加計学園問題 論点をすり替えるな <トップダウンで規制に風穴を開ける特区である以上首相が指導力を発揮すること自体当然だ!問題は手続きが公平・公正で透明かだ!?>
2017年 06月 04日
5月31日付朝日新聞社説に、「加計学園問題」が載った。今日はこの社説に学ぶことにした。
まず社説は、「安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり、前文部科学事務次官の前川喜平氏が新たな証言をした。
昨年9月~10月、和泉洋人・首相補佐官に首相官邸に複数回呼ばれ、新設を認める規制改革を早く進めるよう求められた。
和泉氏はその際、「総理は自分の口から言えないから、私がかわりに言う」と述べたという。
事実なら、すでに明らかになった内閣府からの求めに加え、首相補佐官も「総理」の名を直接あげて、文科省に働きかけていたことになる。
証言は、国家戦略特区という政権の目玉政策に公私混同があった疑いを抱かせる。
国政への信頼がいっそう揺らいでいることを政権は自覚すべきである。
信じられないのは、事実関係を調査し、国民に対して説明する姿勢が首相らに全く見られないことだ。」と指摘した。
続けて筆者は、「菅官房長官は記者会見で政府として調査はしないとし、「前川さんが勝手に言っていることに、いちいち政府として答えることはない」と突き放した。
首相は国会で「改革を進めていくうえで常に抵抗勢力がある。抵抗勢力に屈せずにしっかりと改革を前に進めていくことが大切だ」と述べた。
だが今回、問われているのは特区で獣医学部新設を認めることの是非ではない。
トップダウンで規制に風穴を開ける特区である以上、首相が指導力を発揮することは当然だろう。
問題はその手続きが公平、公正で透明であるかどうかだ。
行政府として当然の責務を安倍政権は軽んじている。そう思わざるを得ない証言や文書がこれだけ明らかになっている。
特区であれ、通常の政策であれ、行政府として、それを進める手続きが妥当であると国民や国会から納得が得られるようなものでなくてはならない。
なのに首相は自ら調べようとせず、「私が知り合いだから頼むと言ったことは一度もない。 そうではないというなら証明してほしい」と野党に立証責任を転嫁するような発言をした。
考え違いもはなはだしい。」と指摘した。
最後に社説は、「政府が説明責任を果たさないなら、国会が事実究明の役割担う必要がある。
前川氏をはじめ関係者の国会招致が不可欠だ。
自民党の竹下旦国会対策委員長が前川氏の証人喚問について「政治の本質に何の関係もない」と拒んでいるは、全く同意できない。
問われているのは、政治が信頼に足るかどうかだ。
それは政治の本質にかかわらないのか、」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「菅官房長官は記者会見で政府として調査しないとし、「前川さんが勝手に言っていることに、いちいち政府として答えることはない」と突き放した」とのこと。
この首相や官房長官が事実関係を調査し、国民に対して説明する姿勢が全く見られない「現実」は、政府は前川喜平前次官の発言を否定できない、何よりの証拠ではないのか。
野党やマスメデイアには、政府が告訴も告発もできず、ただ「前川発言や文書」を無視し居直っていることの意味を「深堀りと深詰め」してほしいと思った。