対ない」と自信があり、結局「国体(天皇制を中心とした国のあり方)の変革」というあいまいな処罰対象で成立させてしまう。
ツケは10~15年後に回ってきます。
極めて脆弱な法律を、安定した力を持つ政党内閣が自信満々に作ってしまったという怖さ。
このおごりを忘れてはいけません。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「国連の委嘱を受けた人物の要求に対しての開き直りの抗議に既視感がある」とのこと、
「1931年の満州事変後、リットン卿が国際連盟の委嘱で報告書を発表した「リットン調査団」。その時の抗議に似ています。」とのこと、
「一連の応酬は「共謀罪」の本質をあぶりだすように見えます。共通するのは「偽りの夢」と国民の「人気」です」とのこと、
「満州事変当時は世界不況。日本の農村も苦しんでいたが、政党内閣は農民を救えなかった。ビジョンを掲げたのは軍部でした。
「満州が手に入れば好景気になる」とあおり、国民の人気を獲得」とのこと、
「「五輪で景気が良くなる」と「見果てぬ夢」で国民を期待させ、「共謀罪」でテロを防がなければ開催できない」と煽る」とのこと、
「法案成立までこぎ着けたのに、国連特別報告者からの「待った」に怒り狂ってしまった」とのこと、
等々を知ることができた。
たしかに、満州事変のときの「虚偽」と調査団にたいする「開き直り」、共謀罪の「虚偽」と国連特別報告者に対する「開き直り」、等はよく似ていると思った。両者における、「過程の酷似」はそうだとしても、「結果の酷似」は絶対避けたい、と思った。