岩盤規制という幻想< 既得権益を打ち破れば、競争原理が働いて資本・技術・労働力の再編で日本は成長できる、それは幻想!?法的規制や官僚の権限が政治的強権等に置き換わるだけ!?>
2017年 06月 02日
6月1日付東京新聞朝刊25面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・竹田茂夫氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「これが安倍流ポスト・トゥルースか。
共謀罪法案や加計問題に関する、熟議や事実への問答無用といった政権中枢の対応は常軌を逸している。
先週の「戦略特区諮問会議」の議事録によると、市場神話を信仰する経済学者らが交交こう主張した。
岩盤規制のための正々堂々たる議論では加計学園への特別の配慮はありえない、うんぬん。
30日の「未来投資会議」では、4年前の解雇特区の失敗も顧みず、今度は企業提案で関連法制を一時停止する案が出された。」と教えてくれる。
続けて筆者は、「だが、ここには基本的な思い違いがある。既得権益を打ち破れば、競争原理が働いて資本・技術・労働力の再編で日本は成長できるという幻想だ。
権力の布置を破れば別の布置に置き換わるだけだ。
法的規制や官僚の権限が政治的強権や大企業の恣意的権力に置き換わるわけだ。
ショック療法で旧ソ連経済を市場経済へ転換する大掛かりな試みは見事に失敗し、今やロシアは独裁型のクローニー資本主義に成り果てた。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「ピノチェト軍事独裁政権を支えたシカゴ学派経済学者らが、非道な政権にすり寄るコバンザメ学者の究極の姿だ。
しかしも、医療で市場原理と利益追求を許せば必ず病的現象が現れることは経済学の常識ではないのか。
農業についても同断だ。
末期症状の政権はいつまで続くのか。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「「戦略特区諮問会議」、「未来投資会議」があり、そこの議論に、基本的な思い違いがある」との指摘、
それは「既得権益を打ち破れば、競争原理が働いて資本・技術・労働力の再編で日本は成長できるという幻想だ」との指摘、
「権力の布置を破れば別の布置に置き換わるだけだ」との指摘、
「法的規制や官僚の権限が政治的強権や大企業の恣意的権力に置き換わるわけだ」との指摘、
等々は指摘通りだと、思った。
また、「医療で市場原理と利潤追求を許せば必ず病的現象が現れることは経済学の常識ではないのか」との指摘は、その病的現象の治療方法と治療薬ができるまでは、医療での市場原理と利潤追求は岩盤規制してほしい、と思った。